エレキギター・ベースのツマミがグルグルと回り続けるときの対処・修理方法

2017年1月23日

エレキギター・ベースのツマミが回り続けるかと直し方

エレキギターやベースのボリューム、トーンツマミは基本的に300°ほどの回転角を持ち、0から10で回転が止まるようになっています。

しかし使っているうちにツマミが止まらずにグルグル回るようになることがあります。

ひどくなるとグルグルどころかツマミがズボズボと奥に引っ込んだりするように。

初心者の方だと何がなんだかわからずにグルグル回しながら使ってしまいがちですが、最悪内部の断線もありえます。

もしツマミが延々と回り始めたら回さないようにすることをオススメします。

修理方法なんてほどのものでもありませんが、ツマミがグルグルと回り始めたときの対処方法を解説します。

なぜツマミが回り続ける?

ツマミが回り続ける理由は、ツマミを構成するパーツであるポットのナットが緩んでしまい固定がはずれているためです。

エレキギター・ベースに使われるポット

ギター・ベースに使われるポット

サイズやタイプはさまざまありますが、ポット大抵画像のような形をしています。

われわれがよく目にするノブはポットの細くつき出ているシャフトにつけているわけです。

そしてノブの下にはポット本体と上下で挟む形で固定するためのナットがついています。

ナット、丸ワッシャーとポット

ポットとナット、丸ワッシャー

左下の六角形がナット、右下の丸い輪っかが丸ワッシャーです。

取り付け部位の厚みやポットのシャフトの長さによっては高さ調整のためにナットが複数取り付けられていたり、ワッシャーが挟まっていることもあります。

ワッシャーにはナットの回転傷や食い込みから保護するための丸ワッシャーの他に食い込んで緩みづらくし、通電をよくする菊ワッシャーもあります。

エレキギター・ベースコントロールツマミ・ポット周り断面図

ツマミはポット本体とナットで挟む形でギター・ベースにとりつけられている

(画像では配線材は省いています)

ボリュームツマミやトーンツマミが0や10の位置で止まらないのは、ポットのナットが緩んでしまいポットがきちんと固定されていない状況なのです。

実はこの症状自体はそこまで珍しいことではなく、なったからといって特に不良品ってほどのことでもありません。

ツマミはひんぱんにグルグル回す部分なのでナット負荷がかかり、緩みやすいのである程度は仕方のないことなのです。

(実はペグも回す時に負荷がかかって固定するネジが緩みゆすい)

ギター・ベースを弾いているときの振動が楽器に伝わって、徐々に徐々に緩んだりもします。

直さないでぐるぐる回し続けていると……

ポットがきちんと固定されすせグルグル回る状態でも、うまいことツマミだけを回せればボリュームやトーンが変えられ、使えないこともなくはありません。

しかしそのまま使っているとポットについた配線が引っ張られ、負荷がかかって接触が悪くなります。

配線の接触不良が起こっても一時的に音が出ることもありますが、最終的には断線してしまう可能性が高いです。

断線や接触不良が起こるとその部分を再度はんだを使って配線しなおす必要があります。

ツマミがグルグル回るだけなら大して手間もなく直せるので、たとえ使えたとしてもそのままにはせずきちんと対処しておきましょう。

ツマミがグルグル回る時の直し方

手順1 ノブをはずす

原因がわかれば簡単なこと、ノブをはずしてナットを締めてやればオッケー。

まずはナットを回すためにノブのはずします。

ストラトキャスターなどFENDER系のギター・ベースやレスポールなどGIBSON系のエレキギターのノブは基本的にはひっぱるだけではずせます。

ただ、ノブの横にネジがついているノブ場合はネジで固定しているので、一度緩めないと外すことができません。

イモネジがついたノブはネジをはずしてからでないとはずせない

イモネジがついたノブはネジをはずしてからでないとはずせない

六角レンチやマイナスドライバーが必要になるので、用意しておきましょう。

(ある程度緩めればノブははずれます。イモネジを緩めすぎてはずしてしまうと、落として失くしたりするので注意)

手順2 パネルなどをはずしポットが見える状態にする

反対側からポットを押さえながらでないとナットをしっかり止められないため、配線側のポット本体が見える状態にする必要があります。

GIBSONのレスポールやSGなどポットがボディー直付けのエレキギターの場合は裏パネルをあければポットや配線が見れるので簡単。

FENDERの中でもテレキャスター、ジャガー、ジャズベースなんかはコントロールパネルをはずせばいいのでまだ簡単。

しかし、ストラトキャスター、ジャズマスター、プレシジョンベースはツマミがピックガード上にあります。

そのためポットを押さえるにはピックガードをはずす必要があります。

これらのエレキギターやベースは上に弦が通っているため普通に弦が張ってある状態ではピックガードをはすずことができません。

弦を切るか、思いっきり緩めないとはずせないのでちょっと面倒。

ストラトキャスターなどで弦を張ったままピックガードをはすずときはカポを用意しておくとよいでしょう。

なお、弦を緩める場合ペグから弦がはずれてしまうこともあります。

これを防ぐため、弦を思いっきり緩めるときは3フレットあたりにカポをつける裏技があります。

なお、はずすのがパネルにせよピックガードにせよ、再度取り付ける際にネジを適当に締めていくとネジ穴がバカになってしまいます。

ネジ穴がバカにならない方法も別途解説していますので気をつけましょう。

 

手順3 ポットを裏側から押さえながらナットを締める

ここまで来たらあとは簡単、裏側からポットを押さえながらポットのナットを締めます。

もし配線が絡まっていたりポットに巻きついていた場合は少しほぐしてから締めてやるといいでしょう。

グルグル回らないにしても緩んでいる場合があるので、ついでに他のポットも一通り全て緩めておきましょう。

エレキギター・ベースのツマミがグルグルと回り続けるときの対処方・まとめ

・ツマミが上下にガタついたりいつまでもグルグル回る時は、ポットがはずれている

・そのまま使うとポットが延々と回って配線に負荷をかけてしまい、接触不良や断線につながる

・ツマミをはずして裏側からポットをおさえながらポットのナットを締めてあげればオッケー

ソリッドボディーのエレキギターやベースであれば直すの自体はそう難しいことではありません。

しかしあまり自信がない場合やギターがES-335など箱物の場合、ポットを押さえるのが結構困難です。

自分の手に負えないと判断したら素直に楽器店や修理工房へ持ち込みましょう。

特に断線がなければすぐに直してもらえるかと思います。

メーカー保証や購入店の品質保証があれば無料になる程度で、もし有償修理でもパネルやピックガードを開けてナットを締めるだけなので修理代もそう高くはならません。

ある程度エレキギターやベースの構造に精通したスタッフがいなかったり混雑している場合は、預かり修理となり時間がかかる可能性もあります。急ぎ使うことがある時は事前に問い合わせておきましょう。