【Aカーブ?Bカーブ?】 ボリューム、トーンに適したポットのカーブの特徴と違い

2017年1月10日

ポットのAカーブとかBカーブCカーブとか、どんな違いがある?

ギターのベースのみならずのエフェクターやアンプのツマミには欠かせないパーツであるポットには、抵抗値とカーブと呼ばれるものがあります。

抵抗値は当然、ポット内での最大抵抗の値。

大きければ大きいほど、端の2つの端子(1番端子と3番端子)との間の抵抗値が大きくなります。

そしてカーブはポットのツマミを回した時の抵抗値の変化の具合を指します。

ただ抵抗値だけを考えればいいわけではなく、適材適所、ポットを使う場所によってどんなカーブのポットを使う必要があります。

今回はポットのカーブについて解説します。

よく使うのはAカーブとBカーブ

ポットのカーブの種類にはAカーブ、Bカーブ、Cカーブ、Dカーブの4つが挙げられます。

その違いは、下記画像のグラフをご覧いいただければわかりやすいかと思います。
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Aカーブ、Bカーブ、Cカーブのポットのパラメーターの変化の様子

Aカーブは回す位置が後の方になるほど、対数的に急激にパラメーターが変わるよう設定されているものです。

Bカーブは最初から最後まで均一にパラメーターが変わるように設定されています。

CカーブはAカーブとは逆に、少し回しただけで急激にパラメーターが変わり、後になるほどその変化が緩やかになっていきます。

(Dカーブはちょっと特殊なのであとで解説します)

Aカーブはボリュームツマミなどに使われる

エレキギターやベースのボリュームにはAカーブポットを使うのが基本です。

Aカーブは最初の内は変化が少なく、回すほどに変化が急激になっていく特性を持ちます。

これが人間の耳の特性によく合っています。

人の耳の特性上、電気的な信号の大きさ=音量が倍になっても、人間の耳には倍には感じられません。

例えば2目盛り分回して2倍、4目盛り分回して4倍に信号が大きくなれば音量も4倍に聴こえる……わけではないのです。

(実際に目盛りなんてありませんが)

後述するBカーブでは人間の耳では一定して音量が伸びるように聴こえず、ある時点で急激に変化したように聴こえます。

Aカーブだからといって完璧ってわけではありませんが、音量を変える時に比較的自然に推移するように聴こえるはずです。

トーンツマミによく使われるBカーブ(リニアカーブ)

Bカーブはどこに回しても変化量が一定になる直線的な特性を持ったツマミです。

リニアカーブとも言われ、主にはエレキギターやベースのトーンツマミに使用されます。

他にも特に対数的なカーブが必要でない場合はBカーブが使われることが一般的です。

CカーブはAカーブの逆の特性を持つ

CカーブはAカーブとは逆の特性を持ち、回し始めにパラメーターが急激に変化し、その後の変化は緩やかになっていきます。

エレキギターやベースではそれほど使われず、一部エフェクターのツマミくらいでしか使用されません。

AカーブやBカーブに比べ手に一般的に使われるものではないため若干手に入りづらいのも特徴といえるでしょう。

Dカーブ

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Dカーブのパラメーターの変化の様子

DカーブはAカーブをより極端にしたような特性をもちます。

あまり一般的ではなく、Aカーブのポットでも変化が不自然なためより極端なカーブが必要な場合にしか使いません。

カーブはどれでもいい?

ポットの抵抗値は適切に使わないとサウンドに影響を及ぼしますが、実はカーブはそうでもありません。

カーブが音に与える影響といえばは、ツマミを回した際の変化の具合が変わるだけ。

ボリュームツマミにAカーブでなくBカーブやCカーブを使ったところで出音、音質的にはなんら問題はありません

エレキギターやベースのツマミに使われるポットも、抵抗値さえ変わらなければ音質自体は変わりません。

逆にいえば、ツマミのカーブはどんどん変えて試してみても問題がないということです。

もちろんポットのパーツとしてのグレードが変わってしまえば音質に多少の差が出る可能性もあります。

が、一般的に市販されているエレキギターやベースでは FENDER も GIBSON も大して高級なポットは使っていませんので、適当に変えても問題ありません。

これはエレキギターやベースに限らず、アンプやエフェクターでも同様。

はんだ付けの腕前に自信のある方は、別のカーブに取り替えてみるのも手です。

実際のポットのカーブの見方

エレキギター・ベースのツマミに使われるポットのカーブの見方

ポットのカーブの読み方

ポットのカーブはポット本体の底面か側面に抵抗値とともに書かれています。

画像の例で言うと、一番左のポットが抵抗値 50KΩのBカーブ

真ん中は抵抗値1MΩ(1000KΩ)のCカーブ

右は抵抗値1MΩ(1000KΩ)のAカーブ

ということになります。

ボリューム・トーンに適したポットのカーブの特徴と違い まとめ

・Aカーブは対数的な特性をもち、エレキギターやベースでは主にボリュームツマミに使う用途に向いている

・Bカーブは直線的な特性をもち、エレキギターやベースでは主にトーンツマミに使う用途に向いている

・CカーブはAカーブとは反対の特性を持ち、エレキギターやベースではあまり使われず、一部エフェクターで使われる

・DカーブはAカーブを極端にしたような特性を持ち、Cカーブ同様あまり一般的ではない

なお、Aカーブはボリュームツマミ、Bカーブはトーンツマミというのはあくまでも一般的な場合。

メーカーによってはボリュームツマミでもBカーブを使用する場合もあります。

先述の通り絶対的にそのカーブでないといけないということはなく、この辺りはメーカーの設計思想によって違いが出ます。

エフェクターなんかも同様ですね。(何も考えていないだけな場合もあります)

ちなみに、管理人個人的にはBIG MUFFのトーンは12時を超える辺りでの利きがえぐすぎて、これもポットのカーブの関係なんだろうなぁ、なんて思ったりもしています。

かと言ってわざわざ取り替えるほどでもないか、とも思うので気にしないようにしています。