オクターブチューニングが必要な理由
エレキギターやベース調整の最終仕上げとして行われるオクターブチューニング。
でもなんでやるのかよくわからないって方も多いのでは?
わざわざやらずともそんなに大きな問題はない場合もあります。ただ、それは最初にやってあったオクターブチューニングがある程度効いているだけで、本来ある程度定期的に、または特定のタイミングで行うべきなんです。
特に弦高変えたり弦の太さを変えたあとはオクターブチューニングをチェックし、必要であれば調整した方が良いでしょう。
オクターブチューニングの役割
そもそも、オクターブチューニングはフレット楽器につきもののピッチの誤差を補正するために行われています。
順を追って解説します。
まず最初に0フレットであるナットとブリッジ、つまり解放弦でチューニングしていますから、解放弦の音程はバッチリなはずです。
それ以降、各フレットは半音ずつ音程が上がっていくように打たれているのですが、
- 弦を押さえる指の力。
- フレットと弦との距離。
- フレットやフレット頂点位置の誤差。
などの要素により微妙にピッチが合いません。
ピッチのズレはナットから遠くなるほど=ナットからハイフレットに向かうほど大きくなっていきます。
このズレを補正するための調整がオクターブチューニングなのです。
弦を直接押さえないで音程を変えるハーモニクスはフレットにも押弦に依存しないため、こうしたピッチのズレがありません。
むた、ギターは22フレットや24フレット仕様が一般的で、12フレットは大体その中間。さらに言えば12フレットの位置はスケール(弦長)の中央に当たります。
それで、全体的なオクターブチューニングを合わせる意味でも12フレットハーモニクス音に実音が合うように調整するのです。
ただこの方法には一つデメリットがあります。
12フレットでオクターブチューニング調整をすると、今度は12フレットから遠いフレットほどピッチのズレが大きくなるのです。
フレット楽器は元よりピッチが合わない
実のところ、ギターやベースなどフレットの打ってある楽器は細かいピッチは合わない楽器です。
ギター、ベースに限らずウクレレやバンジョー、マンドリンなど、フレットがある楽器は全て同様に細かいピッチは合いません。
そもそも弦を押さえる力は同じ人でも日によって微妙に違いますし、張る弦の太さによっても変わります。
フレットの磨耗により削れていけば頂点の位置だって変わります。
しかしサドルの位置で補正しようにも、サドルの位置は1か所なので全てフレットにぴったりと合わせることは不可能。
だけど全てのポジションでズレた状態でもしょうがないから、せめて全体的にズレが少なくて済むように12フレットでオクターブチューニングを合わせる、それがオクターブチューニング調整です。
微妙なピッチのズレは構造上仕方ないものと割り切ってガマンするか、ギターなんぞへし折ってピアノでも始めましょう。
そもそも非常に微小なピッチのズレなので、ガマンしようと思うほど気づく人も少ないかと思いますが……
どうしても納得いかない方は、弾いたフレットに合わせてサドルが動いて自動的にピッチを補正するアクティブなブリッジシステムでも開発してください。
(そんなロボットブリッジ出たらカッコいいんだろうな。でも演奏中にブリッジでモーターとか機械動かすのはノイズがすごそう)
オクターブチューニングが必要な理由 まとめ
- ギターやベースなどフレットのある楽器は構造上細かいことピッチの誤差が出る。
- その誤差を補正するのがオクターブチューニングを調整する理由。
フレットのないバイオリンや弦バス、フレットレスベースなんかは自分で音程を調整できるのでいいのですが……
そもそもフレットレスな楽器は音程を合わせられるようになるまでに長い練習が必要。
その点誰でも簡単にある程度正確な音程が出せる点はフレット楽器の利点ですね。和音(コード)も出せますし。
そういった利点のためのフレット楽器なので、ギターやベースの細かいピッチは合わないものとして割りきりましょう。
正直、そんな細かいことを必要以上に気にするより、ちゃんと練習した方がいい音でますよ。
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