【エレキギター】初心者でも出来る優しい弦交換

2015年3月2日

エレキギターの弦交換

エレキギター弦の交換

初心者ギタリスト最大の難関はFよりも弦交換?

ギタリストにとって避けては通れないギターのセルフメンテナンスNo.1、それが弦の交換です。

使い方にもよるでしょうが、実はザ・消耗品であるピックよりも弦の方が寿命が短いレベル。

自己流でなんとかしちゃっているという方も多いかと思いますが、キチンと張れていないとテンションやチューニング不安定になり、弦の振動の異常に繋がってしまいます。

ぜひ、正しい弦の張り替え方をマスターしておきましょう。

弦を替える時に必要なもの

替え弦はもちろん必須ですが、他にも最低限ニッパーなど弦を切る道具は用意しておきましょう。

ギターの弦はどんなスケールのギターでも対応できるようかなり長めになっており、余った部分を切るのが基本です。

ワインダーはなくても構いませんが、あればかなり時間短縮になります。

どちらも数百円~とそう高いものでもないので、是非用意しておきましょう。

手順1 古い弦を取り除く

まずニッパーを使って弦を切って取り除きます。

要は古い弦をはずせばいいだけなので、はずす順番などは別に問いません。

が、必ず弦を緩めた状態で切りましょう。

綱引きをしているど真ん中でいきなり縄を切ったら、反動でみんな後ろに倒れてしまいますよね?

ギターでも同じで、テンションがかかった状態でいきなり弦を切るとその衝撃が楽器にダメージを与えます。

また、切れた弦がポーンと飛んでムチのようにアナタの手やほっぺた、果ては目に向かってくることも多々あります。

このように弦自身が全力攻撃を宣言しているくらい。

しつこいようですが、必ず弦を緩めた状態で切ってください。

そして弦を取る際にもう一点注意が必要です。

弦をはずした場合、パーツの落下に注意してください。

特にレスポールのテールピースやチューン・O・マチックなど、ブリッジのパーツが弦の張力で固定されているギターも結構あります。

知らずに弦を全てはずすとパーツが落下して、ボディーにへこみを作ってしまうこともあります。

ボディーも本人も結構へこむので、気をつけましょう。

こういったパーツは弦と一緒に取ってしまうか、弦を一度に全て切ってしまうのではなく両端だけ残しておくなどで対応しましょう。

手順2 エレキギターに新しい弦を張る

弦を除いたら、新しい弦を張っていきます。

そして初心者の方がやりがちな失敗が、弦を切らずにそのまま張ってペグにグルグル巻きにすること。

ギターのみならずベースやウクレレなど他の弦楽器でもそうなのですが、弦は余った部分は切ることを前提に長めに作られています。

あまりに弦を巻きすぎると弦の上に重なってしまってチューニングが緩むなど不安定になる危険がありますし、通常よりもに巻く回数が増えて無駄に時間もかかってしまいます。

逆に切り過ぎて巻きが少なすぎると、ナットに対する角度が浅すぎてテンションが稼げず、ビビりの原因になります。

弦はペグポストに2周~3周程度、下に向かって巻くのがベスト。

ギター弦 ペグに巻く巻き数

弦は下に向かって2周~3週程度巻き、いらない部分はニッパーなどで切るのが基本

その2周~3週になる弦の長さの目安はペグとペグの距離2個分です。

つまりは、6弦を張る場合は弦を引っ張って行って4弦の辺りをペグの巻き始めにすればちょうどいいくらい。

文章だけでは分かりづらいと思いますので、下記画像をご参考にしてください。

エレキギター弦交換弦の長さ目安

弦を張るペグの二個先のペグくらいが弦の張り始めの目安

距離自体はアバウトでいいので、2個先のペグの辺りで一旦弦を折ってしまいましょう。

この後はペグのタイプによって手順がちょっと変わかります。

・ペグポストに垂直の溝と穴があるタイプ:挿し込む長さを考えて弦を折った場所から1センチ程先で弦を切り、この1センチをペグの真ん中の穴に弦を入れて巻く。

・ペグポストの横に貫通した穴があるタイプ:弦を通して折り目の辺りから巻き始め、終わったら余った部分を切ってしまいましょう。

画像では例としてレスポールのヘッドを使いましたが、ストラトキャスターなどフェンダー系のギターが採用しているペグ片連ヘッドの場合でも2周程度で大丈夫です。

本当は弦やペグ、ヘッド形状によって巻き数が多少前後しますが、極端巻きすぎ or 巻かなすぎでもない限り大きな問題は出ませんので、あまり神経質にならずとも構いません。

残す弦の長さはペグ2個分を目安に、回数をこなして慣れつつ微調整できるようにしていきましょう。

なお、この時点で弦が留まっていればOKで、チューニングは6弦全部張り終えてからで構いません。

1本張る毎にチューニングしていても次の弦を張った時点でどうせチューニングがズレてしまいますので、弦が固定される程度まで巻いたら、どんどん次の弦を張っていきましょう。

弦は上下に巻く?

今回弦を下方向に巻いて行く、と説明しましたが、最初の一巻きは固定した弦の上に一周させて、巻き始めの部分を上下から弦で挟んだ方が弦がしっかり固定されていい、という向きもあります。

が、管理人はこれには懐疑的で、上下から挟まずとも弦のテンションの関係で上向きの力がかかるので差はないというのが持論です。

もちろん上に巻いても特にリスクはないので構いませんが、管理人の好みで、シンプルに下方向にだけ巻いた方が見た目もスッキリするのて、上には一周させていません。

上に一周巻きたいという場合は、ペグポスト一周分弦を長めにとって巻き始めましょう。

エレキギター弦交換仕上げ 弦を伸ばす

弦を6弦分全て張ったら、最後の仕上げに弦を伸ばしておきましょう。

張ったばかりの弦は柔らかく、ちょっと弾いたりチューニングするだけですぐに弦が伸びて音程がズレてしまいます。

そのままではとてもまともに使えるような状況ではないので、予め弦を伸ばしてチューニングを安定させます。

ある程度音を合わせて1弦ずつ手で引っ張って伸ばし、またチューニングして引っ張るという作業を数回繰り返してください。

ただ、この作業自体がある意味弦の寿命を短くする行為ですので、やり過ぎないように注意が必要です。

引っ張る時の力加減にもよりますが、2,3度繰り返してまだちょっと伸びそうだな、というくらいで良いでしょう。

しばらく使っている内に馴染んでチューニングが安定します。

なお、この工程でチョーキングをして弦を伸ばす方をよく見かけますが、わずかであれチョーキングではその分フレットの摩耗に繋がるので、あまりオススメしません。

チョーキングの練習も兼ねてあえてやっているというのであれば構いませんが、弦を指板に対して垂直方向に引っ張ることをオススメします。

エレキギターの弦交換まとめ

・弦を切ってはずす時は、必ずペグを緩めてテンションがかかっていない状態で切る!

・テールピースなどのパーツの落下に注意!

・弦はパッケージのものをそのまま巻かず、適切な長さで巻いて余った部分は切る!

・弦を真っ直ぐに伸ばした状態で弦を張るペグから二つ先のペグまでの距離が、弦を張る目安

・弦を張り終えたら、何度か伸ばして予め狂いを出して、ある程度チューニングをさせて置く

エレキギターの弦交換において特に気をつけて欲しいのは、ペグを緩めてから弦を切るという点と適切な長さで弦を張るというところです。

実を言えば弦を張る際に気をつけて欲しい点は他にもたくさんありますが、最低限この二つだけは守ってください。

管理人、練習中にストラトキャスターの1弦が切れたことがありましたが、その時に衝撃でイナーシャブロック(ストラトの弦のボールピースを留める石のような金属のようなパーツ)の1弦側が割れてしまい、1弦が二度と張れないお体になってしまった苦い経験があります。

大事な楽器を守るためにも、必ず弦を緩めてから弦を切ってください。

自分の楽器であれば修理すればいいのですが、お客様の楽器を預かってやってしまったら修理だけでは済まないこともあります。

この二点は本当に最低限のことですので、必ず守ってくださいね。