【初心者向け】超簡単!アコギの弦交換方法
初心者の方にとって、セルフメンテナンス最初の難関がアコギ弦の張り替えです。
個人差はあれど、弦は早い人では月に数回は交換するもの。弦交換は慣れてしまえばそう難しいものではないので、サクッとやり方を憶えてしまいましょう。
アコギの弦交換方法とコツを初心者の方でもわかりやすく解説します。
※本来定義上ではナイロン弦のクラシックギターもアコギに含まれますが、本記事ではフォークギター(鉄弦のアコギ)の弦交換方法を解説します。
アコギ弦の張り替え方の手順要約
アコギの弦を張り替える手順をザックリ要約すると下記3手順だけ。
- 古い弦を取る
- 新しい弦をブリッジとペグにつける
- チューニング
ただ、いくつか注意しないとうまく交換できないので、各所の注意点とコツを詳しく解説します。
弦交換の際には6本全部張り替えることをオススメします。
一番細い1弦がもっとも切れやすくはありますが、1本でも自然に切れる状態ならもう全弦張り替え時。
古い弦を使い続けると音も悪いので、張り替えるときは全部張り替えましょう。見た目も音もキレイで気持ちいいですよ、新しい弦を張ったアコギ。
弦交換に必要なもの
- 替え弦(必須)
- ニッパー(必須)
- ワインダー
- クロス
弦交換にあたっては新しい弦と弦を切るためのニッパーは必須です。
替え弦はMartin M140(ライトゲージ)があればまず間違いはありません。
なお、ただ、失敗して使えなくなることも考えて2~3セットほど用意しておくことをオススメします。余ってもどうせ使いますし。
ワインダーとクロスは必須ではありませんが、作業にかかる労力と時間を大幅に短縮できます。
どちらも数百円程度で手に入りますし、弦を買うするついでに用意しておくことをオススメします。
(アコギ弦の詳しい選び方を知りたい方は下記リンクよりどうぞ)
手順1:古い弦を切って取り除く
Aria Dreadnought AD-915(Aria公式ページより)
まず古い弦を切って取り除きます。その前に超重要なポイントがひとつ。
必ずペグをダルダルにゆるめてから弦を切ること。
張力がかかった弦をいきなりパツンと切ると、反動で金属のムチと化します。超痛いので注意。
あとは弦を外しやすいようニッパーでパチンパチンと切って、ペグとブリッジ両方から外します。
チューニングした状態のアコギには弦6本分、計70kg前後の張力(引っ張る力)がかかっています。
単純計算で弦1本につき10kg以上。それをそのまま切るのはケガの危険性だけでなく、反動でギター本体に深刻なダメージを与える可能性も。
弦を切るときは必ずペグをゆるめてから切ってください!
ブリッジピンの外し方
弦を外すとき、ブリッジピンが固くて外れないことがあります。ブリッジピンとブリッジ穴には個体差があるため。
ブリッジピン外しを使うかサウンドホールから手をいれて裏側からブリッジピンを押すことで簡単に外せます。
ただ、ブリッジピン外しは下手に使うとブリッジなどにキズがつきます。ブリッジではなくサドル側の弦の上に載せて使うか、ブリッジの裏側からブリッジピンを押しましょう。
サウンドホールから手を入れて裏からピンを押すとき、素手では痛くてうまく力が入りません。クロスを持ってやると痛くなりにくく、力も入りやすいのでオススメ。間にはさむだけなのでクロスがなければタオルでも可。
この辺りは別途詳しく解説していますので、どうしてもうまくピンが抜けない方、傷をつけそうで怖い方は、下記リンクよりどうぞ。
手順2 ボールエンドをブリッジに固定する
続いて、弦を張るためブリッジ穴に弦の先についた丸いボールエンドを差し込み、ブリッジピンでフタをします。
ここにアコギ弦の張り方の中で一番大事なコツがあります。
【最重要】ブリッジに弦を挿し込む時のポイント!弦を折る!
弦をブリッジに入れる時、必ずボールエンドから5mm程度のところを「 く 」の字に折り曲げること。
(ボールエンド=弦の先についてる丸い部分)
ボールエンド部分を曲げずにブリッジに差し込むと、巻くときに弦が引っ張られてブリッジピンごとそのまま抜けていきます。
曲げずとも抜けないで済むこともありますが、使っていたら突然ピンと弦がはじけ飛んでしまう可能性もあり危険です。
必ずボールエンド側の先を折ってからブリッジに差し込みましょう。
なぜ弦を折っておかないといけない?
特に初心者の方ですと、アコギの弦は画像のように固定するとイメージされる方が多いかと。
しかし、実はこれではダメ。実はブリッジピンは上からフタをしているだけ。この状態でペグを巻くと普通に抜けてしまいます。
単純計算で10kg以上の力がかかる弦の張力に、フタをしただけのブリッジピンが耐えられるわけがないのです。
弦のボールピースを曲げて解決。張力がブリッジピンを押さえつける方向に力の向きが変わり、摩擦で抜けなくなります。
コツをつかめば折らなくても同じように入れられるようになります。しかし、最初のうちはボールエンドを曲げると簡単です。
ブリッジピンをつけるときもう一点注意
もう一つ注意したいのが、ブリッジピンを差し込むときに弦を引っ張って「 あそび 」をなくすこと。
ただブリッジ穴に弦を入れてフタをすると弦が長めに入り「 あそび 」ができます。
そのままペグを巻くと長めに入った分が引っ張られてどんどん出てきてしまい、無駄に長く巻くことになります。
後ほど解説しますが、ペグポストに弦を巻くのは2周〜2周半程度が適正。そのつもりで準備したのにブリッジからどんどん弦が引っ張り出されてくると本気でイラっときます。
特に巻き弦(3弦~6弦)はガリガリって若干嫌な感触がしますが、もともとブリッジピン周りは弦が食い込んでいくものなので気にしなくて大丈夫。必ず引っ張りながらピンを差し込みましょう。
手順3:弦を張る
続いてヘッドのペグに弦をとりつけ、巻いて張っていきます。弦を巻くのはヘッド内側から外側に向かって巻かれる向き。
ペグを向かって反時計回りに回すと弦が巻かれていく向きです。
ここで初心者がやりがち罠が、弦をまるまるそのまま全部巻いてしまうこと。
延々と全部巻くと見た目も悪いしチューニングがブレやすくなるので、適切な長さを巻く必要があります。
ペグに弦を巻く長さの目安
画像のようにペグポスト上で弦が下に向かって2周~2.5周前後で巻くのが正しい張り方。
弦の巻き方が悪いと、音程が悪くなったりビビりが出るようになってしまいます。
アコギの場合、張る弦のペグより1個~1.5個程度さきにあるペグくらいの長さが、弦が2周程度巻かれる長さの目安です。
で、弦を差し込んだあと巻くときのコツ。
まずペグを横に向けておき弦を折った部分まで差し込む。
反対側から出てきた弦を、真上に向かって折る。画像のようなイメージです。こうすると多少手を離してもペグポストから弦が外れることを防げます。
ただ、巻くときはちゃんと持っていないと引っ張られて外れてしまいます。どちらにしてもペグの下に向かって巻かないといけないので、ネック側の弦を軽く持って下へ押さえながらあげながら巻いてください。
ペグを結構巻かないといけないので、ここでもワインダーがあると楽です。
実際にペグで2周半になる長さはギターのモデルや弦の太さによっても変わってきます。
ペグ1個~1.5個分残すのは、あくまでもどんな状況でも大体2周~2周半になる最大公約数的な目安です。
弦によっては4周になってしまったり2周になってしまったりするかと思いますが、そこまで気にしなくて大丈夫。
ゆくゆくはご自身の加減で調整し、愛器とお使いの弦に最適な長さを見つけてください。
最終仕上げ:弦を伸ばす
張りたての弦は柔らかいためかなり伸びやすく、すぐに音程がズレてしまいます。
各弦を引っ張って伸ばす → チューニングを数回繰り返し、しばらく弾いても音程が狂わない状態にしておきましょう。
ただ、引っ張りすぎると伸び切ってしまいあとは切れるだけに。使っているうちに自然に伸びていきますので、ある程度チューニングが狂わなくなるくらいで大丈夫です。
アコギの弦交換方法 まとめ
- 弦を切る前に必ずペグを緩めてから。
- ブリッジには弦を折ってから入れる。
- 弦は適切な長さで張る。ペグポスト上での巻き数は2周~3周程度がベスト。
アコギ弦の張り換え方で最も重要なポイントは上記3点。最初は難しく感じるかと思いますが、弦は消耗品です。
弦交換はアコギをやる上ではどうしても避けられない最低限のメンテナンスですので、繰り返してぜひマスターしてください。
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