【初心者・入門者向け】初めてクラリネットはこう選べ!

2015年10月17日

クラリネットと楽譜

入門用クラリネット、初めの一本の選び方!

クラリネットといってもいろいろあって、特にこれから始める入門者の方には「 何がいいのかわからない 」と、なる方多いかと思います。

今回は、これからクラリネットを始める方向けに入門用一本目の選び方を解説します。

  • 必ずB♭クラリネットを選ぶ。
  • 入門にはお手頃価格で管理・ケアが簡単なプラ菅もオススメ。
  • 本格的な木製クラリネットも10万前後くらいから手に入る。

クラリネットの音域に注意!

代表的なクラリネットのサイズ感

代表的なクラリネットのサイズ感。

これからクラリネットを始める入門者・初心者の皆さん、最初の一本目は必ずB♭クラリネットを選びましょう。画像左から2番目のもの。

ソロのみならずオーケストラや吹奏楽などのアンサンブル(合奏)でも幅広く使われ、特に指定なくクラリネットといったらB♭クラリネットを指すくらい、最も一般的なクラリネットです。

読み方は「 ベークラ 」。B♭のドイツ読みベーとクラリネットを略した読み方。表記上、♭を小文字アルファベットbと書いてBbクラリネットとすることもありますが、同じくベークラを指しています。

B♭クラリネットのほかに一回り大きいA管のクラリネット、一回り小さいE♭クラリネット(通称エスクラ)、アルトクラリネット、バスクラリネットなどがあります。

が、最初は必ずB♭クラリネットを選びましょう。すべての基本です。特にA管のクラリネットはB♭クラリネットに比べ管体が少し大きいだけで形はほぼ同じ。間違えないよう注意が必要です。

クラリネットの選び方で最も重要なのは音域です。

車でいうならB♭クラリネットが普通車で、ほかのクラリネットはバギーだったり大型バスだったり、似ているようで全然違うものです。

例えば吹奏楽部の編成の都合でいきなりアルトクラリネットを担当することになった、なんてことでもない限り、はじめてのクラリネットにはB♭クラリネットをお使いください。

本来、ほか音域のクラリネットはB♭クラリネットで基礎を作ってから挑むのが基本です。

ベーム式?ドイツ管?

音域とは別にもうひとつ注意したいのが、ドイツ管クラリネットの存在。

ドイツ管は現在ドイツを中心に使われている伝統的な方式のクラリネットです。マウスピースやリードなど周辺機器も専用のものが必要になります。

しかしいま現在、ドイツ管のクラリネットは世界的にみればあまり一般的ではありません。

現代で一般的に使われているのはベーム式とも呼ばれるいわゆるフランス管のクラリネット。

入門用の一本目としてはドイツ管と呼ばれるエーラー式やドイツベーム式は避け、フランス管・ベーム式の物を選びましょう。

入門にはプラスチック管もオススメ

クラリネットの管体はグラナディラなどの木材で造られる木製のものが一般的。

ですが、中にはプラスティックのクラリネットも存在し、プラ管と呼ばれます。

木製の方が音の響きがよく高級品で、プロもアマチュアも本格的な演奏で使うのもすべて木製。

しかし、プラ管にもメリットがあります。

  • プラ管は木製クラリネットよりも環境変化に強く、扱いやすい。
  • 木製価格が安価で手に入れやすい。

クラリネットなど木製の管楽器は温度や湿度の影響を受けやすいため、保管時や演奏後のケアが重要。

雑に扱うと管体にヒビや割れが起こり修理が必要になります。

奏者がまだ子供で使い方が荒い場合、頻繁に外で演奏する用途では木部が割れてしまう心配があるので、プラ管のものを使うと良いでしょう。

代表的なプラ菅のB♭クラリネットがYAMAHAのYCL-255です。

YAMAHA ヤマハ クラリネット YCL-255
ヤマハ(YAMAHA)

さすがは世界のYAMAHA、価格がお手頃ながらもかなりしっかりした造りです。

クラリネットなど西洋管楽器が生まれたヨーロッパ地方とは違い、日本には四季があり一年間の気候が安定しません。

うんざりするほど暑くじめじめした夏が来たかと思えば、一気に冷えて唇がひび割れるほど寒く乾いた冬がきます。

これは人の肌だけでなく木製楽器にとっても非常にストレスで、きちんとケアしていても割れるときは割れてしまうのが木製管楽器です。

修理費もバカになりませんので、上達したら買い替えるにしても入門したばかりの初心者のうちはやはりプラ菅がオススメです。

木製クラリネットのオススメは?

反対に、木製クラリネットにはプラ管クラリネットよりも音質がよく、キレイに響くメリットがあります。

たとえばYAMAHAの入門用で最も安価な木製B♭クラリネットのYCL-450でもYCL-255とは明らかに音の響きが違ってきます。

ただ若干高価になる点とやはり木製楽器は管理が難しい点がありますので、その辺りは予算やちゃんと管理できるかなどを考慮して選びましょう。

価格的にはYCL-450で大体10万円~11万円前後で手に入ります。

もちろん探せばもっと安いモデルもあります。が、最低でもプラ管モデルYCL-255かYCL-450のどちらかで選ぶことをオススメします。

そこは世界のYAMAHA、クラリネットとしてはかなり価格をおさえながらも機能面や音質面はかなりハイクオリティに仕上がっており、コストパフォーマンスは抜群です。

初めてクラリネットを買うのにこれほど最適な楽器はない、と言い切っても良いくらいです。

(もちろん、その後のグレードアップ機種も素晴らしい)

まとめ:初心者・入門者のクラリネットの選び方

  • 初心者はまず、すべての基本・基礎となるB♭クラリネットを選ぶ!
  • 扱いやすいプラ管か木製か、その特徴をよく知った上で選ぶ!

まずは予算と管理の手間を考えて木製かプラ管かを選んでください。

木製の方が本格的ですし、音もいいことはいいのですが、やはり割れを気にせずに使える扱いやすさはプラ管の大きなアドバンテージ。

特に直射日光が当たったり冬など乾燥する寒い環境で吹く場合や、物の扱い方が雑で心配な場合は、プラ管の方が安心です。

いずれにしても、B♭クラリネットから探すことをお忘れなく。