ウッドシェルスネアドラム 木材ごとの特徴と音の違い
たかが木材。されど数多きウッドシェル
スネアドラムのシェル(胴体部分)には色々な種類の素材が使われていますが、中でも木材を用いたシェルを、ウッドシェルと言います。
音量の出しやすさでは金属胴のメタルシェルにはかないませんが、木ならではの柔らかく暖かみのあるサウンドと、ふくよかな倍音、そしてまとまりのある余韻が特徴です。
チューニングによっては耳につくほど響きがきつくなってしまうメタルシェルに比べまとまりがあり、扱いやすいとも言えるでしょう。
そして木の種類によってそれぞれ個性があり、スネアドラムのサウンドに影響を及ぼします。
今回はウッドシェルの木材ごとの特徴と音の違いについて解説します。
メイプル(Maple / 楓)
ウッドシェルの定番、メイプルシェルスネアドラム。画像はPearlのメイプル1ピースのもの。
メイプルはシェルに使われる木材としては比較的軽量で、硬度の高い白木です。和名は楓(カエデ)。
木材らしい暖かみはあるものの、硬い木らしくレスポンスが早く歯切れの良い明るめのサウンドが特徴です。
スネアドラムのシェルの素材としてもザ・定番ですが、エレキギターなど他の楽器でもよく使われます。
バーチ(Birch / 樺)
メイプルに続きもう一つの定番、バーチシェルのスネアドラム。
これまたウッドシェルのスネアドラムには定番の木材です。和名は樺(カバ)。
メイプルとは正反対の特性で、重く柔らかい材質。その分低音が強調された太めのサウンドが特徴です。
オーク(Oak / 樫・楢)
オークは非常に重く硬い木で、パワフルなサウンドが魅力。
オークは日本で言う樫(かし)や楢(なら)を指します。
非常に硬く重量のある木材で、スネアドラムのシェルに使った場合低音の効いた重厚でパワフルな音色に仕上がります。
パワーのある音色が良いけど金属特有の耳につく高音域はイヤ、と言う場合はオークがオススメです。
スネアドラムだけでなく、和太鼓の胴にもよく使われます。
ブビンガ(Bubinga)
パワフルなサウンドとエキゾチックな木目が魅力的なブビンガシェルのスネアドラム。
硬く重い木材で、低音がよく効いた重厚・パワフルなサウンド。
全体的にオークに似た傾向があります。
色が濃く動きの大きいエキゾチックな木目も特徴的です。
マホガニー(Mahogany)
マホガニーシェルのスネアドラム。
マホガニーは柔らかい木材で、その加工性の高さから家具などにも使われる優秀な木材です。
ギターなど他の楽器にもよく使われています。
ミドル~ローの音域が強調された柔かく角の丸いサウンドで、全体的に落ち着いた音色が特徴です。
全体的にバランスがよく突出した特性がない分、他のドラムとのバランスも取りやすく、扱いやすいという特徴も。
昔はスネアドラムのシェルによく使われていましたが、他の木材の台頭もあってそこまで多くは見かけなくなりました。
最近ではビンテージ風の音を狙ったスネアドラムのシェルに使われたり、他の木材と掛け合わせて使われることも多いようです。
ウォルナット(Walnat / クルミ)
ウォルナットは色が濃く硬い木材です。日本語で言うところのクルミの木ですね。
どちらかといえば中音域~低音域よりのメロウなサウンドですが、硬いだけあってアタック感があり、余韻の少ない歯切れの良いサウンドが特徴です。
実はシェルに使われる材としてはそこまでメジャーではなく、ウォルナットシェルのスネアドラムのモデル数はそう多くはありません。
まとめ
ある程度よく使われているというところでまとめたので他にも色々と使われている材はあるかとは思いますが、ざっくりと解説するとこんなところですね。
画像はなるべくシェルの木材がそのまま出ているものを選びましたが、実際には塗装されて全く違う外観も多いです。
なお、ウッドシェルの場合は1枚板の木材を使った1ピースのものもありますが、スライスして複数枚貼り合わせて使うことが多いです。
こういったものをプライシェルと呼び、例えば3枚貼り合わせで合板あれば3Ply(スリープライ)などと言います。
その場合種類の違う木材同士を貼り合わせてシェルを造ることも多く、その場合それぞれの特性を掛け合わせたサウンドとなります。
この辺りも頭に入れておくと良いでしょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません
日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)