【トゥルーバイパスのライバル?!】バッファードバイパスの特徴とメリット・デメリット
電子式スイッチによるバッファードバイパス
前回トゥルーバイパスの特徴とメリット・デメリットについて解説しましたが、『 そもそもトゥルーバイパス以外に何があるの? 』って方多いかと思います。
細かい違いもあげればいくつもありますが、中でもトゥルーバイパスに並んで主流なのが電子スイッチ切り替えによる『 バッファードバイパス 』。
バッファードバイパスは有名なところではBOSSのコンパクトエフェクターや、多くのマルチエフェクターで採用されています。
トゥルーバイパスに負けず劣らず、かなり多くのエフェクターに搭載されているバイパス・エフェクターのオン・オフスイッチング方式です。
(なぜかトゥルーバイパスに比べ知名度は劣りますけど)
今回はこのバッファードバイパスについて解説します。
バッファードバイパスってどんなもの?
バッファードバイパスとは、エフェクターがオフの時でも内部のバッファーアンプ回路だけは通してアウトプットするバイパス方法です。
もともとエフェクター回路にはバッファーアンプ回路は欠かせません。
が、よく知られているトゥルーバイパスはエフェクターオフ時にはバッファーアンプ回路は通らないようにします。
(他の回路を全く通らず完全にバイパスされるからトゥルーバイパス)
こうしてインプットから入ってきた原音をそのままアウトプットするトゥルーバイパスとは違い、バッファードバイパスは一度バッファーアンプ回路を通すところが特徴。
バッファーアンプ回路とは簡単に言ってしまえば『 増幅倍率1倍のブースター 』です。
つまり、1で入ってきた音の信号ならそのまま1で、10で入ってきた音ならそのまま10で出力するだけ。
…… あれ?それってトゥルーバイパスと何が違うの?
と思いますよね?
全然違います。
そもそもバッファーアンプ回路とはなに?
バッファー回路とは音量や音色には手を加えない1倍のブースターでありながら、音の信号を電気的に保護してくれる働きがあります。
(以下、バッファーアンプ回路をバッファーと表記します)
ギターやベースの生の音の信号って、ピックアップと弦の振動による電磁誘導作用で発電された電気信号なんですけど、これがかなり弱々しい。
これをそのままアンプに伝送させると、インピーダンスやらS/N比がうんぬんとかで信号が劣化しやすく、ノイズが乗りやすい状態。
いわなる音やせが起こり、シールドが長くなるとその弊害が顕著に表れます。
前回の記事でもふれましたが、トゥルーバイパスでの切り替えの場合、この辺りの問題がデメリットとなります。
が、バッファー回路をかませてあげることによってこの問題を解決することができます。
バッファードバイパスのメリット
バッファードバイパスのメリットは、ケーブル長が長くなったり接点が増えても音やせ・ノイズに強くなる点。
先述の通りトゥルーバイパスの場合もエフェクターオン時はバッファー回路を通りますが、オフ時は一切通りません。
なのでエフェクターをたくさんつないで接点が増え、実質接続長が長くなると抵抗によって音やせし、ノイズを拾いやすくなります。
バッファードバイパスの場合はエフェクターオフ時でもパッファー回路を通って電気的に保護するので、音やせやノイズに強くなるのです。
バッファードバイパスのデメリット
バッファードバイパスのデメリットは、『 エフェクターオフ時にもバイパス回路を通る 』ため、完全に原音のままではない点。
いくらバッファー回路が原音を変えないように作られ音やせしないとはいっても、回路を通ってしまった以上厳密には完璧に原音のままとは言えないのです。
ただ、こんな風に書くと「 そんなんダメだ!やっぱりトゥルーバイパスがいい! 」と思う方も多いかと思います。
が、そもそも『 原音を守るためのトゥルーバイパス 』のせいで音が劣化していたら、そっちの方が原音からかけ離れているとも言えます。
最近は各社パーツにもこだわり全体の回路を高品位にしてバッファー回路もかなり高品位になってきていますし、影響は限定的。
むしろ非常にメリットの大きいスイッチング方法なので、安心してお使いください。
(というか真面目なはなし、電気回路としては本来バッファードバイパスの方が優秀といえます)
バッファードバイパスの特徴とメリット・デメリット
- エフェクターがオンの時でなく、オフ時にもバッファー回路を通るのがバッファードバイパスの特徴。
- オン、オフに関わらず信号が保護されるので、バッファードバイパスのエフェクターをつないでおくだけで音やせを防げる。
- バッファー回路を通ることで厳密には原音そのままとは言えない。
繰り返しますが、バッファードバイパスによるデメリットはささいなものというか、完全に気にしすぎなレベル。
トゥルーバイパス信仰というか、原音原理主義かってくらい気にする人が「 電子スイッチは~、バッファードバイパスは~、トゥルーバイパスなら~ 」と口にするのを時折聞きます。
もちろんトゥルーバイパスも優れたスイッチング方法ですが、特性をよく理解せず使い方を誤れば、原音なんて口にするだけ恥ずかしいことに。
何事もそうですが、トゥルーバイパスもバッファードバイパスもきちんと特徴を理解してうまく使うのが一番。
その他スイッチング関連の記事やエフェクターに関しての記事も書いておりますので、下記関連記事より併せてご覧になってください。
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