【YAMAHA クラリネット】SEシリーズ / CSシリーズの違い
YAMAHAのクラリネットは大きく分けてSEシリーズとCSシリーズの二つに分けることができます。
直接表記されていないYCL255、YCL450、YCL650も含めててすべてのYAMAHAクラリネットがSEシリーズかCSシリーズのどちらかに属しています。
今回はSEシリーズとCSシリーズとの具体的な仕様の違いとサウンドキャラクターの違いを解説します。
意外と知らないCSシリーズとSEシリーズの違い
- YAMAHAクラリネット SEシリーズとCSシリーズの一番の違いは吹奏感とサウント。
- SEシリーズは管体内部の内径が太く、SEシリーズは内径がスリムでストレートに伸びる構造。
- SEシリーズはマイルドでやさしいサウンドで、CSシリーズはシャープでクリアな引き締まったサウンド。
SEシリーズとCSシリーズの一番の違いはサウンド。
その秘密は内部構造にあります。外観はほぼ同じなので、見た目ではあまり区別はつきません。
SEとCSとでは管体内径に違いが
- SEシリーズはマウスピース側のバレルとベルも含め、管体内部の径が太い。
- CSシリーズは内径がスリムでストレートに伸びる。
SEシリーズのほうが管体内部の径が太いため、容積がCSシリーズよりも大きくなります。その点で吹奏感とサウンドに違いが出ています。
トーンホール(音孔)のにも違いが
SEシリーズとCSシリーズにはトーンホール(音孔)のサイズの違いもあります。
それぞれの内径にバランス合わせ、SEシリーズは大きくテーパーが広め、CSシリーズは小さく細目のタイトなトーンホールを持っています。
クラリネットの音はベルだけでなく、押さえているすぐ次のトーンホールからも音が出ています。その部分のサイズが違うので当然音色も影響を与えます。
トーンホールの大きいSEシリーズの方が開放的なサウンド、細めのCSシリーズはタイトなサウンドに仕上がります。
ただ、トーンホールのサイズは音を変えるためというよりも全体のバランスを取るために調整している意味合いが強いもの。管体内径の違いに比べ音に与える影響は小さいので、あまり深く気にしすぎずともいいでしょう。
サウンドキャラクターの違い
- SEシリーズの方が管体内部の容積が大きい分豊かで暖かみがあり、マイルドで優しいサウンド。
- CSシリーズの方は管体内部の容積が小さい分、クリアでシャープに引き締まったサウンド。
この違い、スネアドラムとかティンパニーなど打楽器に置き替えて考えればわかりやすいです。
ティンパニーは大きな分、豊かで暖かみのある響きを持ち、反対にスネアは小さい分よく引き締まったシャープなサウンドになります。
クラリネットでも同じで、管体内部の容積が大きい分SEは豊かなサウンド、CSの方が引き締まったサウンドになるのです。
SEの方が内部のテーパー(広がり)が大きく、CSはテーパーが小さくストレートな部分が長い点もこの特徴を更に強化しています。
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吹奏感にも違いが
ほか、SEシリーズに比べCSシリーズのほうがベルにつながるジョイント部分も細めでタイトに造られています。
そのためCSシリーズの方が若干抵抗感の強い吹奏感を持っています。
モデルラインナップ
冒頭でもお話しした通り、シリーズやモデル名ににSE、CSと明記のないYCL-255、YCL-450、YCL-650を含め全機種がどちらかに属しています。
以下SEシリーズ、CSシリーズそれぞれのラインナップです。
(2017年11月現在の現行品を記載しています)
SE
- Custom Artist Modelシリーズ
- YCL-SE ArtistModel、YCL-SE ArtistModelA
- Custom SEVmasterシリーズ
- YCL-SEVmaster、YCL-SEVmasterA
- Custom SE-Vシリーズ
- YCL-853IIV、YCL843IIV
- Custom SEシリーズ
- YCL-853II、YCL843II
- Professionalシリーズ
- YCL-650
CS
- Custom Ideal Gシリーズ
- YCL-Ideal G、YCL-Ideal GA)
- Custom CSVmasterシリーズ
- YCL-CSVmaster、YCL-CSVmasterA
- Custom CS-Vシリーズ
- YCL-852IIV、YCL-842IIV
- Custom CSシリーズ
- YCL-852II、YCL-842II
- Custom CXシリーズ
- YCL-851II
- Standardシリーズ
- YCL-450、YCL-255
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一部ジョイントリングを持つSEシリーズ
SEシリーズはSEVmasterなど一部上位モデルは管体ジョイント部分に金属製のジョイントリングを採用しています。
金属製のジョイントリングには管体同士の振動をより伝えやすく、鳴りが豊きになります。
反面、ジョイントリングがない機種は若干柔らかいサウンドになる傾向も。
ジョイントリングにはサウンド面の違いだけでなく、水分により木材の膨張によってジョイント部分がきつくなり、抜けなくなるといったトラブルが起こりにくいメリットもあります。
そうした構造上のメリットはありますが、サウンド面では完全に好み。実際、CSシリーズでは上位モデルを含め全ての機種でジョイントリングはあえてつけていません。
まとめ:YAMAHAクラリネット SEとCSの違い
- YAMAHAのクラリネットは全機種がSEシリーズとCSシリーズに分けられる。
- SEとCSとは管体内径の大きさなど構造の差により、サウンドと吹奏感に違いがある。
- SEは内径が太く、豊かで暖かみのあるマイルドなサウンド。
- CSは内径が細く、クリアでシャープな引き締まったサウンドで、やや強い抵抗感を持つ。
どちらかといえばSEシリーズはYAMAHAの中でもアンサンブルや伴奏向きのクラリネットで、CSシリーズはソロ、独奏向きのクラリネットといえるでしょう。
とはいえあくまでも向き不向きの話ですので、CSシリーズで伴奏を吹いてはいけないことあありませんし、SEシリーズでソロを吹くのがダメってことはありません。
どちらがいいかは完全に好み。楽器店で吹き比べるか好きなプレイヤーがどちらを使っているか調べるなどして決めると良いでしょう。
ディスカッション
コメント一覧
こんにちは
確認ですが、最初に示されている「CS/SE内径の違い」の図が全く逆になっていませんか???
説明文と合っていない気がします。
説明文が逆なのかどちらかだと思います。
>>Sakamoto様
コメント&ご指摘がりがとうございます。
画像のなかが逆になっていました。
お恥ずかしいはなしです。穴があったら入りたい。CSシリーズはトーンホールがちょっと狭いのでSEシリーズにしておきます。
どろん。
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