コーティング弦ってどうなの? 特徴とメリット・デメリット

2015年6月6日

コーティング弦とは?

コーティング弦

代表的なエレキギター用コーティング弦

コーティング弦とはその名の通り、特殊なコーティングを施すことにより長寿命を実現した弦です。

元々はGORE社がElixir(エリクサー)ブランドで発表したものが始まりで、長らくはエリクサーの独壇場でしたが、今ではアーニーボールやダダリオなど各社もコーティング弦を開発ししのぎを削っています。

基本的にはワウンド弦(巻き弦)のみがコーティング加工されますが、プレーン弦も特殊な加工を施すことで耐久性を高める工夫がなされています。(エリクサーのAnti-Rust弦・アーニーボールのレインフォースド・テクノロジー)

今回はコーティング弦の特徴メリットデメリットについて解説しましょう。

コーティング弦の特徴とメリット

言うまでもなく、コーティング弦の最大のメリットにして特徴は、錆びにくく長持ちする点

空気中の水分や手汗が弦に直接触れないので錆びにくいのです。そのため張りたてのフレッシュな感触や音色が長続きし、弦交換の頻度も減らすことができます。

そしてもう一つのメリットが、フィンガリングノイズが出にくい点。

フィンガリングノイズとは、巻き弦の凹凸と指がこすれて出るキュッキュッてあの音。

コーティング弦の場合は巻き弦の山の凹凸が浅くなるのでこのその分平らに近くので指とこすれる音が出づらくなるのです。

同じ理由でフィンガリングに独特の滑らかさがある点もコーティング弦ならでは特徴と言えるでしょう。

コーティング弦のデメリット

メリットがあればデメリットもある。当然、コーティング弦にもデメリットもあります。

  • コーティングしていない弦に比べ音抜けが悪くなる傾向がある。
  • フィンガリングノイズが出にくいと同時に、ピックスクラッチの音が出しにくい。
  • 価格が非コーティング弦よりも高価。

コーティング弦の最大のデメリットは、非コーティング弦に比べ音抜け、立ち上がりが悪くなる点。

ただし、その分音の角がとれて丸く柔らかい音になるので、考え方次第ではプラスに捉えることもできます。

また、些細なことではありますが、フィンガリングノイズが出にくいのと同じ理由でピッキングスクラッチが出づらくなります。

これはコーティングの厚みが影響しており、コーティングが薄くワウンド弦の凹凸に対してぴったりくっついていれば、これらのデメリットも出にくくなります。

気になるようであればエリクサー弦のナノウェブなどコーティングの薄いものを試してみると良いでしょう。

コーティング弦の特徴 まとめ

総合すると、コーティング弦はこういう方に向いていると言えるでしょう。

  • 弦交換が苦手!張り替える回数を減らしたい。
  • たまにしか弾かない楽器を弾こうと思うと毎度弦が錆びている人。
  • 運指やスライドがなめらかで、フィンガリングノイズが出にくい弦がいい。
  • コーティング弦の独特なウォームで柔らかい音が好き。

逆にいえばこういった方でもなければ、わざわざ使う必要もないともいえるかもしれません。

コーティングの厚みにもよるとはいえ普通の弦と比べクセやデメリットがありますし、長持ちとは言っても倍以上の価格で必ずしも倍以上持つわけではありませんから。

ただ、コーティング弦の快適さに一度はまった人はもうコーティング弦以外は使えなくなりますね。

クセがあるということは、それだけ他にない魅力もあるということ。

ギタリストやベーシストはもちろん、まだ使ったことのない楽器店店員志望のみなさんもぜひ一度試してみてください。