ラッカー仕上げ管楽器の特徴と音色、お手入れ方法を徹底解説!
金管楽器やサックスでも最もメジャーなラッカー仕上げ
ギター・ベースなどLM楽器ををやっている方にもお馴染み、ラッカー塗装。
ギターではFenderUSAやGIBSONなど高級な楽器にのみ施されるラッカー仕上げですが、管楽器界ではむしろラッカー仕上げが一番よく使われています。
トランペットやホルン、チューバといった金管楽器はもちろん、サックスなんかでもよく使われる仕上げ方法です。
その役割は主に管体地金の保護。
よく磨いた真鍮地金の上にラッカーをかけているので、外観的には金色に見えます。
ラッカー仕上げのメリット
ラッカー仕上げは真鍮の地金がラッカーによってコーティングされています。
そのためメッキ仕上げやアンラッカー仕上げなどに比べ変色や緑青、サビなどの変化が起きにくいので、耐久性が高く手入れがしやすい点がラッカー仕上げの最大のメリットでしょう。
また、銀メッキなど他の仕上げ方法に比べコストが安く、安価なモデルからある程度高級な機種まで広く使用されています。
このため、特にサックスなどでは初心者の方は最初はラッカー仕上げ選ぶことが多いです。
『 塗装でコーティングをすると鳴りが阻害されてしまうのでは 』とも思われがち。
しかし地金の真鍮よりもラッカー塗膜の方が柔らかく振動自体への影響は小さいと言われています。
サウンドの特徴としてはメッキ仕上げやアンラッカー仕上げに比べ艶やかなサウンドに仕上がる傾向にあります。
ラッカー仕上げの主な種類
ラッカー仕上げには主に三つの種類があります。
基本的にはカラーバリエーションのようなもので仕上げの特性はそれ程異なりませんが、含んだ塗料の違いのためか若干音色が違う傾向にあります。
(仕上げに合わせてそうなるよう調整している?)
ここでは仕上げことの特徴について解説しますが、音色についてはあくまで傾向でメーカーやモデルごとによって異なる場合もあるため、参考程度にとどめておいてください。
ゴールドラッカー仕上げ
ラッカーに金系や赤系、黄色系の塗料を若干混ぜてかけることにより、全体的に金色に近い色に仕上げたものです。
ほぼ金色のため外観に高級感があり、今日では最もメジャーな仕上げといえるでしょう。
音色としてはクリアラッカーに比べ音の立ち上がりがよく、シャープな傾向にあります。
型番やモデル名にGLと付くことが多いです。
クリアラッカー仕上げ
クリアラッカー仕上げは磨いた真鍮の上に透明なままのラッカーをそのままかける仕上げ方法です。
そのため、管体はゴールドラッカーに比べ若干明るい金色の外観が特徴的です。
(違いがわかりやすいよう、写真にはもともと下地の金属が黄色がかっているイエローブラス仕様のトランペットを使いました)
素直でバランスの取れた、扱いやすいサウンドである傾向にあります。
型番やモデル名にCLなどと付くことが多いです。
ピンクゴールドラッカー
ラッカーに少し赤みがかった塗料を混ぜ、ピンクっぽく仕上げたラッカー仕上げです。
あまり一般的な仕上げ方法ではありませんが、その可愛らしい外観から特に女性に人気があります。
全体的に華やかなサウンドになる傾向があります。
外観の似たピンクゴールドメッキに比べ価格も手頃なのが特徴です。
ブラックラッカー
ブラックラッカーは黒い着色を施したラッカーを管体に吹き付けた仕上げ方法です。
実際にブラックラッカーで仕上げる場合はただ全体を真っ黒にはせず、ブラックラッカーで黒くする部分とゴールドラッカーかクリアラッカーで金色にする部分とで塗り分けられることが一分的で、見た目がかなり独特です。
(ブラックラッカーと銀メッキの組み合わせもよく見かけます)
華やかなサウンドになる傾向があり、外観的にはブラックニッケルメッキ仕上げと似ています。
型番やモデル名にBLと付くことが多いです。
ラッカー仕上げの手入れと注意点
ラッカー仕上げは耐久性に優れているとはいえ、ラッカー塗装も塗膜の状態が劣化すると場合によっては剥がれてしまったり、地金や塗膜の変色などが起こることがあります。
銀メッキ仕上げなど金属メッキに比べ耐久性が高いとはいえ、ラッカーは汗や水分と反応し上記剥がれや変色などの原因になります。
塗膜を良い状態に保つためにも汗など水分をこまめに拭き取り、キレイな状態を保つよう日頃の手入れが大事です。
汚れがこびりついてしまい空拭きではとれない場合は、ラッカー用のポリッシュを使うとよいでしょう。
ラッカー仕上げ 管楽器の特徴と音色まとめ
ラッカー仕上げの管楽器は取扱いの簡単さと外観上の高級感、お手頃な価格からゴールドラッカーは特に人気を集めています。
(特にサックスで人気)
今回取り上げた以外にもビンテージラッカーなど様々なバリエーションがあります。
ですが、やはり基本的には見た目の違い。
多少の音色の違いは認められますが、銀メッキなど他の仕上げ方法に変えたときほどの違いは出ませんので、ある程度見た目で選んでよいでしょう。
その他、各種メッキやそもそもメッキもラッカーもかけず地金そのものをそのまま出しっぱなしにしているアンラッカー仕上げ(別名ノーラッカー仕上げ)についても詳しく解説しています。
それぞれ、下記関連記事リンクよりあわせてご覧ください。
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