Gibsonギターの8桁シリアルナンバーの見方と製造年代 【1977年~2005年7月製造】
1977年から2005年の7月まで主流だった8桁シリアルナンバー
カスタムショップ製のギターやリイシューなど一部モデルを除き、1977年~2005年7月に作られたGibsonの楽器には8桁数字のシリアルナンバーが採用されています。
これはエレキギター・アコースティックギター・ベースに限らず共通。
この時期のギターは現在も中古でかなり出回っていますし、現行の9桁シリアルと見方が共通する部分も多く、一度見方を憶えてしまえば結構使う機会の多いシリアルナンバーです。
ぜひ憶えておきましょう。
そのほか、現行の9桁数字シリアルナンバーも含め、ギブソンのシリアルナンバーを全体的にまとめた記事もあります。下記リンクよりご覧ください。
Gibsonの8桁シリアルナンバーの見方と製造年・製造日・製造工場
1桁目と5桁目で製造年がわかる!
ギブソンの8桁のシリアルナンバー表記は以下のように読み取ることができます。
年日日日年番番番
まず1桁目と5桁目で製造年がわかります。
1桁目の『 年 』が西暦2の位の数字、5桁目の『 年 』が西暦1の位の数字です。
例えば 91008200 の場合は98年、つまり1998年製。
00924500であれば04年、つまり2004年製です。
2桁目~4桁目の数字でギターの誕生日を解読!
続いて2桁目から4桁目の日日日の数字でその年の何日目に製造したかを知ることができます。
91008200の場合、001が1日目の1月1日で、1998年の100日目に当たる4月10日に完成した個体ということになります。
8桁シリアルナンバーで製造工場・その日の製造順もわかる?
実は、ギブソンの8桁シリアルは最後の番番番の部分の数字で、その個体のその日の製造順とどこの工場で作られたかもわかるようになっています。
まず、1977年から1989年までは001から始まるナンバーと500から始まるナンバーが存在します。
・下3桁が001~499のシリアルナンバーの個体は、カラマズー工場製
・下3桁が500~999のシリアルナンバーの個体はナッシュビル工場製
それぞれの工場でその日シリアルナンバーの刻印順に数字がふられます。
ただし、1984年にカラマズー工場の廃止により、001~499のシリアルはしばらく使われていません。
その後1989年にモンタナ州ボーズマンにモンタナ工場でギブソンギターの製造がはじまり、8桁シリアルナンバーの下3桁製造番号のルールが若干変更されます。
・下3桁が001~299のシリアルナンバーの個体は、モンタナ工場製
・下3桁が300~999のシリアルナンバーの個体はナッシュビル工場製
91008200の例でいえば、1998年の100日目である4月10日にモンタナ工場で200本目に作られたギター。
もう一つの例であるシリアルナンバー 00924500のギターであれば2004年の4月1日にナッシュビル工場で1本目に製造された個体ということです。
(ベースの可能性もありますけど)
例外1:1994年製の8桁シリアルナンバー
1977年以前のシリアルナンバーのカオス加減からは想像できないほどうまく整頓されたギブソンの8桁シリアルナンバーですが、1994年だけは例外です。
94年製のギブソンのギターのシリアルナンバーは、94xxxxxxと94から始まるシリアルナンバーがとられています。
実は1994年はギブソンにとって記念すべき100周年にあたる年だったため、この年だけ特別なシリアルナンバーを付与しているのです。
法則的に言えば年年番番番番番番で、1994年製のみなので頭の2桁は当然94。
後の6桁の数字は単純に製造順にナンバーが振られている形です。
例・94003403 = 1994年に3403番目に製造された個体
1994年以外の通常の8桁シリアルナンバーとは異なり、製造日を知ることはできません。
(未確認情報ですが、工場は全てナッシュビル工場とのこと)
1975年~1977年のシリアルナンバー
例外2:1975年~1977年製の8桁シリアルナンバー
- 1975年製
- 99xxxxxx
- 1976年製
- 00xxxxxx
- 1977年製
- 06xxxxxx
上記で見方、解読方法を解説した8桁シリアルナンバーは1977年から採用されていますが、実は1975年からも数字8桁のシリアルナンバーが採用されています。
ただし、1975年から1977年までの3年間に関しては1977年以降の8桁シリアルナンバーとは見方が違います。
1975年から1977年の間の8桁のシリアルナンバーに関しては上記の表の通り、最初の2桁の数字で製造年代を知ることができます。
99000687であれば1975年製ですし、00001484であれば1976年製ということになります。
8桁シリアルナンバーとなるとつい1桁目と5桁目ばかりに目がいきがちですが、先頭の数字が 99、00、06の場合は注意が必要です。
Gibsonの8桁シリアルナンバー見方・解読方法 まとめ
・1977年以降、Gibsonのギター・ベースは8桁のシリアルナンバーをヘッド裏に記している
・シリアルナンバーの1桁目と5桁目の数字で製造年代がわかる
・2桁~4桁の数字は製造日を表し、その年の何日目の製造かを指す
・6桁~8桁の数字は製造工場とその日の製造順を表す
(工場はナッシュビル工場、モンタナボーズマン工場、カラマズー工場の3か所で、見分け方は年代によって異なる)
・8桁数字のシリアルナンバーでも1975年~1977年製、1994年製など一部見方が違うものがあるので注意が必要
他のメーカーでは製造が何年代のものかまでしかわかりませんが、Gibsonの8桁シリアルナンバーは愛機の誕生日や工場、その日の製造順もわかるようになっています。
なかなか面白いですね。
英語のサイトですが、こちらのサイトで8桁シリアルナンバーを打ち込むだけでGibsonギターの製造年などが解析できます。
現在、一部を除いてGibsonのギター・ベースのほとんどはこの8桁のシリアルナンバーが採用されています。
Gibsonの中古のギターを見る時など、製造年だけでもパッとわかると何かと便利だったりするので、そこだけでも頭に入れておくとよいでしょう。
西暦の下2桁しか表示できないので、重複を避けるためには2076年までにこの方式も変えないといけなくなりますけど……
なお、1977年以前のギターやカスタムショップ製などのシリアルナンバーは8桁シリアルとは全く別の法則に基づいてつけられています。
中には8桁のシリアルナンバーのものもありますが、全く別の法則によってつけられているので、明らかに1977年より前の個体はこのシリアルナンバーの法則では製造年などを知ることはできません。
また2005年7月以降には8桁シリアルナンバーの改良型の9桁シリアルナンバーが採用されています。
下記関連記事に随時追加していきますので、併せてお読みください。
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