【Martinアコギ】トリプルオーは数字000? アルファベットOOO?
000ギター画像は画像 Martin公式ページより。
フォークギターの原型と基礎を造った Martin社。
同社の定番モデルといえばD-28などドレッドノートタイプと、000-28など000タイプです。
いわゆる「 トリプルオー 」モデルなのですが、この表記が数字の000なのかアルファベットのOOOなのか非常にわかりにくいのです。
正解は数字の000
- 0000(クアドラオー / グランドオーディトリアム)
- 000(トリプルオー / オーディトリアム)
- 00(ダブルオー / グランドコンサート)
- 0(シングルオー / コンサート)
000-28を含め、Martinモデル型番の「 0 」は数字のゼロです。
例えば000はトリプルオー、00はダブルオーと呼ぶので「 アルファベットのOOOでは? 」と思っていた方も多いかと思います。しかしそこは映画007のダブルオーセブンと同じで、数字のゼロをオーと読んでいるだけ。英語の文化です。
昔は日本の楽器業界もその辺りがよくわからず雑誌やカタログ、ホームページなどで000がアルファベットでOOOと表記されたりもよくありました。
が、近年は日本でも000など数字表記で統一されています。
なぜ数字の0なの?
000-28や00-18に代表される、いわゆるフォークサイズの0シリーズ。0の表記が数字なのにはちゃんと由来というか、理由があります。
マーチン社はギターを造り始めて少し経った1850年頃、「 ちゃんとギターのサイズや型番を決めて製造しよう 」ということで型番とサイズ・シェイプを規格化。
その際に、サイズを表す型番として1~3の数字を使います。3、2、1と数字が小さくなるにつれてサイズが大きくなる法則です。
その後さらに小さい4や5、そして最大サイズとして0モデルが登場。これがシングルオー、コンサートモデルです。
そして巨大化の波
そんなわけで5から0の中では0のシングルオーモデルが一番大きなモデルでした。
が、世は「 もっと大きな音を 」の時代に突入。ご存じの通り、アコギで音量を大きくするためには、基本的にボディサイズを大きくする必要があります。
そこでMartin社もシングルオーよりも大きなサイズを開発し世に送り出していきます。しかし当然0より小さい数字はなく、-1などマイナスの数字にするわけにもいかず。
それで、00、次は000、さらに0000と、大きくなるにつれて0を増やすスタイルをとったのです。
なんともわかりにくい0型番はMartinの苦肉の策だったともいえるでしょう。
結局「 もっと大きな音を 」求める世の中の流れは00や000では飽きたらず、アコギのサイズ巨大化競争は激化。Martin社のドレッドノートの登場でようやく人々の納得する音量を得て、ようやくの決着を見ます。
ドレッドノートの人気はすさまじく、000などいわゆるフォークシェイプのモデルは販売数が激減します。
が、後にエリック・クラプトン氏が000-42や000-28を愛用したことにより再評価され、今ではMartin社の000シェイプとドレッドノートシェイプがアコギの二つの原型として君臨しています。
OM-42などOMモデルは?
00や000などの表記がアルファベットではなく数字であることは先述の通り。
ですが、OM(通称オーエム)はOも含めてアルファベット表記です。
もとよりOMモデルはバンジョー奏者のペリー・ベクテル氏がMartin社に造らせたモデル。
依頼を受ける際にMartin側で「 ビッグバンドやアンサンブルで使う 」と認識し、完成したギターをオーケストラモデルと名付けます。
このオーケストラモデルを略したのがOMであり、そもそも0スタイルのサイズ法則とは違う名付けをされています。
それで、OMは数字ではなくアルファベット表記となっています。
まとめ:Martin 000は数字かアルファベットか
- 000や00、0などの「 0 」はオーと読むが、表記は数字のゼロ。
- Martinでは当初5~0の数字でサイズを表していたのが由来。
- ただし、OMは「 オーケストラモデル 」の略のため、表記がアルファベット。
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