主なエレキギターのスケール(弦長)
常識レベルのエレキギターのスケール
今回は、エレキギターの各スケールの長さと代表的なモデル等、特徴について紹介・解説します。
特に、楽器店の店員になりたい、という方はこの辺りは常識レベルとして知っておきたいところ。
管理人も勉強嫌いなもので、暗記が苦手という方の気持ちは重々わかりますが、この辺りは本当に常識の範疇です。
是非憶えておいてください。
各スケールごとの長さと代表的なモデル
ロングスケール
長さ:約648mm(25 1/2インチ)
代表的なモデル:Fender ストラトキャスター / テレキャスター / ジャズマスター
ロングというからには普通よりも長そうな気がしてきますが、実はエレキギターの中でも最も一般的なスケールです。
主にストラトキャスターやテレキャスターなどのFender系や、その派生形のギターに使われています。
そのため、俗称としてフェンダースケールなどと呼ばれることもあります。
デタッチャブルタイプのギターでよく使われるスケールとも言えるでしょう。
スケールが長い分弦のテンションが強めになり、硬めの音に仕上がる傾向があります。
弦はミディアムゲージでは弦の張りがきつすぎるという方も多く、ライトゲージ(09-42)を張ることが一般的です。
ミディアムスケール
長さ:約628mm(24 3/4インチ)
代表的なモデル:レスポール、SGなどGibson系のギター / Model 620、Model330 などリッケンバッカーのギター
ロングスケールに比べ、弦長が少し短いミディアムスケール。
その分弦が柔らかく、より暖かみのあるサウンドになる傾向にあります。
ロングスケールと同様、ギターでは最も一般的なスケールの一つです。
ミディアムスケールにはライトゲージ(09-42)の弦では柔らかくなりすぎるということで、ミディアムゲージ(10-46)が使われることが多いように感じます。
レスポールやSGに限らず、フライングVやエクスプローラーなどのGibson系や、その派生形のギターでよく採用されます。
そのため、俗称としてギブソンスケールとも呼ばれています。
モデルにもよりますが、グレッチやリッケンバッカーのエレキギターも基本的にはこのミディアムスケールを採用しています。
セットネック系のギターでよく使われているスケールであるとも言えます。
ショートスケール
長さ:約609mm(24インチ)
代表的モデル:Fender ムスタング / ジャガー / FENNANDES ZO-3シリーズ や PIGNOSE PGGシリーズ などアンプ内蔵ミニギター
Fenderのムスタングや、キッズ向けのエレキギターの他、FERNANDES ZO-3やPIGNOSE(ピグノーズ)のようなアンプ内蔵のミニギターよく採用されています。
ショートスケールより短いスケールの規定がないため、弦長が609mm以下のものは全てショートスケールとして扱う向きもあります。
弦長としてはちょうどロングスケールから1フレット分ぶった切ったくらいの長さでフレットの間隔が狭く、弦を押さえる感触も柔らかいのが特徴。
まだ身体が成長しきっていないお子様や女性でも演奏しやすいスケールです。
ただ、ショートスケール慣れてしまうとロングスケールやミディアムスケールへの転向する際に感覚が違い過ぎてちょっと苦労をするかもしれません。
というか、ショートスケールのギターの場合、大抵の商品ではネックもかなり細く造られるため一般的なスケールであるミディアムスケールやロングスケールからショートスケールへの転向も感覚が違い過ぎて却って弾きづらく感じるかと思います。
ミディアムスケール⇔ロングスケール間の転向はそこまででもないのですが。
なお、ショートスケールのギターにあまり細い弦を張ってしまうとテンションが稼げず弦の振幅が大きくなりフレットに当たりやすくなってしまいます。
こういったビビり等の原因になるため、ショートスケールにはあまり細い弦を張ることはオススメできません。
ショートスケールはもとより他のスケールのギターよりも弦が柔らかくなりますので、無理に細い弦を張らない方が良いでしょう。
その他のスケールについて
エレキギターの場合、一般的なスケールとして上記のロングスケール / ミディアムスケール / ショートスケールの三つが挙げられます。
が、この三つにはあてはまらないスケールもあり、例えば人気エレキギターブランドPRS Guitars(ポールリードスミスギターズ)は独自にロングスケールとミディアムスケールの中間となる635mm(25インチ)スケールを採用しています。
ロングスケールの648mmとミディアムスケールの628mmの間をとることで、独自のテンション感・サウンドと、どちらのスケールのギターを愛用している人であってもさほど違和感なくPRSのギターを弾きこなせるように、と狙ったものでしょう。
他にも、神田商会さんがプロデュース・製造販売しているFenderJAPANの中にスマートサイズと称した、サイズ・スケールが通常のエレキギターの約85%で製作されたミニサイズのエレキギターが発売されたこともありました。
実際には弦長は570mmに設定されており、ショートスケールの規定よりも短いのですが、ショートスケールという理解でも良いでしょう。
(スマートサイズシリーズは生産完了)
また、近年では多弦ギター(7弦ギターなど)でへヴィーなドロップチューニングに耐えられるテンションを稼ぐため、ロングスケールよりも更に長いスケールを採用したエレキギターも増えています。
こういったものはエクストラロングスケール、スーパーロングスケールなどと呼ばれています。
基本的にロングスケールよりも長いスケールは全てエクストラロングスケール・スーパーロングスケールと括りに入っているという理解でいいでしょう。
このように、昔に比べエレキギターの商品群もどんどん多彩化される中、新たに採択されるスケールも増えており、一概には言えない部分もあります。
とりあえずはロング / ミディアム / ショートの三つのスケールだけでもいいのですが、ある程度慣れてきたら、他のスケールを採用したギターについても色々と調べてみるのもいいでしょう。
主なエレキギターのスケール(弦長)まとめ
いきなりスケールを全部憶えろ、と言われてもなかなか難しいものがあるかとは思いますが、
Fender系のギターは主にロングスケール / Gibson系のギターは主にミディアムスケール / ミニギターは主にショートスケール
ということだけは憶えておいてください。
ただ、Fender系のギターの中でもショートスケールのムスタングもありますし、ジャガーやジャズマスターのように見た目は似ていてもスケールが全然違うエレキギターもあります。
ロングスケールとショートスケールとではキャラクターがガラっと変わりますので、この辺りは間違えないようにしましょう。
もちろんモデルにもよりますが、メーカーごとによく使うスケールというのはある程度決まっています。
先にも挙げていますが、リッケンバッカーやグレッチはミディアムスケールのものが多い、のようなイメージです。
というか、そのエレキギターのスタイルによってある程度決まっている部分がありますね。
ストラトキャスター風のギターはロングスケール、レスポール風のギターはミディアムスケールといった具合でしょうか。
なお、一応インチ表記もしておきましたが、日本でスケールをインチで表したり話すことはあまり一般的ではありません。
どちらかといえばミリメートル表記の方を優先して憶えた方が実践的です。
また、本サイトでは長さについては全長表記としていますが、メーカーによっては全長ではなく半長(12Fまでの長さ)で表記する場合もあります。
ロングスケールの場合324mm、ミディアムスケールの場合は314mm、ショートスケールの場合は305mmといった具合ですね。
これは特にどちらとも決まりはないので、好きな方で構いません。
エレキギターに限らず、スケール(弦長)は楽器のサウンド・演奏性に多大なる影響を与える要素です。
その詳しい影響等について書いていますので、下記関連記事からぜひどうぞ。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません
日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)