FENDER系ギター・ベースのネック反り調整@トラスロッド【ストラト・テレ・ジャズべ・プレベ etc…】
ストラト、ジャズべなどFedner系エレキギター・ベースのネック反り調整
ストラトやジャズべなどFender系のギター・ベースも、トラスロッドによるネック反りの調整のやり方自体は基本的に他のギター・ベースと同じです。
特に実際に回すトラスロッドのナットがヘッド側にある場合はただ順反りで時計回り、逆反りで反時計周りに回すだけ。
※順反りを直すときは弦を緩めるのを忘れずに。
しかし厄介なことに、ヘッド側にロッドナットがないギター・ベースは反り調整の際にネックをはずす必要があります。
Fenderでも特に50年代や60年代仕様は基本的に全てネックを外さないとトラスロッド調整ができません。
今回はネックの外し方から、反りの調整、ネックの戻し方までワンストップで解説します。
ストラトのネック反り調整全体の流れ
1.ネックをはずす
2.トラスロッドを締める or 緩めてネック反りを調整
3.再度ネックをつけてチューニングして反りを確認
4.まっすぐなら完了、まだ反りがある場合1に戻る
全体の流れは上記の通り。
一番のポイントはなんといってもネックの外し方と再度の取り付け。
ネックジョイントはボルトオンタイプエレキギター・ベースの根幹となる部分。
理屈を理解して慣れてしまえば難しいことはありませんが、一つ一つの工程を手順を守ってしっかりと行いましょう。
ネックを外し&反り調整に必要な道具
ネックを外す必要があるFender系のギター・ベースを反り調整の際、最低限必要な道具を紹介します。
・大きめのプラスドライバー
・大きめのマイナスドライバー
・カポタスト(必須ではないがあると便利)
カポはともかく、必須なのは上記ドライバー二つだけ。
プラスドライバーはネックとボディーを留めているネジのつけ外しに使います。
マイナスドライバーはロッドナットを回して調整する際に使います。
ロッドナット回す時はプラスドライバーではなく大きめのマイナスドライバーを使います。
ナットの溝は十字に切られてはいますが、プラスドライバーではナットの溝のはまりがあまく、意味をなしません。
大きめのマイナスドライバーでガッチリはめて回すのがオススメです。
しかし普通のドライバーでは力が入りにくいので、可能であればオフセットドライバーを用意するといいでしょう。
本来は普通のドライバーが入らない狭いところのネジを締めるためのものなのですが、この形状のお陰でてこの原理が働き、ロッドナットのような固いネジも小さい力で楽に回すことができます。
ネックエンドにロッドナットがあるギターやベースをお持ちの方にはかなりオススメです。
カポは必須ではありませんが、ネックを外す時にあるとかなり便利。
詳しくはすぐ後のネックはずしの項目で詳しく解説します。
ネックをはずす際の注意点 – 必ず弦を完全に緩める –
ネックを外す時は必ず弦を完全に緩めてからネジを外します。
チューニング時、ネックは常にすごい張力で弦に引っ張られているため、ネジを緩めていくうちに弦にネックを持っていかれます。
ケガやネック、ギター・ベース破損の原因になりますので、必ず外しましょう。
弦がペグから外れないようにカポをつけると楽!
ネックを外す時、弦をギターからずす必要はありません。
(むしろ張ったり外したり面倒なだけ)
ただ、弦を完全に緩めた上にネックをはずすとペグ穴から弦が外れてしまうことも。
これを防ぐ方法として3フレット辺りにカポを噛ます裏技がオススメ。
ストラトなどFender系のギターで多い縦穴式のペグでも、そう簡単には弦がはずれなくなります。
(楽器店の店員にとってはカポは演奏用品ではなくメンテナンス用品だったり)
最近はカポも安くて数百円で手に入りますし、演奏では使わない方でも一つ持っておくと何かと便利です。
弦を緩めたらネックをはずしてしまいましょう。
プラスドライバーのサイズがあっていないとネジの頭をなめるので注意。
外したネックを戻すときにはネジを締める順番に気を付ける必要がありますが、はずす際はさほど気にしなくて大丈夫です。
肝心のトラスロッドの回し方
さて、肝心のネック反りを直すためのトラスロッドの回し方です。
順反っている場合は時計回り=右回りに締めて、逆反っている場合は反時計回り=左回りに緩めてやります。
トラスロッドを回す方向は基本的にはギター・ベースの種類に関わらず共通です。
最終的にはチューニングをして弦に引っ張られた状態でまっすぐになるところを目指します。
チューニングをすると弦のテンションにより若干順反り気味になりますので、弦を張っていない状態で少し逆反った状態にしましょう。
なぜロッドを締めたり緩めることでネックの反りが直るかについてはギター・ベースのトラスロッドによるネック反り調整の方法と手順でも詳しく解説しています。
気になる方は併せてどうぞ。
ロッドナットを回す量の目安
トラスロッドの効き方の善し悪しにも個体差が結構あるため、回す量については一概に言えない部分はあります。
(ネックの木材や目の出方による硬度の差やロッド埋め込みの精度などの違いのため)
一応目安としては、半周や4分の1周ずつ回してはチェック、回してはチェックがオススメ。
反りがよほどひどくない限りいきなり1周も2周も回すのはオススメしません。
トラスロッド自体が力技でネックを曲げていてネックにそれなりに負担がかかっているので、無駄に動かしすぎない方がいいのです。
何度か繰り返しているうちに「 このネックならこれくらい回せばこれくらい反る 」感覚がわかるようになるので、それまでは少しずつ試してはチェックしてみることをオススメします。
ネックを再度つけるためネジを締め始める際の注意
トラスロッドの調整が終わったら、ネックを再度付けてやります。
(本当に終わったかどうかはちゃんとネックをつけ、弦を張ってチューニングをしてみないとわかりませんけど)
ネックとボディーをつけるネジは木ネジと呼ばれる先のとがったドリル状のネジです。
そしてこれを受けるネックの木なので、何も考えずに締めると最悪ネジ穴がバカになってしまいネックをつけられなくなってしまいます。
木ネジは最初の一回を除き、常にすでに掘られているネジ穴にはめて締めます。
具体的なやり方は、ネジを穴の上に軽く乗せてドライバーで緩める方向=左回り(反時計回り)にゆっくり回すこと。
すると一周以内にゴトっと落ちる手ごたえがあり、これが「 もう締めはじめてもいいよ 」の合図。
手ごたえを確認してから時計回りに締めましょう。
この辺りは下記記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
ネジ締めの順番
ネックをつける時にもう一つ気をつけないといけないのが、ネジを締める順番。
例えばストラトなどで一般的な4つ留めのジョイントの場合。
ネックを固定する時のネジ締めの順番は一つのネジを入れたら対角線上のネジを入れ、距離の遠い隣のネジを入れてまた対角線上にあるネジを入れるのが鉄則。
遠くへ遠くへ、なるべく今あるネジの影響を受けていない場所=ネジの力が少ない場所から締めるのがネジ締めの基本なのです。
ネジが3本の場合、いわゆる3点留めの場合は長い辺の長点にあるものから始めるとよいでしょう。
また、一本ずつ完全に締めていくのではなく、あと一周程度ってくらいは残しておいてから上記の順番で一本ずつ完全に締めます。
そして最後にもうひと押し、締めてやります。(いわゆる増し締め)
一本ずつ完全に締めてしまうとネジの締まり方に偏りが出てしまうため。
全体的に少しずつネジを回すことで、より均等に締めることができるのです。
なお、外す時は均等も何もないので別にそこまで気にしなくてもいいのですが、もし気になるなら上記順番の逆で外すといいでしょう。
ストラトキャスターなどFender系ギター・ベースのロッド調整方法まとめ
・ネックが順反りの場合は時計回りに締め、逆反りでは反時計周りにロッドナットを回す
・ストラトキャスターやジャズべースなどFender系のギター・ベースでロッドナットがヘッド側にない場合はネックをはずす必要がある
・ネックを外す際は、必ず弦を完全に緩めてから行うこと(弦を完全に外す必要はない)
・ネックを再度取り付ける際、ネジの締め方と締める順番に注意する
ネックの反り調整自体難しそうなのに、ネックを外さないといけないなると、なんだか難しそうに感じるかと思います。
実はトラスロッド調整自体は慣れてしまえばそこまで難しいものではありません。
日本は四季があって湿度など環境変化が多く、ネック自体は結構反るものです。
ご自身で難しいと感じる場合は楽器店に持ち込むのもありですが、ぜひご自身でもチャレンジしてみていただきたいものです。
なお、緩めるにしても締めるにしても限界があるので注意。
緩める方向にはどんどん緩めていくとただロッドナットがはずれてしまいます。
反対に、順反りを直すために締めていくと、ネックの中でトラスロッドがまっすぐに伸びきってそれ以上は締められなくなります。
こうなるともうトラスロッドで調整できるネック反りの状況ではなく、ネックアイロンなど修理が必要なレベルです。、
こうならないよう、長時間弾かない時は弦を少しだけ緩めておくなど日ごろから対策をしておくことをオススメします。
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