主なベースのスケール(弦長)
ベースの一般的なスケールの種類
元々弦楽器にとってスケールは演奏性や音色に大きな影響を持つ要因の一つですが、特にベースの場合、替え弦の長さもスケールによって異なるため、かなり重要です。
ベース弦のスケールについては別途記事を書いていますので、そちらを参考にして頂くとして、今回はベースに使われる主なスケールについて解説します。
(弦の選び方などについては記事の終わりにある関連記事からご覧ください)
ベースの主なスケール
スーパーロングスケール
スペクターのエクストラロングスケール(35インチ)の5弦ベース
長さ:約889mm(35インチ)・約914mm(36インチ)
代表的な機種:5弦・6弦などの多弦ベース
最も一般的なスケールであるロングスケールよりも長いスケールで、エクストラロングスケールなどとも呼ばれます。
35インチの場合、Fenderスーパーロングスケールとも。
ベースの場合でもエレキギター同様ロングスケールが最も一般的で、スーパーロングスケールはそれほど多くはありませんが、多弦ベースやドロップチューニング時のテンションを稼ぐためのスケールとしての一定の需要があります。
長さを35インチの約889㎜、36インチの約914mmと表記していますが、基本的にロングスケールよりも1インチ以上長ければこのスーパーロングスケールに属すると思って良いでしょう。
ロングスケール
代表的な機種:Fender ジャズベース / プレシジョンベース / Gibson サンダーバード(34 1/4インチ) / Rickenbacker 4003(33 1/4インチ)
ベースのスケールの中でも最も一般的といえるスケールです。
演奏性ではミディアムスケールの方が勝りますが、やはりテンション感や音の明瞭感などロングスケールでなければ出せない面が大きく、ロングスケールではうまく演奏ができないということでもなければ、わざわざ短いスケールは選ばずロングスケールを選んだ方が無難でしょう。
ミディアムスケール
長さ:約812mm(32インチ)前後
代表的な機種:コレといって無し
代表的な機種としてコレといってなしとしましたが、これは通常のロングスケールのベースを演奏性を高める目的でミディアムスケールバージョンとしてダウンサイジングしたモデルがほとんどであるため。
ロングスケールとミディアムスケールで一段階の違い、と言うとそれほどでもないように感じるかも知れませんが、ロングスケールの864mmよりも5センチ程短いこともあり、実際には演奏面・サウンド双方でかなりの差がでます。
また、ベース自体の全長が短くなりますし、その分バランスを合わせてボディーも小さくできるため、演奏中の取り回しもかなりよくなります。
やはりロングスケールのハリのあるサウンドの方が人気で、ミディアムスケールのベースのサウンドが良い!という風にミディアムスケールを選ぶ人はあまりいませんが、テンションが弱い分弦が柔らかく、ボディーも含めて全体的にダウンサイジングされることが多いため、演奏性ではロングスケールよりもミディアムスケールに軍配が上がります。
この取り回しの良さから近年では特に入門機としての人気が高まっており、バリエーションもそれなりに豊富です。
ショートスケール
ショートスケールベースとして特に人気の高い FenderJAPAN ムスタングベース
長さ:約762mm(30インチ)前後
代表的な機種:Squeir Broncoベース / FenderJAPAN ムスタングベース / Gibson EB-1(30 1/2インチ) / Hofner バイオリンベース / FERNANDES Zo-3 Bass、PIGNOSE PGB-200などアンプ内蔵ベース
ベースに使われるスケールの中では最も短いスケールです。
サイズを小さくすることも容易で、取り回しがよく弾きやすいので、手や身体の小さい女性やお子様でも気軽にチャレンジできます。
また、普段ギターを弾いている方が一時的にベースを弾く時などに選ぶ方も多いです。
が、もともと低音なので音がぼやけやすい上にテンションが低いため出音がハッキリしないこともあり、本格的に演奏するベーシストにはショートスケールのベースはあまり好まれません。
ショートスケールのベースの中では特にFenderJAPANのムスタングベースが人気がありましたが、残念ながら2014年に生産完了となってしまいました。
ベースのスケール まとめ
代表的なモデル、というところではかなりザックリではありますが、以上のようになります。
代表的なモデルの中にカッコ書きがついてしまっているモデルがあることからお分かりになるかと思いますが、ベースの場合各社様々なサイズで弦長を設定しており、キッチリとは分類できない部分があります。
例えば、Fenderのロングスケール34インチ(約864mm)よりもちょっと短いスケール(約845mm・33 1/4インチ)を採用したリッケンバッカー4003や、逆に34インチをちょっと超えたGibsonのサンダーバード(約870mm・34 1/4インチ)など。
このように中途半端なスケールの場合は、スケールとしては最も近い数値の分類に当てはめて考えて差し支えがないと思います。
最初にも述べましたが、ベースのスケールはその演奏性・サウンドに影響するだけでなく、替え弦の長さを選ぶ重要な指標になります。
ベースの弦は本体のスケールを参考に適した長さに合った替え弦を用意する必要がありますが、その際はスケールだけでなく、ブリッジ側での弦の留め方やヘッド形状・ペグの配列にも気を配り、場合によっては長めの弦が必要な場合もあります。
最悪の場合長さが足りず張ることが出来ない、ということもあり得ます。
関連記事として貼っておきますので、ベースのスケールに関連して楽器店の店員として働いていると多い問い合わせの一つですので、是非こちらの記事もご覧になってください。
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