音叉を使った二つのギターチューニング方法
音叉でギターをチューニングしてみよう!
前回で音叉の使い方をマスターしたところで、実際に音叉を使ったギターのチューニング方法を解説します。
ギターならエレキギターでもアコースティックギター(クラシックギターも)でも同じチューニングなので、全く同じやり方でできます。
ただ、楽器によって向いている音叉の音の聴き方だけは若干違います。詳しくは前回の音叉の使い方・聞き方の記事をご覧ください。
音叉チューニングは難しい?
音叉チューニングというと難しそうなイメージがありますが、前回も書いた通り音感は大して必要としません。
というか、音感に自信がないからこそ音叉を使っているんです。
管理人も音感なんて全くありませんが、音叉チューニングは全く問題なくできます。
二つの音を同時に出して、音程が同じかずれているかいないかがわかればいいだけ。
遠くにある二つの山をみて、どっちが高くてどっちが低いかわかればいいなんてレベルの話です。
このページを読んでもうまくできない場合は音感がないのではなく、単純にコツがつかめていないのと、管理人の説明が下手なせい。さーせん。
気を落とさずチャレンジしてみてください。
音叉でギターチューニング 基本的な流れ
ざっくりいうと、最初に音叉の音=A 440Hzとギターの5弦の開放弦=Aの音を音叉を使って合わせます。
実は音叉を使うのは5弦を合わせる時だけで、あとは5弦の音を基準に6弦と4弦を合わせ、4弦の音を基準にして3弦を……と、他の弦を基準に一本ずつチューニングしていきます。
なお、音叉を使ってチューニングを合わせる場合、まず音叉と5弦を合わせ、弦同士をハーモニクス音で合わせるのが最も一般的です。
実音(普通に弾いた音)で合わせる方法も説明しますが、ハーモニクスの方が断然わかりやすいのでまずはハーモニクスをマスターしておくと良いでしょう。
(ハーモニクスとは、特定のフレットの真上辺りで弦に左手で軽く触れた状態で右手でその弦を弾き、すぐに弦に触れている左手の指を離すことで出る『 ポーン 』という倍音のことです)
ハーモニクス音が出せない方はちょっと飛ばして実音チューニングへGO!
※以下フレットはFと表記します。
1.音叉+ハーモニクス音を使ってチューニングする場合
- 手順
- ① 5弦5Fハーモニクス音を音叉の音に合わせる。 (5弦)
- ② 6弦5F上のハーモニクス音を5弦7F上のハーモニクス音に合わせる。(6弦)
- ③ 4弦7F上のハーモニクス音を5弦5F上のハーモニクス音に合わせる。(4弦)
- ④ 3弦7F上のハーモニクス音を4弦5F上のハーモニクス音に合わせる。(3弦)
- ⑤ 2弦開放弦の実音を6弦7F上のハーモニクス音に合わせる。(2弦)
- ⑥ 1弦7F上のハーモニクス音を2弦5F上のハーモニクス音に合わせる。(1弦)
この音叉&ハーモニクスが、最も早くスマートにチューニングできる方法です。
注意点というかちょっと覚えにくいののが5番目の2弦解放と5弦のハーモニクス音ですね。
2弦と3弦のところだけ他の弦同士と音程の間隔が違うためイレギュラーで、6弦の7フレットハーモニクスと2弦解放弦を合わせる必要があります。
(開放弦=どこも押さえないでその弦を弾くことで、実音=要は普通に弾いた音を指します)
なお、2番目の手順にある6弦は要は5弦を基準にして合えばOKなので、後回しでも構いません。
ただし、2弦を合わせる時に6弦を基準にしますので2弦を合わせる前にはやっておく必要がある点に注意。
エレキギターの場合、まず最初は5弦5F上のハーモニクス音を出し、右手に持った音叉を叩いて耳に当てるかP.Uの上にかざして二つの音を出します。
その状態で左手でペグを巻くけば、片手に音叉を持ったままチューニングができます。
音が合っているかどうかの判断
音がきちんと合っているかどうかは、上記の組み合わせで二つの音を一緒に出した時の音のうねりで判断します。
音程がズレていると二つの音が重らずに『うねり』のような揺れている音が出るのです。
分かりづらいのは承知であえて擬音で表すと、
1.『 ほわわわわわわわわわわ 』(かなりズレている)
2.『 ほわーん ほわーん 』(1よりは近い)
といった具合。音が揺れて聴こえる周期が小さいほど二つの音がずれています。
最終的にきちんと二つの音程が合うと音がキレイに重なってうねりがなくなります。
慣れてくると『 ほわわわわわ わ わーん 』くらいでパパッと終わってしまいます。
が、最初の内は合わせる弦の音が基準の音よりも低いのか高いのかいまいちわからない方もいらっしゃると思います。
そんな方のためにアドバイス。
チューニングは低い音から高い音へ上げる=ペグを締めて行く方で音を合わせるのが基本です。
もし今の状態が高いのか低いのかわからない要であれば、一度極端に緩めて音程を上げながら合わせましょう。
少しずつペグを締めていけば、音の揺れやその揺れのペースがゆっくりになっていく=音が合っていくのを実感できると思います。
2.音叉とギターの実音でチューニング
手順
- ① 5弦開放弦の音を音叉の音に合わせる。 (5弦)
- ② 6弦5Fを5弦開放弦の音に合わせる。(6弦)
- ③ 4弦開放弦の音を5弦5Fに合わせる。(4弦)
- ④ 3弦開放弦の音を4弦5Fに合わせる。(3弦)
- ⑤ 2弦開放弦の音を3弦4Fに合わせる。(2弦)
- ⑥ 1弦開放弦の音を2弦5Fに合わせる。(1弦)
ハーモニクスを使わない場合、5弦の解放弦は同じラではありますが、音叉の音に対してオクターブ下。
なのでちょっとわかりづらいかもしれません。可能であれば5弦だけでもハーモニクスを使って音叉と合わせた方が楽です。
5弦が合ったら、後は左手で対応するフレットを押さえた状態で隣接する弦の開放弦を一緒に鳴らして、右手でペグを巻きます。
なお、4弦から1弦までは順番にそれぞれが次の弦の基準となるため順番に合わせる必要がありますが、6弦は5弦としか絡みがないため6弦を合わせるのはどのタイミングでも構いません。
音叉チューニング ギター編まとめ
・音叉&ハーモニクス音でのチューニングが早くてスマート!
・ハーモニクスが出せなくても、弦同士の音が合うポジションさえわかれば初心者でも手軽にチューニング可能!
音叉チューニングはいちチューナーを取り付けたり表示を待つ必要がないので、チューナーを使うよりも圧倒的に早くチューニングをすることが可能です。
管理人も手元に音叉がない時でもチューナーは5弦Aだけ合わせるためだけに使い、後はハーモニクス音を使って合わせていたくらい。
やはりハーモニクス音で合わせた方が楽器屋の店員っぽくてカッコいいですし、スマートですが、
・ハーモニクス音が出せない。
・周りの騒音や楽器・アンプの特性で倍音=ハーモニクス音が聴こえづらい。
などの際には実音で合わせた方が楽なので状況に合わせて使い分けられればベスト。
ハーモニクス音が出せない方は、基本的な演奏技術として出せるようになった方がいいでしょうが、ギター・ベースなどのLM楽器の専門ではない方がチューニングをする場合も出てくると思います。
そういった方でも簡単にできるという意味では実音チューニングも手軽なチューニング方法として優秀です。
最近はヘッドに取り付けるだけで使えるクリップチューナーの反応速度・精度も上がり、音叉を使う楽器屋店員も減ってきています。
が、音叉はポケットに入れておいても全くかさばらないし、いちいちチューナーを取り付ける必要もありません。
楽器屋の店員になりたい方ならこれくらいはスマートにできるようにしておきたいところです。
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