【テレキャスターの歴史】ブロードキャスターとノーキャスター

2015年9月16日

伝説のブロードキャスターと幻のノーキャスター

Fenderテレキャスター

ブロードキャスター(BroadCaster)とは、現在のテレキャスターというモデル名になる前のネーミングです。

元々、テレキャスターシリーズは1ピックアップ仕様のエスクワイヤーという名前で1949年頃に登場します。

その後1950年頃に2ピックアップ仕様のモデルが発表され、これがブロードキャスターとして販売されることに。

しかし、ブロードキャスターはすでにGretsch(グレッチ)のドラムの商品名として商標登録されていました。

FenderはBroadCasterで、グレッチ社のドラムはBroadKaster。

スペルが違い全く同じではありませんでしたが、紛らわしい・わかりにくいとのクレームがFender社に入ります。

それでモデル名をテレキャスターに変更したってわけなのです。

なお、実際にテレキャスターに差し替わったのは1951年。

ブロードキャスターというモデル名の使用はクレームを受けてすぐに差し止めましたが、続くネーミングがすぐに決まらず、しばらくモデル名がなかった時期があります。

この時期の本体には、Fender Broadcasterと書いてあったヘッド用のデカールからBroadcasterの部分だけ削り取って使用していました。

これらの個体はNocaster(ノーキャスター)と呼ばれ、超レア。

実はテレキャスターという名前はすぐ決まっていたが、デカールがもったいないからあえてそうしたという説もあるようですけどね。

いずれにせよこのノーキャスター、ビンテージ市場では幻の個体として扱われています。

Fenderのギター命名

初期モデルであるブロードキャスター(BroadCaster)テレキャスター(TeleCaster)のネーミングは、当時では最先端の技術であったテレビ放送からとってきています。

Broadcastが放送って意味なんですよね。

そのBroadcasterがダメだったので、テレビ放送って意味のTelecastを使い、Telecasterとしたわけです。

最先端技術の名前にあやかろうって魂胆だったようです。

少し話はそれますが、Gibsonのレスポールジュニアも白黒のテレビでも映えるようにと黄色くしたTV Yellowという色だったりと、楽器業界の各社も何かとテレビを意識していたようです。

話戻って、このブロードキャスターという名前。

Fenderといえばなんとなく、ジャガーやムスタングなどのイメージから車の名前にあやかっているイメージなんですけどね。

フェンダーっていう車のパーツもありますし。

フェンダーの由来は創始者のレオ・フェンダー氏の名前からきているんですけどね。

色々な楽器の命名の由来も、調べていくと結構面白かったりします。

まとめ

・テレキャスターは元々ブロードキャスターという名前だったが、商標の問題で変更に

・変更までの過渡期、一時的にヘッドデカールにモデル名が入らなかった時期があり、この時の個体はノーキャスターと呼ばれる

ブロードキャスターもノーキャスターも生産されていた期間はごく短く、かなりレアな代物。

なかなか見かけられるものじゃないんですよね……

かく言う管理人も実物は見たことがありません。

見かけた際はぜひ記念撮影でもしたいものです。