【木製リコーダー】木材の種類によるサウンドの特徴、音の違い
木製リコーダーは木材の違いで音、吹奏感が全然変わります!
義務教育の小学校、中学校の音楽の授業でやるので日本人には非常に馴染み深いリコーダー。
当時はテストだの練習だのいやいややっていましたけど、リコーダーって吹奏楽器の基本になる楽器にしてはかなりお手軽だし、実は優秀な楽器なんです。
今回は本格的な木製リコーダーの木材の種類によるサウンドや吹奏感の違いや特徴を解説します。
メイプル Maple
メイプル=あの紅葉時期に真っ赤に染まるあの楓の木です。メイプルシロップの木としてもなじみ深いですね。
実際メイプルと表記されず楓、カエデなどと表記するメーカーも多くありますが、基本的には同じです。
息に対する反応がよく、とても軽やかで伸び伸びと吹きやすい吹奏感で初心者にもオススメ。
音色にもクセがないため他のリコーダー、楽器の音になじみやすくアンサンブル向きなサウンドです。
ペアーウッド
ペアーウッドは果物の梨の木を使った白い木材です。ペアウッドとも表記されます。
カタカナの関係でよく誤って読み書きされますが、ベアーウッド(BearWood)ではなくペア―ウッド(PearWood)です。
暖かみのあるサウンドで粒や音のバランスがよく、これまた初心者にオススメ。
&クセも少なくアンサンブル向きです。
ボックスウッド
柘植(ツゲ)の仲間で、西洋ツゲとも言われる木材です。
輪郭のハッキリした艶やかでクリアなサウンド。
それでいてマイルドな丸みもあり、キンキンした感じにはなりません。
吹奏感は可もなく不可もなくバランスの良い重さです。
オリーブ Olive
オリーブオイルやオリーブの実でなじみ深いオリーブは、リコーダー用の木材としても非常に優秀。
明るめでハッキリとした明瞭なサウンドが魅力です。
音量を得やすい点も特徴。どちらかといえばソロ向きといえるでしょう。
キングウッド
木目がよく詰まった硬い木材。比重は乾燥後で1.2とかなり重い木材です。
ローズウッドのような赤みの強い黒茶っぽい外観。
その分パワフルなサウンドながら、中に若干のマイルドさと透明感のあるサウンドが魅力です。
ソロ向きのリコーダーに仕上がります。
YAMAHAの木製リコーダーでよく見かける印象。
ホワイトシカモア
楓科の木材で、メイプルの仲間。全体的に白っぽい見た目の木です。
どちらかといえばリコーダーよりもハーモニカなどで有名なSUZUKIさんが使用。
非常に軽い木材で、リコーダー本体が大型であるテナーリコーダーに軽量化目的で使用しています。
軽い分、長時間の演奏でも疲れにくい点が特徴です。
ローズウッド Rosewood
ローズウッドは赤みの強いこげ茶色の木材で、リコーダー以外にも多くの楽器に使用されている高級木材。
音量が豊かで音の輪郭もハッキリした硬いサウンドとエッジの取れたマイルドな柔らかさのある音響特性があります。
全体的に重厚感のあるサウンドが魅力。どちらかといえばアンサンブルよりもソロ向きです。
色々な楽器に使われており楽器業界には欠かせない木材ながら、2017年1月に種の保護のためローズウッド全種類がワシントン条約2種に入ってしまいました。
完全に輸出入が禁止されているわけではありませんが申請などにかなり手間がかかるため、見る機会がどんどん減っていくかと思われます。
買うなら早めがいいかも?
グラナディラ
オーボエやクラリネットでもよく使われる木材なので、管楽器経験者の方には馴染み深い木ではないでしょうか。
非常にパワフルなサウンドで遠達性もあり、ソロ向きなサウンド。
吹奏感も抵抗感もあるので、リコーダーに慣れている方ならメリハリの効いた豊かな演奏がしやすいでしょう。
一方、その分吹きこなすのが難しく、あまり初心者向きではない点はデメリット。
後述するエボニーと同じ木材として扱われることも多い木材です。
エボニー
エボニーは非常に硬く黒いトーンウッドです。
バイオリンやコントラバスなど弦楽器の指板材としてよく使われる非常に高級な木材です。
全体的にはグラナディラに似た音響特性を持っており、力強い息が必要な吹奏感、抵抗感を持っています。
グラナディラと同じ木材として扱われることも多い木材。
その分サウンドとしてはパワフルで豪快。ソロ向きなリコーダーに仕上がります。
木製のリコーダーは扱いが難しい……けど、水抜き不要
余談ですが、木製のリコーダーは水抜きが必要ありません。
小中学校でやってるのでみなさんご存じの通り、プラスティックのリコーダーって水が詰まるのである程度吹いたら水抜きをしないといけません。
が、木製のリコーダーは木が水分を吸ってくれるのでその必要がないのです。
ただ、木製リコーダーは湿度管理が甘いと割れてしまう可能性もあるので、水抜きの点以外ではメンテナンスなど基本的に扱いが難しいです。
可能なら毎回吹く度が理想ですが、せめて週に一回はスワブを通したいところ。
また、極端に乾燥する場所や湿度の高い場所や直射日光が当たる場所に置かないのが基本です。
最低でもこれらは守らないと、せっかくの楽器を壊してしまいますのでご注意。
木製リコーダーの木材ごとの特徴と音の違い まとめ
リコーダーは管楽器の中でも究極といえるほどシンプルな構造をしており、素材である木材の特徴がダイレクトにサウンドや吹奏感の特徴につながります。
その分木材の種類・違いはリコーダーにとってかなり重要な要素。
しかしどうしても好みの主観が入る部分のためあえてあまりに具体的すぎない程度えぼかした書き方をさせていただきました。
楽器本体に直接口をつけるリコーダーの特性上試し吹きさせてくれない楽器店も多く、また種類をたくさん置いてあるお店も少ないため試奏自体が多少ハードルの高いところではあるかと思います。
しかし、構造がシンプルな分同じ種類の木材でも個体差によって結構音色や吹奏感に差がでますし、苦労がある分自分にピッタリの一本が見つかった時の喜びはひとしお。
ぜひ木材に限らずメーカーやモデルなどいろいろ試してみていただいて、ご自身にピッタリの一本をみつけてください。
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