密閉型スピーカーキャビネットを持つアンプの特徴・音響特性と扱い方

2017年7月26日

マーシャル1960など密閉型スピーカーエンクロージャーの音響特性は?

密閉型アンプの代表格はMarshall

ギターアンプ、ベースアンプのスピーカーにもいろいろあるのです。

マーシャルに代表される多くのギターアンプやベースアンプは、密閉型のスピーカーエンクロージャーとなっています。

(スピーカーエンクロージャー=スピーカーを収めている箱部分の構造)

前回は密閉されていない背面解放型のアンプの特徴と使い方をご紹介しておりますが、今回はその対とも言える密閉型の特徴・音響特性について解説します。

この記事のポイント!

ポイント1
マーシャルなどスピーカーの裏側が閉じているアンプを密閉型という
ポイント2
密閉型のサウンドは置き場所、置き方などに影響されにくい

初心者に向き?密閉型スピーカーエンクロージャーを持つアンプの特徴

密閉型ギターアンプ Marshall MG101CFXの裏

密閉型アンプの裏側(Marshall MG101CFX)

密閉型アンプはその名の通りスピーカーキャビネットの裏側も含め全て閉じているタイプのアンプです。

背面解放型のオープンバックに対しクローズドバックとも呼ばれます。

マーシャルのスピーカーキャビネット1960などのアンプ製品が代表例といえます。

他にもベースアンプでは密閉型のものが主流。

(ベースアンプの場合、厳密には密閉型の派生形であるバスレフ型が主流)

スピーカーキャビネット部分が密閉されているので、大音量でロッケンロー!しても内部の空気がクッションとなってスピーカーを傷めにくいメリットも。

これによってアンプ自体が壊れにくく長寿命になるのも密閉型アンプの特徴の一つです。

密閉型アンプのサウンド、音響特性

前回解説した通り、背面解放型のアンプは回折効果によって低音が打ち消されてしまうデメリットがあります。

その低音の回折を最も簡単かつ効果的に防ぐ方法が密閉型のスピーカーエンクロージャーのように塞いでしまうことなのです。

回折によって打ち消される音がない分、密閉型のアンプはサウンドとしては中低音の強い特徴があります。

この点が最大のメリットといえるでしょう。

もう一つのメリットは、密閉型は背面解放型と違い置き場所によって音の違いがほぼでない点。

壁との距離や空間的な反響を考慮する必要がないため初心者でも扱いやすいのが特徴です。

音響特性上のデメリットとしては、背面解放型のアンプに比べ若干音がこもったように聴こえてしまう点。

背面解放型のアンプの場合は割と小さめの音でもパッカーンと竹を割ったようなダイナミックなサウンドになる音響特性があります。

反面、密閉型のアンプの場合は特にボリュームを絞った時の小さな音量ではサウンドがいまいち抜けにくい点がデメリットです。

背面解放型アンプの特徴、回折などについては下記リンクよりどうぞ。

 

密閉型のアンプを背面解放型にする方法

すごく簡単に密閉型のアンプで背面解放型のアンプの音を試す方法があります。

ただ背面のパネルを取り外すだけ。

大抵のアンプはネジで留まっているだけなので、ドライバーだけあれば試してみることが可能。

(スピーカーキャビネットは背面にスピーカーケーブルなどの配線があるため不可能です)

ただし、ベースアンプで一般的なスピーカー面に穴のあるバスレフタイプは背面をあけても音がよくなることはほぼないでしょう。

バスレフ型はスピーカーエンクロージャー内部で複雑な反響を経てバスレフのホールから低音が出るように設計されています。

密閉型か背面解放型かを試してみる分には音の好みの違いなりますが、バスレフ型の裏をあけていい音になることはまずないでしょう。

(試してみる分には構わないでしょうけど)

密閉型スピーカーエンクロージャーを持つアンプの特徴 まとめ

・密閉型アンプは背面解放型に比べ中低音が強いメリットがある。

・ただし、比較的音がこもりがちになるデメリットも。

・アンプの位置によって音が左右されにくいため初心者でも扱いやすい。

アンプはスピーカーから音を出す物理的な道具なので、回路だけでなく全体の形状や設計、構造もサウンドに大きな影響を与えます。

以下リンクでご紹介する関連記事では背面解放型やバスレフ型、バックロードホーン型など他のスピーカーエンクロージャーのタイプについても解説しています。あわせてご覧いただけると幸いです。

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