【音痩せ対策】ボリュームペダル インピーダンスの選び方
ボリュームペダルのハイインピーダンスとローインピーダンス
ボリュームペダルには、前回解説したつなぎ方、つなぐ順番ともう一つ大事な要素があります。
ボリュームペダルにはハイインピーダンス仕様のモデルとローインピーダンス仕様モデルの二種類あり、つなぐ順番や機器によって適切に使い分ける必要があるのです。
(例 ハイインピーダンス:BOSS FV-30H / ローインピーダンス:BOSS FV-30L など)
何も考えず適当につなぐと音痩せやノイズの増加などに悩まされることになり、せっかく買ったボリュームペダルがお蔵入りになりかねません。
「 うわ、なんか難しそうだし読むのやめよう 」
とか思ったアナタ!ちょっと待ったー!
確かにインピーダンスは難解な概念です。
が、ボリュームペダルを選ぶだけなら大して難しく考える必要はありません。
今回はインピーダンスの概念はおいといてただの単語としてわかりやすく解説します。
管理人もインピーダンスアレルギーであまり触れているとカユウマになりますし、みなさんの啓蒙が溜まり過ぎて発狂されても困りますし……
基礎知識としてぜひお読みになっておいてください。
ボリュームペダル選び方の基本!
ボリュームペダルのインピーダンスは、
① ギター・ベースの直後につなぐ場合=ハイインピーダンスモデル
② 他のエフェクターを通過後につなぐ場合=ローインピーダンスモデル
③ センドリターン端子につなぐ場合=ローインピーダンスモデル
の3パターンのつなぎ方と選び方が基本。
ですが、実はつなぎ方によっては例外があります。
ボリュームペダルインピーダンスの判断基準
例外の前にまず判断基準を知っておきましょう。
ボリュームペダルのインピーダンスは、直前の機器がハイインピーダンスかローインピーダンスかで判断します。
- ①のパターン:ギター・ベースはハイインピーダンスなのでハイインピーダンス仕様。
- ②、③のパターン:エフェクターやセンドリターンのセンド端子はローインピーダンスなのでローインピーダンス仕様。
よって基本的には冒頭のパターンで間違いはありません。
例外① アクティブのギター・ベースの場合
ギター・ベースの直後につなぐ場合でも、アクティブのギター・ベースは出力がローインピーダンスなので、ボリュームペダルはローインピーダンス仕様のモデルが適合します。
アクティブの楽器はエフェクターを内蔵しているようなものなので、エフェクターの後につなぐ時と同じくローインピーダンスが適合するのです。
- EMGなどアクティブのP.Uを積んだエレキギター。
- ミュージックマンのスティングレイなどのアクティブベース。
- プリアンプ搭載のエレアコやエレキウクレレ。
などがアクティブギター・ベースの例。
ギター・ベースがアクティブかパッシブかは電池の有無でわかります。
一部LEDを光らせるためだけに電池が必要が機種もありますが、電池を抜くと音が出ないようであればアクティブのギター・ベースです。
例外② 前のエフェクターがトゥルーバイパスの場合
エフェクターの出力はローインピーダンスなので、この後に繋ぐ場合のボリュームペダルはローインピーダンスが基本。これは前述の通りです。
が、前につながっているエフェクターがトゥルーバイパス仕様の場合問題が生じます。
ギターとボリュームペダル間のエフェクターが全てトゥルーバイパス仕様の場合、全てオフにするとギターのボリュームペダルが直結された状態になってしまうのです。
例えばこのような配線の場合……
【エレキギター】→【エフェクター(オン)】→【ボリュームペダル】→【アンプ】
エレキギターから出た信号はエフェクターを通ってローインピーダンスにされるので、ボリュームペダルもローインピーダンス仕様でOK。
ですが、トゥルーバイパスはエフェクトオフの状態では入ってきた信号をそのままでアウトプットへ流してしまいます。
【エレキギター】→【エフェクターオフでバイパス】→【ボリュームペダル】→【アンプ】
これではエレキギターの直後にローインピーダンスのボリュームペダルをつないだ状態になり、音痩せやノイズの増加が起こってしまうのです。
間のエフェクターが一つでもオンになっていればいいのですが、全てオフにする場面があるなら対策が必要です。
対策
ボリュームペダルをセンドリターン端子につなぐ
最も簡単な策は、そもそもボリュームペダルの位置を変えてアンプのセンドリターン端子につないでしまう方法。
アンプのセンドリターン端子であれば【ギター・ベース】~【アンプ】間の状況に関係なくローインピーダンスのボリュームペダルでOKです。
楽器本体がアクティブでもパッシブでも問題ありません。
ただし、これはアンプにセンドリターン端子があることが前提条件。
また、アンプによってはセンドリターン端子が原音とエフェクトを並列される回路である場合があり、そういったアンプではそもそもボリュームペダルがきちんと動作しない場合もあります。
非トゥルーバイパスのエフェクターを一つかませる
BOSSのコンパクトエフェクターなど非トゥルーバイパスのエフェクターを間に挟むのも有効です。
これらのエフェクターはエフェクトがオフでもバッファー回路を通すので、出力された信号はローインピーダンスになります。
エフェクターでなくペダルチューナーでもOKなので、BOSS TU-3なんかも実用的でオススメです。
ボリュームペダル インピーダンスの選び方 まとめ
- ギター・ベースの直後につなぐ→出力がハイインピーダンス:ボリュームペダルはハイインピーダンスモデル。
- エフェクターの通過後につなぐ→出力がローインピーダンス=ボリュームペダルはローインピーダンスモデル。
- ただし、トゥルーバイパスのエフェクター使う時やプリアンプを搭載したアクティブの楽器を使う場合など例外もある。
- マスターボリュームとして使うのであれば、アンプのセンドリターン端子でローインピーダンスモデルを使うのが無難。
なお、今回はギター・ベースを主体に書きましたが、キーボードなどの電子楽器は出力がローインピーダンスなのでローインピーダンスのボリュームペダルが適合します。
出力がハイインピーダンスな楽器って実はあまりなく、ハイインピーダンス仕様のボリュームペダルは実質エレキギター・ベース専用のような感じですね。
しかも、マスターボリュームとして使うにはセンドリターンか他のエフェクターの通過後・アンプの直前につなぐ必要があるので、迷ったならローインピーダンスの方が無難。
アンプが対応している必要はありますが、ローインピーダンス仕様モデルをセンドリターンにつなぐのがオススメです。
他のセッティングにほぼ影響を受けないので断然楽です。
ハイインピーダンス仕様を使うのは後ろのエフェクトのかかり具合を調整したい時など、ちょっと特殊なテクニックの時くらいでしょうか。
こういった使い方やつなぐ順番による違いについて詳しくは下記関連記事より前回の記事をご覧ください。
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