【ネジ穴をバカにしない締め方・緩め方!】 ギター・ベースのネジ締めの基本
ギター・ベースのネジ穴がバカになってガバガバ?
ギターやベースなどには使われるネジは、主に木ネジと呼ばれる種類のもの。
ペグやネットの取り付けなど楽器としての性能に直結する部分から、ピックガードなど演奏性にはあまり影響のない部分まで幅広く使われています。
これらの木ネジをネジ締めの基本を知らずにつけはずしをしていると、ネジ穴が広がってネジが留まらなくなってしまいます。
いわゆるネジ穴がバカになっている状態。
今回は木ネジによってネジ穴がバカにしないネジ締め方法の基本を解説します。
ネジを締める時に注意が必要!
イメージ図のように、ネジ穴にはドリル上の木ネジと同じ形の溝の形になっています。
金属である木ネジに対し受け側はアンカーなどではなくボディーなどの木材そのままですから、木ネジを締めていくとドリルの山の形と同じ溝を掘りながらねじ込まれていきます。
(もともと木ネジの穴は、ドリルで下穴をあけたところに木ネジをはじめてねじ込む時にネジ山のドリルによってピッタリの溝を掘っています)
そのため、外したネジを再度締める時に気をつけないとすでに溝が掘られている上に再度溝が掘られ、穴がどんどん広がってネジが止まらなくなり役に立たない状態に。
これが俗にいうネジ穴がバカになった状態です。
こうしてネジがバカになるのを防ぐために、一度はずしたネジを再度締める時に注意が必要なわけです。
木ネジでネジ穴がバカにならないように締めるためには……
ネジ穴をバカにせずに理想的な状態に締め直すためには、もともとある溝にピッタリと戻す必要があります。
ネジを再度締める時にただ締める方向にネジを回したのでは、よほどの偶然ででもない限りピッタリと元の溝に入ることはありません。
ここからは手さきの感覚的な話になりますが、そう難しいものではないのでぜひ一度に試してみてください。
(はじめてやる方で自信がない場合は、ピックガードなどギター・ベースの機能に直接関係のない部分で試しましょう)
木ネジのドリルの山を再度元の溝にはめるためには、最初にネジを締め始める時にネジを穴にあてたあと、ドライバーでネジを緩める方向である逆時回りにまわします。
当然ネジは締まらず反対に最大ネジ山一周分外側に向かって押し出されますが、この一周が終わった瞬間、ゴトンと溝にネジが落ちる手ごたえがあります。
この " 落ちてはまった手ごたえ " が木ネジの山が元あった溝にはまった合図。
あとは通常通りネジを時計回りにまわして締めていけばオッケーです。
これでネジ穴にねじ込んで新しい溝を作らず、元ある溝にそのままネジをはめ込むことができるのです。
ネジ穴がバカになってしまった場合の対処方法
ネジ穴がバカになってしまった場合、基本的にはネジ穴そのものを作り直す修理を行う必要があります。
具体的にはネジ穴をより大きい径のドリルで広げてただの穴にし、ダボ(棒状の木材)で接着しつつ一度埋めてしまいます。
そして、その場に新しいネジ穴用の下穴を新たに掘り直し、再度ネジをねじ込んでネジ穴を作ります。
このようにネジ穴がバカになると割と手間のかかる修理内容となるため、ネジがバカにならないよう注意したいところです。
応急処置として、粘度が高めの瞬間接着材を少量流し込み、バカになった穴を狭く補修してネジがズボっと外れないようにする手もあります。
(穴そのものを接着剤で埋めたり直接接着するのではなく、あくまでも掘りすぎた溝を少し埋めて補修する程度)
ただし、あくまでも応急処置であり根本的な解決にはならないためあまりオススメしません。
ストラトキャスターやテレキャスター、ジャズベースなどのピックガードやレスポールのバックパネルのように負荷がかからず、機能上問題のない場所であればまだいいでしょう。
しかし、特にペグやボルトオンタイプのネックを留めるネジには非常に負荷がかかり、なにかあると楽器本体の機能的にクリティカルな問題が出る場所。
もしこういった場所のネジ穴がバカになってしまった場合はきちんと修理することをオススメします。
【ネジ穴をバカにしない締め方、緩め方!】 ギター・ベースのネジ締めの基本 まとめ
・ギター、ベースの木部に使われる木ネジをはずした後、再度締め直す場合、注意しないとネジ穴に新しい溝が掘られてしまい、強度不足でネジがとまらなくなってしまう
・穴をバカにしないためには、元あったネジ穴の溝にネジ山がピッタリ入るようにネジを締める
・ネジ穴にネジを当てた状態でネジを緩める逆時計回り方向にネジを回すとゴトっとネジが溝にはまる手ごたえがあるので、その手ごたえを確認してから締めれば、元あるネジ溝にネジをはめることができる
ネジ穴がバカになってしまうと困ることは事実ですが、きちんとした締め方を憶えておけばそこまで怖いものではありません。
何より、ギター・ベースのメンテナンスや修理においてはネジ留めされたパネルやらピックガードやら、あちこちのネジをはずす機会がかなり出てきます。
きちんともともとの溝にはまるようにネジを入れることさえできていればネジ穴がバカになるようなこともありませんので、恐れずにチャレンジしてみましょう。
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