【管楽器の仕上げの種類と特徴・違い】 ラッカーとアンラッカー、メッキ
管楽器の代表的な仕上げの種類とその特徴・違い
管楽器の内、トランペットなどの金管楽器やサックスなど、金属でできている楽器には管体にはさまざまな仕上げがなされています。
この仕上げには大きく3種類、ラッカー仕上げとメッキ仕上げ、ノーラッカー仕上げ(アンラッカー仕上げ)に分けられます。
仕上げ方法も管体の素材同様、その種類によって音色や吹奏感に影響を与える重要な要因です。
また、それぞれ音色や吹奏感、外観に特徴や違いがあるばかりではなく、楽器に触る際に注意が必要な場合もあります。
今回はそれぞれの特徴について、おおまかに触れていきます。
ラッカー仕上げ
ラッカー仕上げとはそのままで、管体の上からラッカーを塗った仕上げの方法です。
ラッカー仕上げといえば高級ギター・ベースに使われる仕上げですが、管楽器の場合は割と安価にもできる仕上げ方法でもあり、入門機でもラッカー仕上げの物が数多く存在します。
(実は塗料自体の価格はポリウレタン>ラッカー)
ただ安価なばかりではなく、管体をラッカーですべて覆うのでサビや腐食に強く扱いが簡単なため、管楽器初心者から上級者まで人気の高い仕上げ方法の一つです。
ラッカーに色を混ぜるなどにより色をつけるのも容易で、ゴールドラッカーやピンクゴールドラッカー仕上げなど、様々なバリエーションが存在します。
基本的にお手入れ方法自体は変わりませんが、ラッカーの種類(色)によりサウンドの特徴に違いが出ます。
各ラッカーバリエーションの特徴などについて詳しくは下記リンク記事も併せてどうぞ。
メッキ仕上げ
メッキ仕上げは、管体の表面に薄い金属のメッキをかける仕上げ方法です。
代表例としては銀メッキ、金メッキなどが挙げられます。
メッキ自体も金属のため適切に扱わないとメッキの変色しや酸化が進行しサビや腐食が起こります。
そのため多少なりとも扱いには注意が必要です。
メッキの素材によってもその音色の特徴やお手入れ・メンテナンス方法に違いがありますので、下記リンクより詳しくご確認ください。
ノーラッカー(アンラッカー仕上げ)
アンラッカー仕上げは、管体そのものの素材にラッカーやメッキなど保護のための仕上げを行わない、仕上げ方法です。
何も仕上げてないのに仕上げと呼んでいいのかどうかは置いておいて、なんとも男らしい……(?)
上の写真も実際アンラッカー仕上げの管楽器。
実はこれ、中古ではなく楽器フェアで数日展示されていただけの新品です。
試奏が多すぎて手入れをする暇もなかったのでしょう、たった数日程度でもここまでになります。
余計なものがない分、鳴りが阻害されず管体そのものの音・鳴りを素直に引き出せ、音色としてはラッカー仕上げのものと比べ若干ダークで柔らかく深い響きを持っています。
しかし、楽器を構成する地金の金属そのものがむき出しのため、管体がちょっとしたことでキズがついたり、酸化しやすく経年変化が起こりやすい非常にデリケートな状態。
なので、キレイなままの状態を保つには扱いが難しいという特徴もあります。
逆に言えばすぐに見た目がビンテージ風味になっていきますし、自身の手入れ方法によって状態がどんどん変わっていき、自分の手の形なんかも残ったり。
そうして外観がどんどん自分だけのものになるので、楽器そのものに愛着が湧きやすい仕上げ方法ともいえるでしょう。
別途アンラッカー仕上げについて詳しく解説している記事がありますので、下記関連記事よりどうぞ。
管楽器の仕上げの種類と特徴・違い まとめ
以上、今回は管楽器の仕上げについて大まかに解説しました。
冒頭でも述べた通り、仕上げ方法は管楽器のサウンドを左右する重要な仕様の一つです。
そればかりではなく、きちんと扱わないと管体に致命的なダメージを与えてしまう場合もあります。
楽器屋の店員としての視点で見ると、扱い方についてきちんと案内をしておかないとクレームに繋がってしまうことも。
そのためにも各仕上げ方法の特徴やメンテナンス方法などもきちんと憶えておく必要があります。
特にメッキ仕上げはそのメッキの種類によって特性や扱い方、メンテナンス方法が変わっていきます。
メッキ仕上げやラッカー仕上げ、アンラッカー全ての仕上げについての詳しい解説につきましては、下記関連記事リンクよりご覧ください。
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