【サックスリードの種類】バンドレンリード、シリーズごとの音の傾向・違い
バンドレンのサックス用リードシリーズごとの違い
サックス用リードにはかなりの種類がありますが、今回はリード会社の中でもライバルのRICOを抑え堂々と世界シェア1位を誇るVANDOREN(バンドレン)のサックス用リードにスポットを当て、解説します。
サックス用リードと一口にいってもソプラニーノサックスからバスサックス用のリードまで幅広い音域が存在していますが、基本的にその特徴はリードのシリーズによって決まっています。
マウスピースとの相性や奏者のスタイルによっても感じ方は変わるかと思いますが、全体的な傾向としてご参考になれば幸いです。
トラディショナル Traditional
・ファイルドカット仕様
TraditionalシリーズはVANDORENの中でも最もスタンダード王道のリードです。
その箱の色から一般的には青箱と呼ばれています。(どうみても紺色なのはご愛嬌)
V12と並んで売れまくりです。
振幅が最も大きくなるパレット部がV12シリーズやJAVAシリーズよりも厚く、振動部のコシが強いのも特徴です。
どんなジャンルにも幅広く適応し、扱いやすい点が特徴。
どちらかといえばジャズよりも吹奏楽・クラシック寄りのリードといえるでしょう。
特にまだ慣れていない初心者の方はまずクセのないトラディショナルを使って徐々に他のリードも色々試し、好みのリードを見つけていくのが王道パターンですね。
V12
・ファイルドカット仕様
V12は通称銀箱と呼ばれる、VANDORENの中でもトラディショナルと並んで人気のリードシリーズです。
このV12とトラディショナルシリーズがVANDORENリード販売のほとんどを占めているといっても過言ではないでしょう。
サックス用のV12もクラリネット用同様、長めのパレットと厚めのヒールで仕上げられており、表現力豊かな音色が特徴。
豊かで明るめの音色で、吹奏楽・クラシック系の音楽によく合うリード。
全体的にジャズ向きのダークな音色の特徴を持つシリーズが多いサックス用のリードにおいて、V12は唯一ザ・吹奏楽用!って感じのリードシリーズといえるでしょう。
V21
・アンファイルドカット仕様
クラリネット用リードとして発売直後は入手困難なレベルで売れまくったV21シリーズが、2016年にサックス用としても登場しました。
どうみても紺色箱のトラディショナルシリーズよりもV21の方が青いのに、すでに " 青箱 " の呼称定着してしまってなかなかV21の愛称は定まらないでいるようです。
VANDORENのサックス用のリードとしては初めてのヒール部分を狭く仕上げた円錐形のアンファイルドリードで、他のサックス用リードとはまた違った吹奏感が得られます。
VANDORENとしては、どんなジャンルにもよく合いどんなマウスピースにも適合する、トラディショナルシリーズに次ぐ第二のスタンダードを狙って設計しているようです。
2016年に発売されたばかりでまだ情報も少ないところではありますが、その実力のほどには期待がかかります。
V16
・アンファイルド仕様
V16シリーズはジャズ向けに作られたサックス用リードシリーズです。
後述するJAVAシリーズ、ZZシリーズと並んでVANDORENのサックス用リードの中でJAZZ用リードの座を長年争っています。
箱の色は緑ではありますが、どちらかといえばJAVAシリーズの方が緑箱として認知されているため、緑箱などとは言われずV16と言われています。
ジャズ向けのリードでは定番のアンファイルド仕上げでコシが強く、全体的に振幅が大きい吹奏感で、ダークでパワフルなサウンドを得られます。
ジャバシリーズ JAVA(アンファイルドカット)
・アンファイルド仕様
JAVAシリーズは、ジャズ・ポピュラー音楽向けに1983年に発売されたリードです。
その箱の色から緑箱・緑JAVAなどと呼ばれています。(V16と混同する可能性もなくはないので、緑JAVAの方が安全なような気が)
同じくジャズ向きのリードであるV16と比べレスポンスの早い明るい音色が特徴で、そこはやはりポピュラー向けな面があるためでしょう。
全体的に柔らかい特色のリードです。
ちなみにJAVAのJAはジャズ(JA)の略で、VAはヴァリエーション(Variation)の略。
ジャズや色々な音楽に使えますよ~、って意味が込められています。
一概には言えませんが、一般的にはファイルドカットよりもアンファイルドカットの方がジャズ向きとされており、赤JAVAよりもジャズに特化したリードともいえるでしょう。
ジャバファイルドレッドカット JAVA FILED-RED CUT(ファイルドカット)
・ファイルドカット仕様
JAVA REDシリーズは、先述のJAVAシリーズのファイルドカットバージョンです。
その箱の色から、通称赤箱、赤JAVAなどと呼ばれます。
バンドレンのジャズ用リードとしては初めてのファイルドカット仕様。
ファイルドカットよりもアンファイルドカットの方が深みがあってダークな音色に仕上がる傾向があるため、ジャズ向けのリードはV16や緑JAVAのようにアンファイルドカットが一般的。
緑JAVAのバージョン違いとして、そこをファイルドカットに仕上げています。
ファイルドカットでジャズを吹いてみたい方や、ポピュラー音楽用のリードをお探しの場合はこの赤JAVAも試してみると良いでしょう。
ZZ ズィーズィー
・アンファイルドカット仕様
ZZもまたVANDOREN謹製のジャズ向けサックス用リードです。
V16シリーズのの丸みのある先端部と厚みのある中心の背骨・JAVAシリーズの柔軟なパレットを掛け合わせた特色。
言うなればV16とJAVAのいいとこどりなリードですね。
当然、アンファイルドカットとなっております。
VANDOREN サックス用リード 特徴まとめ
なんだか種類多いし、ジャズ向け多いなぁ、という感じもしますが、それほどまでにサックスには多彩なサウンドが求められ、またジャズでの需要が高い裏返しともいえるでしょう。
最近の曲や吹奏楽用に編曲されたものでは使われますが、サックス自体が結構新しめの楽器でそもそもクラシック曲であまり使われていないから、というのも大きいんですけども。
とはいえ正直吹奏感やサウンドは奏者次第でそれぞれ感じ方が異なる部分が大きく、またリード自体がマウスピースとの相性によって音も吹奏感もかなり変わってしまいます。
色々試してみて、自身の楽器・欲しいサウンドにあったリードを見つけましょう。
なお、クラリネット用でも同様ですが、サックス用にもソプラニーノサックスからコントラバスサックス用まで幅広い音域のサックスそれぞれのためのバリエーションがあるため、購入の際は注意しましょう。
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