スネアドラムの各部名称と役割
スネアドラムの基本知識・各部の名前
ドラムセットの中でドラマー本人の個性や求めるサウンドを最も表現しやすい楽器がスネアドラムです。
今回はそんなスネアドラムの各部名称と役割について解説します。
ドラムスティックやフットペダルを除けば、ドラマーがまず買うのはスネアドラムというのが定番。
ドラムセットをまるまる自身で持つ方は少なくとも、いずれマイスネアを持つという方はかなり多いので、ぜひスネアドラムについて理解を深めておきましょう。
シェル
シェルとは、スネアドラムの外周となる胴体部分を指します。
スネアドラム本体の大部分を占めるため、シェルの素材とサイズが本体のサウンドの傾向に直結します。
スネアドラム以外の太鼓の場合はウッドシェル(木製のシェル)が一般的ですが、スネアドラムにはメタルシェル(金属製のシェル)のものも多く、口径や胴の深さなどのサイズのバリエーションが非常に豊かです。
スナッピー
スネアドラムがスネアドラムらしい音をさせるために必須なのがスナッピーです。
前述の通りスネアドラムの音の傾向はシェルによって決まりますが、スネアドラムとしての音はほとんどスナッピーとヘッドによって造られていると過言ではない程。
コイル状の針金を複数並べてまとめたもので、スネアドラムの裏側のヘッド面(スネアサイド)に密着するようにかけられています。
スネアドラム自体は他の太鼓と構造的にはそう大きくは違いはなく、スナッピーのお陰であの独特な “タッ" “ジャッ"と言った歯切れいいサウンドになっているのです。
スナッピーの他にも響き線、蛇腹などとも呼ばれます。
ちなみにアメリカやイギリスなど英語圏の国々ではスネアワイヤー(Snare Wire)と呼ばれるのが一般的で、スナッピーではあまり通じません。
常時ヘッドに密着しているわけではなく、ストレイナーによってワンタッチでオン / オフが可能。
スナッピーオフの状態ではスナッピーがヘッドから離れ、外しているのと同じ状態になります。
消耗品で、使っているうちにコイルが伸びたり切れますので、交換が必要です。
素材や形状、並べる本数などが異なるさまざまなタイプのものが市販されており、それぞれ特徴がスネアドラムの音色にも影響を与えます。
ヘッド
ヘッドとは、スネアドラムに張られた皮の部分を指します。これはスネアドラムに限らず、全てのドラムにおいて共通。
打感に直結し、サウンドへの影響も大きい重要なパーツです。
スティックで叩く面(打面)をバターサイド、反対側のスナッピーがかけられる面をスネアサイドと呼びます。
スネアドラムで使われるヘッドは、バターサイドが白くザラザラにコーティングされたコーテッドタイプが一般的です。
裏側のスネアサイドはフィルムが薄めの専用に造られたのものを使います。色はクリアー(透明)なものが一般的。
ヘッドは消耗品で、演奏や経年劣化により音や打感が悪くなったり、最悪の場合破れてしまうこともあり、交換が必要です。
ストレイナー
スナッピーを固定し、オン / オフを操作するためのレバーがついたパーツです。
スナッピーを演奏する時にオフにすることはまずありませんが、
・他の楽器の音(特にベースなどの低音)でヘッドが共振し、ザラザラなってノイズになる。
・テンションがかかりっぱなしではスナッピーが伸びたり、シェルに負担がかかる。
などを防ぐため、演奏時以外はスナッピーをオフにしておいた方が良いでしょう。
リム(フープ)
リムとは、ヘッドをシェルに固定するための枠です。
一部特殊なモデルを除き基本的に金属製で、その素材や成形方法もスネアドラムの音に影響を与えます。
構造としてはただの枠の役割のはずが、リムショットというリムをヘッドと一緒に叩く奏法があり、よくスティックで叩かれる不憫な子です。
ラグ
テンションボルトを固定し、リムやヘッドを引っ張るテンションの支点となるパーツです。
セパレート型(冒頭画像)と一体型(シェルの項の画像)がありますが、どちらも役割は一緒。
テンションボルトを受けるため雌ネジになったラグナットが内蔵されています。
テンションボルト
このテンションボルトの締め方でヘッドの張力を調整し、チューニングを行います。
ボルトのトップ部分は四角になっており、チューニングキーと呼ばれる専用の工具を使って回します。
まとめ
スネアドラムに限らず、太鼓関係って極論円筒状のシェルに皮(ヘッド)張ってるだけという構造。
ですが、ヘッド一つとってみても非常に多くのバリエーションがあって、しかもスネアドラムの場合はスナッピーもあります。
スナッピーもまたその素材やコイルの本数などの違い・テンションの調整によっても音色が変わる奥が深いもの。
楽器についている以上、他のパーツも多少なりとも音色に影響します。
各部の名称ももちろんですが、それぞれが担っている役割についても把握しておくと良いでしょう。
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