【ギター・ベース】 楽器の手入れオススメのクロス&クロスの種類と特徴一覧 【メンテナンス】

2016年9月29日

たかがクロス、されどクロス

今回はいわゆるポリッシングクロス、クリーニングクロスとして使われる楽器用クロスについて解説します。

たかがクロスと思われがちですが、クロスは大事な楽器をキレイにするのに欠かせない重要な道具の一つ。

ぜひクロスについて正しい知識をつけて、愛機をピカピカに保ちましょう!

マイクロファイバークロス

マイクロファイバーはかなり目が細かく柔らかいため、ギター・ベースの塗膜を傷つけず優しくふき取ることができます。

天然素材であるコットンに対し、マイクロファイバーは人工で作られる繊維。

ゴミやホコリがついたままでもない限り、マイクロファイバーで優しく拭いていれば目で見えるような傷がつくようなことはほぼありません。

ワックスやオイル、ポリッシュなどもそれなりに吸い込んでくれるので、から拭きだけでなくクリーニングにも使える万能クロスです。

汎用性が高く傷もつきにくいので楽器・メンテナンス初心者にもオススメ。

登場した当初こそコットンのクロスに比べ若干高価だったのですが、量産効果のためか最近は500円もしないレベルで手に入手可能。

今では猫も杓子もマイクロファイバーって感じですね。

ただ、どちらかといえば後述するコットンの方がポリッシュなどを使うポリッシング向きで、マイクロファイバーは仕上げやから拭き用クロスとして使う方が向いています。

中性洗剤で洗濯すれば繰り返し使えますが、今ではそう高価でもないので管理人は洗濯せずに金属パーツ磨きに使って捨てたりしています。

メガネやPC、スマホの画面を拭くにも使えるので、普段使いとして何枚か常備しておきたいところ。

コットンクロス

コットンはいわゆる綿です。

ご存じの通り綿自体は古くからある天然素材で、マイクロファイバーが出て価格が安くなるまではギター・ベースの手入れ用のクロスとして主流でした。

吸い込みがよく、ワックスやオイル、ポリッシュなどを使っての磨きや汚れを落としふき取るポリッシングクロス向き

マイクロファイバーに比べ目が荒いため、力を入れてガシガシ拭いたり磨いたりすると細かい傷がついてしまうこともあり注意が必要。

そういう意味ではから拭きにはあまり向きません。

力を入れて使わないといけないようなガンコな汚れを相手にする時には無理にこすらず、ポリッシュと併用するか、から拭きで対処するならマイクロファイバー素材のクロスを使いましょう。

当然、洗濯すれば繰り返し使用可能です。

楽器屋的にはそれってどうなの?と思ったりもしますが、ワックスがけなどそう傷がつく恐れがない使い方をする場合なら、もう着ない古い綿Tシャツなんかを使うのも有りですね。

ただ、ポリエステルなど石油由来の素材が混ざったごわごわしたTシャツだと結構傷が入ることもあるので注意。

そんなに高価でもないし、大切で効果な楽器を磨くものだから、そこまでケチらず買った方が無難とは思います。

セーム革

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そもそも布ではなく、主に鹿のキョンセーム革が使用される高級素材です。

非常に柔らかく髪の毛の15万分の1(0.0000015ミリ程度)の極細の繊維を持つため、埃やゴミが挟まってなければほぼ傷をつけることはありません。

ワックスやオイル、ポリッシュなどは使わずから拭き専用のクロスとして使い方をします。

(正確にいえばクロスと同じ使い方をされるだけでクロスではない?)

もともと微量に油脂を含んでいるため吸いつくような独特な感触があり、ガシガシ拭くにはちょっと向きません。

この油脂が塗膜の艶に良い影響を与えるともいわれています。

クロスに比べると高価で、天然素材のため形は不ぞろいであるものも多いです。

しかし汚れや指紋を落とす能力はピカイチで、一度使うとクセになってなかなか手放せないです。

目が非常に細かく柔らかいため傷も付きにくい点も特徴。

(当たり前ですけど、埃やピックカスなどを挟んだままガシガシやらなければ)

ラッカー塗装はもちろん、超デリケートな塗装であるセラック塗膜にも使えます。

ただしキョンセーム革の中にもシリコン加工がなされた製品もあるので購入の際に注意が必要です。

湿度が高い時は湿気を吸い、乾いている時はため込んだ水分を吐き出す性質を持ち、湿度調整剤としての働きも持っています。

ギターやクラリネットなど木製の楽器と一緒にケースに入れて置くと多少なりとも湿度や乾燥から楽器を守ってくれる高価もあるのもオススメポイント。

使っているうちに見た目はだんだんボロボロになっていきますが、そこは他の革製品と同じく、きちんと手入れすれば繰り返しかなり長く使えます。

手入れは多少面倒で、汚れがたまってきたらぬるま湯と薄めた中性洗剤 or 石鹸で手洗いする必要があります。

以前は非常に高価でしたが、近年少しずつ価格が下がってきているようにも思います。管理人も愛用中。

シリコンクロス

クロス自体がシリコンでできているわけではなく、クロスにシリコンを含ませたものを指します。

クロス本体の素材に関わらず、シリコンを含んでいればすべてシリコンクロスといえます。

シリコンを含んだクロスはそれ自体に若干磨く力があり空拭きでも汚れを落としやすい利点があるのですが、反面細かい傷をつけやすいデメリットがあります。

そのため艶がキレイなギターやベースの場合、使っているうちに逆に塗面の艶が濁ったようになってしまうことも。

反対につや消し塗装の場合徐々に艶が出てしまったり……

ということもあり、あまり人気がなく、最近はあまりみかけなくなりました。

フレットやブリッジ、ペグなどの金属パーツの曇りを軽く取るには悪くありませんが……

ギター・ベース用としてだけ限定してみれば、見た目は気にせず楽にメンテナンスしたい方や、大量の楽器を手早く磨く必要がある時くらいにしか需要がないように思います。

数回洗濯するとシリコンが落ちてノンシリコンクロスと同じになるといわれていますが、であればわざわざシリコン入りのクロスを必要もないでしょう。

最近あまり見かけなくなってはいますが、細かい傷がつく危険を考えればむしろ避けた方が無難です。

オススメのクロス&クロスの種類と特徴一覧

  • マイクロファイバークロスはいろいろな用途で使える万能クロスで、どちらかといえば仕上げやから拭き向き。
  • コットンクロスはポリッシュやワックス、オイルなどを使うクリーニング用として使いやすい。
  • キョンセーム革はから拭き専用で他に比べ高価で手入れに手間がかかるが、汚れを落とす能力は抜群。

今回は各素材の基本的な特徴について紹介しました。

しかし、同じ素材でもタオルっぽくしたりなど仕上げ方によっても使い勝手が大きく変わります。

クロスは大事なギター・ベースのクリーニングには欠かせないものですので、色々試してみてお気に入りのクロスを見つけましょう。

ちなみに、管理人個人的に初心者の方に一番オススメなクロスはギターコードがプリントされたクロス。実用性の高い面白アイデア商品です。