音叉の使い方と音の聴き方
音叉の使い方・音の聴き方を知ろう
近頃はクリップチューナーの普及もあって以前よりもチューニングの手間がぐっと減って、楽器店でも音叉の出番はどんどん減ってきてはいます。
が、やはり楽器屋の店員たる者、素早くチューニングできる音叉の使い方はマスターしておきたいもの。
今回は使ったチューニング方法の前にまず、音叉の使い方について解説します。
音叉とは
音叉とはいつも同じ音程の音がする金属製の棒です。
エヴァンゲリオンのロンギヌスの槍みたいな感じでに先が二又に分かれています。(投げてもグルンはしません。っていうか投げないでください)
なお、ギターやベース、ウクレレなどいわゆるLM楽器の場合はA=440Hzのものを使いましょう。
A=442Hzは管楽器やバイオリンなどオーケストラなどで使うような楽器で使います。
音叉の音の出し方
まず音が出せなきゃ話になりませんよね。
音叉の二又に分かれていない方(画像右側)を持って二又に分かれている部分を机の角など硬い場所に叩くと、音叉が振動して音が鳴ります。
ちなみにもし近くに叩けそうなものがない場合は、自分の膝でも叩けば音が鳴ります。
ジーパン越しくらいなら鳴るので 裸族じゃない人でも 大丈夫ですよ。
ただ、共鳴箱がついた据え置き型の音叉ならそれなりに音が鳴りますが、画像で挙げたような手持ちの音叉は小型のため、音はかなり小さいです。
ただ、その小ささと価格が安い点が音叉を使う一番のメリットでもあります。
しかし聴き方・使い方を知っていないと最初の内はちょっと戸惑ってしまうかも知れません。
いくつか音叉の音の聴き方を挙げておきましょう。
音叉の音の聴き方
1.耳に近づけるor押し付ける
音叉の音を聴くには色々なやり方がありますが、最もオーソドックスなのはやり方は耳に近づけること。
音叉は二又に別れている辺りが振動して音が鳴るので、この二又の部分をこの部分を耳に近づけます。
しかし、このやり方は実はあまり聴きやすくない上に、髪の毛に触れるとチリチリと雑音になったり、音叉の振動そのものが止まってしまうことも。
ただ近づけるりも耳のすぐ下など耳の付け根付近に、音叉の丸い方を押し付けると聴こえやすいです。
ただし、二又の方に触ってしまうと音叉の振動が止まって音がやむので、反対の丸い方を耳に付けます。
耳周辺に付けるだけでも聴こえますが、なんなら耳の中に丸い部分を突っ込むのもありです。
骨伝導なのでアンプその他の音で周りがうるさくても聴こえやすいGOODな方法です。
2.音叉を噛む
非常にシンプルです。音叉を噛むやり方です。
音叉を振動させたら、音叉の丸くなっている付け根辺りを上下の前歯で挟むように噛むだけ。
管理人もよくやっているやり方で、一番のオススメです。鉄分も摂れて一石二鳥ですよ。(※多分摂れません)
耳に押し付けるのと違って両手もフリーになるので、チューニングも楽々です。
(もちろん衛生面の問題もあるので、自分専用かカワイイあのコの音叉を使う時だけですが……)
ただ、この方法を知る人は意外と少なく、ビックリする人が多かったのが難点ですね。
管理人も別に楽器店で先輩とかに教わったとかでなく、知り合いのストリートミュージシャンがやっているのを見て真似してみただけですし。
音叉を噛むという行為に抵抗がなければぜひ一度試してみてください。
3.ピックアップマイクに拾わせる(エレキギター・ベースの場合)
エレキギターやベースなど、マグネティックP.Uが搭載されている楽器の場合、P.Uに音叉を近づけることで、音叉の音を拾わせてアンプから出すことができます。
マグネティックP.Uが弦の振動を音の信号に変換するのと同じ原理で、音叉の音も拾うというわけです。
基本的にリアP.Uが弦に近く音叉の音をよく拾うので、リアP.Uを使うのが良いでしょう。
近づける時は音叉でP.Uを指すような感じではなく、音叉をP.Uの上あたりで弦に並行にかざすような感じで向けた方が音を拾いやすいです。
なお、音叉は磁石にくっつくので、ある程度近づけるとP.Uに引っ張られてしまいます。
磁力に引っ張られて弦にぶつけると音叉の音が途切れるので、距離を保つようにしましょう。
この方法であれば、5弦5フレットのハーモニクス音を出した後、右手で持った音叉を叩いてそのままリアP.Uの上にかざし、左手でペグを回す、といった感じでチューニング可能です。
ちなみに、エレアコでもマグネティックP.Uを積んでいれば同様に音叉の音を拾わせることが可能です。
4.アコースティックギター・ウクレレの場合
アコースティックギター、ウクレレなどボディーに空洞が楽器の場合は、音が出ている状態の音叉をギターのボディーに軽く当てるだけで音が共鳴して聴こえやすくなります。
耳につける時と同様、持ち手の端にある丸くなっている部分を当てましょう。これで楽器全体に音が響いて、かなり聴こえるようになります。
箱ものであれば通用する方法で、アコギ、ウクレレの他にもクラシックギターはもちろん、多少音は小さくなりますがセミアコなんかでもいけます。
アンプに繋ぐことができるエレアコやウクレレの場合、大抵サドルの下にピエゾピックアップという振動を音に変えるピックアップが入っています。
そういった楽器の場合、サドルの近くに音叉を当ててやれば音を拾ってアンプから音が出ます。
但し、当てる強さでキズやヘコミを残すことがあるためこのやり方はあまりオススメはしません。
自分の楽器ならともかく、調整などでお客様より預かった楽器や、商品にはこの方法は使わない方が良いでしょう。
5.空洞の箱状のものに響かせる
出る音自体はそこまで大きくなるわけでもないので、あまり実用性はないやり方ではありますが、一応……
引き出しのある机などある程度空洞のある箱状になっているものに音叉を当てると音が響きます。
共鳴箱付の据え置き型の音叉と同じ原理ですね。中が空洞で共鳴すればなんでもOKです。
音叉の使い方まとめ
以上、音叉の使い方と音の聴き方について解説しました。
音叉を使うチューニングと言うと『 音感が必要なんじゃないか 』と身構えてしまう人が多いのですが、実際音感はそれほど必要ありません。
2つの音を聴いて、その二つの音が同じ音かずれているかがわかればOK。
しかも、A(ラ)でチューニングする弦をこの音叉の音に合わせて後はその弦を基準に他の弦のチューニングをするので、実際音叉に合わせるのは1弦分だけです。
何よりも慣れが大事なので、まずは今回の記事を参考に自分に合った音叉の音の聴き方を見つけましょう。
実際に音叉を使っての楽器のチューニングの仕方についても解説していますので、下記関連記事よりどうぞ!
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