エレキギターヘッド各部名称と役割

2014年7月10日

エレキギターのヘッド周りの各部名称

エレキギター(ストラトキャスター・レスポールヘッド)各部名称
Fender社のストラトキャスターとGibson社のレスポールを例に、エレキギターのヘッド周りの各部名称と役割について解説。

各社のロゴが入っていることがほとんどです。

が、ロゴを配するのは副次的なもので、その存在意義はほぼペグを取り付けるためにあるといえるでしょう。

ヘッド周り各パーツの役割

ペグ

ペグ
ヘッドの最大の存在意義。それがペグです。

上でも書きましたが、ヘッドはペグを置くためだけに存在すると言っても過言ではないほど。

実際ペグをボディー側に配したギターも存在し、そのギターはヘッドがなくヘッドレスギターと呼ばれています。
(あまり流行ってはおらず、特殊な部類ですが)

ペグの役割はペグの一部であるペグポストに弦の片端を巻いて固定し、その張りを管理すること。

横に出っ張っているツマミを回すとペグ内部のギヤを経由してペグポストが回ります。

これによって弦の張りを強めたり緩めたりすることによって音程を合わせることができます。

音色への影響度はピックアップマイクやナット、ブリッジに比べれば高くありませんが、音程を司る場所であるためかなり重要度の高いパーツです。

ギブソン社の様にペグが左右に並んでいるものを両連、になっているタイプとフェンダー社の様に片連と言います。

両連でも3:3ではなく4:2にしているメーカー(ミュージックマンなど)もあります。

特に日本のGotoh製のペグがかなり人気で、かなりのシェアを誇っています。

豆知識ですが、ペグと呼ばれるのは日本くらいで、欧米ではマシーンヘッド(Machine Head)と呼ばれています。

ペグポスト

ペグの一部。弦を巻きつける柱です。弦を通す穴が空いています。ペグ横のツマミを回すことによって回ります。

ナット

無加工のナット

無加工状態のナット。機械では精度が出せないため、手作業で成形することがほとんど。職人の腕の見せ所。

ボディーにあるブリッジとともにこのナットと弦を支える支点の一つで、エレキギターやベースに限らず弦楽器の中でかなり大事なパーツです。

素材も音色に密接に関係しかなり大事な要素ですが、弦を保持するための溝が掘ってあり、この仕上げによってチューニングの狂いづらさが決まります。

ネックの状態が正常で開放弦でビビりが出る場合、ナット溝の状態が悪いということになります。

ナットの素材としてはもともと牛骨(加工するときめっちゃ臭い)が最もメジャーでしたが、近年では加工のしやすさとコストの安さからプラスティック製のものがかなり増えており、ある程度高いクラスでないと牛骨は見かけなくなってきました。

高級素材として象牙も好まれますが、ワシントン条約により輸入規制が入っているので製品ではほぼ見かけません。

他にもすべりが良い=アームを使う際に音程が狂いにくい ということでカーボンナットなんかも存在します。

チューニングを固定するロック式構造を持ったギターに使われるロックナットや、弦の溝がローラーになっているローラーナットなんていうものもあります。

この二つはパーツとして載せるだけなので、特にナット加工は不要です。

ストリングガイド

ストリングガイド

左側が丸形で、右側の二つある方がカモメ型

ストラトキャスターやテレキャスターなどいわゆるFender系のギターやベースの様にヘッドとネックに角度がついておらず、ペグが遠いため弦の角度が浅くテンションが稼げない場合に、ヘッド面向かって弦を押さえつけて角度をつけるためにあります。
主にの1,2弦についており、メーカーやモデルによっては3,4弦にもつける場合があります。

カモメ型(波型とも言う)と丸型があり、年代やモデルによって使用されるものが異なります。ベースの場合は、丸型以外はあまり見かけません。

トラスロッドカバー

この下にあるトラスロッドを調整するレンチを入れるスペースを隠すものですね。主にGibson系のエレキギターについています。

ギターのヘッド形状に合わせて様々なデザインのものが存在します。

豆知識ですが、ギブソン社のレスポールに使われているベル型のトラスロッドカバーは特許を取得しており、他のメーカーでは使用することができません。

各社、コピーモデルを造る時に意外と苦心する部分です。