エレアコ用ピックアップの種類

2015年10月2日

さまざまなエレアコのピックアップタイプとオススメ

アンプにつないで音が出せるエレクトリックアコースティックギター、通称エレアコのピックアップには様々な種類があります。

また、どういった時にどのタイプのピックアップがオススメかも併せて紹介しますので、これからピックアップを後付けしたい方もぜひどうぞ。

ピエゾピックアップ

コンタクトタイプとアンダーサドルタイプのピエゾピックアップ

コンタクトタイプ(左)とアンダーサドルタイプ(右)のピエゾピックアップ

ピエゾピックアップとは、音=空気の振動ではなく、振動そのものを拾い電気信号に変えるピエゾ素子を使ったピックアップです。

主に使われるピエゾピックアップには2種類あり、ブリッジサドルの下にピエゾ素子を仕込むアンダーサドルタイプと、ボディーに貼り付けるコンタクトタイプ(コンタクトマイク)とに分けられます。

どちらも他のピックアップに比べ弦の素材やサイズなどの制約が少なく、鉄弦のフォークギターばかりでなく、ウクレレやクラシックギターよく使われます。

どちらかと言えばアンダーサドルタイプの方が主流ですね。

実際、最初からエレアコとして販売されているモデルのほとんどはアンダーサドルタイプのピエゾピックアップが取り付けられています。

ですが、コンタクトタイプは加工無しでボディーなど振動する部分に張り付けるだけで使用可能なものもあり脱着が簡単で価格がお手頃なこともあって、持っている生ギターを一時的にエレアコ化する簡易ピックアップとしても人気です。

サウンドとしては立ち上がりが早く、アタックの強い硬質な音色になる傾向があります。

マグネティックピックアップ

エレアコ用マグネティックピックアップ(Fishman-BLACKSTACK)

エレキギターのピックアップと同じく、磁石とコイルからなるタイプのピックアップです。

弦の真下にピックアップが配置されるよう、バー状のピックアップをサウンドホールに取り付けて使用します。

サウンドとしてはやや立ち上がりが遅く鈍重な一面もありますが、全体的に柔らかく暖かい音色で、ある意味アコギらしい深みがあると言えます。

ただし、エレキギターに使われるニッケル弦に比べアコギのブロンズ弦はマグネティックピックアップへの反応が鈍いため、音を拾う効率があまりよくありません。

また、磁石とコイルが入るためそれなりに大型で重量があり、サウンドホールに取り付けるため生音にも影響を与えてしまうデメリットがあります。

外観上どうしても見えてしまう点を嫌がる方も多いですね。

しかしホール部分の特別な工具や加工などなしにフチに挟むだけで取り付けが可能で、脱着が簡単な点は大きなメリットと言えるでしょう。

ブリッジの底面に穴を開けたりサドルを削って弦高を調整する必要があるアンダーサドルタイプのピックアップとは違い、取り付けに特に加工は不要

コンタクトマイクと同じく脱着により一時的にエレアコ化するような簡易的な使用も可能です。

コンデンサーマイク

エレアコ用コンデンサマイクピックアップ(Fishman-ACOUSTICMATRIX)

コンデンサーマイクタイプのピックアップ

コンデンサーマイクをピックアップとしてアコギのボディー内に仕込むタイプのピックアップです。

ピックアップマイクというか、そのまんまの意味でマイクをボディー内に内蔵させるってことですね。

ただし、音量を上げるとハウリングを起こしやすい弱点があり単体でアコギの音を拾うには向かない弱点があります。

が、ピエゾピックアップやマグネティックピックアップでは拾えない全体の空気感をよく捉える特徴があります。

そのため、ピエゾピックアップやマグネティックピックアップをメインにコンデンサーマイクをサブとして、といった組み合わせて使うのが一般的です。

エレアコ用ピックアップの種類まとめ

・ピエゾピックアップは振動そのものを信号にするピックアップで、サドルの下に仕込むアンダーサドルタイプとボディー貼り付けるコンタクトタイプがある

・ピエゾピックアップの音は硬質でアタック感が強く、立ち上がりの早い傾向

・マグネティックピックアップはエレキギターと同じ構造でできており、デメリットも大きいが取り付けに加工が必要ない点が特徴

・マグネティックピックアップの音は柔らかく深みがある傾向

・コンデンサーマイクは文字通りマイクそのものをボディー内に仕込み音を拾うピックアップで、ハウリング等が起こりやすいためメインではなく補助的に使われることが多い

・コンデンサーマイクは弦の振動だけでなく跳ね返った音など音を全て拾うため、アコギらしい空気感を演出しやすい

これらの他にもエレアコ用のピックアップはあります。

が、現状よく使われているのは今回挙げたアンダーサドルタイプとコンタクトタイプからなるピエゾピックアップマグネティックピックアップコンデンサーマイクで、そのほかはあまり一般的ではありません。

基本的にはこの3つだけ憶えておけば問題はないでしょう。

なお、これらのピックアップは単体だけでなく、複数組み合わせてミックスさせることもあります。

そのような使い方も有ると憶えておきましょう。