K.Yairi / S.Yairi / A.Yairiの違いと特徴【日本が誇るアコギメーカー】
K.YairiとS.YairiとA.Yairiって何が違うの?
アコギ界ではよく知られているヤイリギターですが、その中でもK.Yairi、S.Yairi、A.Yairiとあってその違いがわからない方も多いかと思います。
今回は、そんな「 Yairiギター 」それぞれの特徴と違いについて解説します。
K.YairiとS.Yairiは全然別物!
まずK.YairiとS.Yairiの両者、同じヤイリを名乗っていても全く別物です。
FenderとSquier、GibsonとEpiphoneといったセカンドブランド的な位置づけですらありません。
K.Yairiは1935年(昭和10年)に矢入儀一氏が設立した矢入楽器製作所の流れを汲むブランドで、現在は株式会社ヤイリギターによって製造されています。
S.Yairiは矢入儀一氏の弟である矢入貞夫氏が1938年(昭和13年)に設立した矢入楽器製造の流れを組むブランドです。
じゃあ本家のヤイリギターはどっち?
K.YairiとS.Yairiが別物とわかると、今度は『 どっちが本家のヤイリギター?どっちがいいの? 』なんてことが気になるかと思います。
結論から言えば、現在一般的にヤイリギターと呼ばれるのはK.Yairiの方です。
実のところK.Yairiは矢入儀一氏の後継者で子息である矢入一男氏が立ち上げたブランドで、K.YairiのKは一男 / かずおのKからとったもの。
一男氏も2014年に他界していますが、現状でもK.Yairiはその後継者たる職人さんたちにより、変わらずそのまま製造が続いています。
S.Yairiは一度倒産
先述の通り、S.Yairiは儀一氏の弟っである貞夫氏が立ち上げたブランド。
当初S.YairiのギターはK.Yairi同様その完成度の高さから井上陽水氏やアリスのリーダー谷村新司氏など著名アーティストも愛用していました。
しかし残念ながら、1982年に倒産してしまいました。その後2000年に貞夫氏のご子息である矢入寛氏の監修により復刻。
ある程度高い価格帯のクラスのギターは寺田楽器に委託し、初心者でも入手しやすいエントリークラスは中国で製造されています。
実際の企画・販売などS.Yairiブランドの運営は大手楽器卸問屋キョーリツコーポレーションが行っています。
キョーリツコーポレーションはPhotogenicなど独自の入門用エレキギターのブランドも運営しており、この辺りのことはお手の物なのでしょう。
S.Yairiに安いクラスの中国製の楽器があるがために、S.YairiがK.Yairiの偽物みたいな誤解を受けることはあります。
しかしこのように実際には少し事情が異なります。
復刻後のS.Yairiも技術力には定評のある寺打楽器製なので決して悪いものではありません。
しかし、矢入貞夫氏のご子息の監修が入っているとはいえ当初の矢入楽器製造とは直接は無関係のため、倒産以前に作られたS.Yairiとは同等には見られていません。
こういった事情でどちらが本物とか偽物とかってわけではありませんが、現在では「 ヤイリギター 」といえばK.Yairiを指すのが実情です。
ちなみに、K.Yairiのアコギは現在に至るまでかなり多くの著名アーティストに愛用。
有名どころでサザンオールスターズ 桑田佳祐氏、ミスチル 桜井和寿氏、福山雅治氏、BEGIN 比嘉栄昇氏、チャットモンチー 橋本絵莉子氏が挙げられます。
A.YairiはK.Yairiの輸出用ブランド!
K.YairiとS.YairiのほかにもうひとつよくみかけるのがA.Yairi。
A.Yairiは、K.Yairiの海外輸出用として規格されたブランドです。Alvarez Yairi(アルバレズヤイリ)の略。
A.Yairiは本家K.Yairiとモデルのラインナップに違いはあるものの、製造自体は同じく岐阜県の工房で全く同じように行われています。
海外輸出用と言いつつ日本でも販売されたりするため若干混乱しがちですが、特に大きな違いはないと考えて大丈夫です。
輸出ブランドなだけあって使用アーティストには海外のギタリストが多く、ポール・マッカートニー氏やエリック・クラプトン氏、リッチー・ブラックモア氏、レディオヘッドのトム・ヨーク氏など、レジェンド級の豪勢な面々に愛用されています。
K.Yairiのギターが岐阜県のふるさと納税に!
つい最近気づいたのですが、K.Yairiのギターがふるさと納税でゲットできるではありませんか!
モデルはYW-1000HQ。K.YairiでYW-1000をチョイスとはさすがわかってらっしゃる。もちろんふるさと納税先はヤイリさんの本拠地である岐阜県可児市となりますが、可児市と縁もゆかりもない方でもOK。
ただ、価格が。
といってもふるさと納税をフル活用できれば翌年の税金が998,000円減って実質2,000円で手に入れることも可能ではありますが……
ひゃくまんいぇんのふるさと納税を実質2,000円で手に入れるのにいくらの年収必要なんじゃろ。サイト上に書いてはあるけどちょっと理解不能。
でも、実質2,000円は無理にしたってかなり抑えた金額で手に入れることはできるかも?
ちなみに同じくK.Yairi K13モデルなら半分の500,000円。こちらなら年収ハードルがぐっとハードルが下がる……?
K13モデルはYWだけでなく、LOかRFからも好きなシェイプを選ぶことができます。私個人的にはヤイリさんのシェイプではLOが大好き。ドレッドノートっぽいけど一回り小さくて、まさに日本人サイズ。
K.YairiとS.Yairi、A.Yairiの違い・特徴 まとめ
- K.YairiとS.Yairiは全然別物で、A.YairiはK.Yairi内の海外輸出用ブランド。
- K.Yairiは法人の創業者である矢入儀一氏、ブランドの立ち上げを行った矢入一男さんが他界するも、メーカーとしてブランドを維持。
- S.Yairiは一度倒産し、現在S.Yairiブランドはキョーリツコーポレーションが運営。復刻とはいえ倒産前のS.Yairiとは別物とされている。
- 現在ヤイリのギターといえばK.YairiとA.Yairiのギターを指すのが一般的。
このように書くとS.YairiがK.Yairiよりも劣っているかのようですが、必ずしもそうとも言えません。
特に倒産前のS.Yairiのギターはその品質の高さで名機と呼ばれ、希少価値も手伝って現在それなりに高価で取引されます。
現行のS.Yairiも国産のハイエンドクラスを手掛ける寺打楽器はモーリス、グレッチ、日本製エピフォン、FenderJAPANなど有名ブランドのギターをOEM製造してきた実績を持つ工房。
決して品質が悪い、なんてことはありません。現行品ではS.YairiよりもK.Yairiの方が圧倒的に人気があるのが現実ではありますが。
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