フェンダーUSA、MEXICO、JAPANの見分け方
色々あってワケわからないFenderブランド
エレキギターやベースをたしなむ者にとって、憧れでもあり、あるいはパートナーでもあるフェンダー。
しかしFenderUSAだのFenderMEXICOだのFenderJAPANだの色々ある割にロゴには " Fender " と書いているだけで、どれがどれだかわからない方も多いでしょう。
今回は、いわゆるFenderUSA、FenderMEXICO、FenderJAPANの見分け方を解説します。
それぞれのシリアルナンバー・製造年代の読み方については下記リンクよりどうぞ。
ヘッド・ネックの産地表記を確認
一番簡単なのは実機の産地表記を確認することです。
フェンダーメキシコの場合、ヘッドにMADE IN MEXICOと記載があります。
また、フェンダーJapanの場合はヒールにあるシリアルナンバーの辺りにMade In Japan、Crafted in Japanなどと記載されます。
フェンダーUSAも一部モデルではメキシコの同じ場所にMADE IN USAと書いてあったりしますが、書いていない場合も多いです。
Fenderのロゴが入っていて何も書いていない場合は大抵USA製と思っていいとは思いますが、確実を期すためには他の方法を考えましょう。
また、USAの上位ブランドにあたるカスタムショップ製の場合は、ヘッド裏などにカスタムショップロゴが入ります。
ちなみに、ヘッド裏などにClafted in China表記のあるモデルはモダンプレイヤーシリーズ(中国製)です。
シリアルナンバーで判断
USA、MEXICO、JAPANはシリアルナンバーでも見分けることが可能です。
まず、フェンダーUSAとフェンダーメキシコの場合はヘッドの裏やネックジョイントプレートなどにシリアルナンバーが記載されています。
シリアルナンバーの頭にMN、MZがつくものはメキシコ製です。(アーティストモデルなど一部違う場合もあるが、基本的にMNかMZが含まれる)
日本製の場合、先述の通りネックのヒールかヘッドの裏側に表記があります。いずれにしてもMade in Japan、Crafted in Japanなどの表記があるのですぐ見分けることができます。
(Fender JAPAN・Fender Exclusive時代はヒールの裏、2017年以降のMade in Japan TraditionalはUSAやメキシコと同じくヘッド裏)
USAはシリアルナンバーのパターンが多くちょっと面倒ですが、ネックのヒール部分になくMN、MZナンバー以外であればフェンダーUSAの可能性が高いと思って良いでしょう。
シリーズ名・モデル名で判断
昔の仕様を再現したVintageシリーズ、Classicシリーズの場合
昔の仕様を再現したものの場合、モデル名の表記がフェンダーUSAもフェンダーメキシコも ’52 Teletocaster だとか ’60s Stratocaster といった具合でかなり区別しにくいです。
が、実は年代の数字の後の " s " の有無で簡単に見分けることが可能です。
メキシコは’60s Stratocasterと年代の後に " s " が入り、USAは’52 Telecasterと年代の後に " s " が入りません。
ただし、メキシコにも一部sが入らないモデルもあるため注意が必要です。(Classic Series ’72 Telecaster Deluxeなど)
また、楽器店では店員がよくわからずに s をつけたりつけなかったりする場合もあり、お店のPOPなどは鵜呑みにしない方がいい場合も。
もっとも確実なのは、正確なモデル名を確認すること。
そもそもUSAの場合はAmerican Vintageシリーズで、メキシコはClassicシリーズとシリーズ名が異なるのです。
(例1)USA:American Vintage ’52 Telecaster
(例2)メキシコ:Classic Player ’60s Stratocaster
フェンダージャパンの場合はMG69(69年仕様のムスタング)、JG66(66年代仕様のジャガー)といった具合に型番表記となるのでわかりやすいです。
※但し、FenderJAPANの企画・運営の権利が2015年4月1日に神田商会よりフェンダー社に移管されてらは商品名が変更になっています。
わかりづらいため変更後の正式名称で書く楽器店もあまり多くはありませんが、あくまで2015年4月以前のFenderJAPANのお話と思ってください。
その他のシリーズの場合
当然商品のシリーズ・モデル名でも見分けることが可能です。
まず、USAとメキシコの代表的なシリーズを挙げておきましょう。
FenderUSA
American Custom、American Select、American Deluxe、American Standard、American Specoal、American Vintageシリーズなど。
このように頭にアメリカンがついたらFenderUSAです。アメデラとかアメスタとかよく言いますよね。
FenderMEXICO
RoadWorn、BlackTop、Standard、Deluxe(Player / Roadhouse / Lone Star / Nashvilleシリーズを含む)、Classicシリーズなど。
メキシコはそれとわかる符丁は特にないので、一通り憶えるかMADE IN MEXICOの表記を探した方が早いです。
FenderJAPANの場合
フェンダージャパンの場合は先述の通り型番表記となるのでわかりやすいです。
なお、フェンダージャパンにはST62-USといったモデルでピックガードにUSAと書かれたシールが貼られているモデルがあります。
これはUSA製のピックアップ搭載しているってだけでギター自体はUSA製ではないので注意。
中古ギター・ベースの場合は要注意!
このようにヘッドやネックの産地表記・シリアルナンバーだけでフェンダーUSA、MEXICO、JAPANのいずれかがわかります。
が、どこぞのかわからない偽物のボディーにフェンダーのネックをつけている場合があるため、中古ギター・ベースの場合は注意が必要です。
新品は無論安心ですし、楽器店でも中古品を買い取る時はネック以外もチェックするところが多いので心配はないと思いますが、特にオークションなどを利用する際には気をつけましょう。
FenderUSA、Mexico、JAPANの見分け方まとめ
- FenderMEXICOの場合はシリアルナンバーの頭にMN、MZなどのアルファベットが付く。また、ヘッドに小さく MADE IN MEXICO の表記がある。
- FenderJAPANの場合はネックのヒール部分にシリアルナンバーと日本製である旨の表記がある。
- ただし、2017年頃以降のMADE IN JAPAN TRADITIONAL以降はネックのヘッド裏にシリアルナンバーがあるので注意。
- シリーズ名に " American " がついた場合はFenderUSA。
しかしこれだけややこしいとFender社を責めたくなるところですが……
そもそもFender社自身はフェンダーUSAだのフェンダーメキシコだのって分けてないんですよね。
最後に爆弾発言を放りっぱなしですけど、それはまた次回解説します。
詳しくは下記関連記事リンクよりどうぞ。
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