ジャズマスターのプリセットスイッチとコントロールの使い方

2015年7月4日

意外と馴染みのない?ジャズマスターのコントロール

ジャズマスターのボディー
中音域の強調された独特なサウンドとオフセットボディーのルックスで人気のジャズマスター。

ジャズマスター(JAZZMASTER)は、FENDERの名機の一つとして多くのギタリストに愛されるエレキギターです。

しかし、その独特なコントロール配置とツマミの意味がよくわからない、なんて方も多いはず。

今回はその辺りを解説します。

なお、ジャガーと似ている部分も多いのですが、ジャガーとジャズマスターとではピックアップセレクターの部分の回路が異なるので別にまとめます。

2つのセクションからなるコントロール

ジャズマスターフロントピックアップコントロールとマスターコントロール

ジャズマスターのコントロールは、二つのセクションから構成されています。

まず、青い枠で囲った部分がスタンダードなマスターコントロール部。

もう一つが、スイッチをオンにしたときだけ使われるフロントピックアッププリセット部

ザックリ言えば

・マスターコントロール部はテレキャスター同様、通常のエレキギターのコントロールとして機能

・プリセットのスイッチをオンにするとマスターコントロール部の設定は無視され、強制的にプリセット部の設定を使ったサウンドに切り替えられる。

・プリセット部ではピックアップセレクターの設定に関わらず、フロントピックアップのみがオンになる

といったところです。順に詳しく解説します。

フロントピックアッププリセットコントロール部

ジャズマスターフロントピックアッププリセットコントロール

マスターコントロールの使い方は一般的なエレキギターと同じなので、まずは特徴的なプリセット部のコントロールから解説します。

ジャズマスターの最大の特徴はこのフロントピックアッププリセットコントとロールにあると言えでしょう。

まず、①プリセットコントロールのスライドスイッチをオンにするとフロントピックアップのみが音を拾い、リアピックアップはキル状態になります。

そしてプリセットボリュームとプリセットトーンの設定が効くようになり、マスターコントロール部の設定は全て無視されます。

当然ですが

②プリセットボリュームは音量を調整

③プリセットトーンは音色を調整

ちなみにオン / オフのスイッチは上下にカチカチとスライドさせるタイプのスイッチで、ボリュームとトーンは横に回すタイプのポットになっています。

フロントピックアップオンリーではありますが、スイッチ一つでマスターボリューム側とフロントピックアップのプリセットの二つのサウンドを使い分けられる仕組みになっています。

プリ=予め セット=フロントピックアップだけの設定をしておく

だからフロントピックアッププリセットなのです。

マスターコントロール

ジャズマスターマスターコントロール部

マスターコントロール部は①セレクタースイッチと②・③のマスターボリュームとトーンがあるだけのシンプルな構造。

ジャズマスターのコントロールはマスターコントロールに限ってみればテレキャスターと全く同じなので、エレキギターに慣れている人はここは適当に読み流して構いません。

①セレクタースイッチを傾けた側のピックアップを使用し、真ん中に立てれば両方のハーフトーンサウンドになる

②マスターボリュームは全体の音量を調整

③マスタートーンは全体の音色を調整

セレクタースイッチはギブソンのレスポールと同じタイプのものを使用しています。

リア側に傾ければリアピックアップ、フロント側に傾ければフロントピックアップと憶えましょう。

ボリュームノブとトーンノブは全体に効くマスターボリューム・マスタートーンとなっており、プリセット部のスイッチがオンになっていない限りこの二つのノブの設定が全体に効きます。

ジャズマスターのプリセットスイッチとコントロールの使い方 まとめ

  • ジャズマスターのコントロールは、一般的なマスターコントロール部と、フロントピックアップのみのサウンドになりプリセットコントロール部の二つの回路で構成される。
  • プリセットコントロールスイッチがオフの場合、通常のマスターコントロール部のセッティングが使用される。
  • この時、プリセットコントロール部のセッティングは無視される。
  • プリセットコントロールのスイッチがオンの場合、プリセットコントロール部のセッティングが使用される。
  • この時、マスターコントロール部のセッティングは無視され、ピックアップはフロントピックアップのみが使用される。

以上のようなところでしょうか。

プリセットはフロントピックアップオンリーにはなりますが、うまく使えば二つのサウンドを瞬時に切り替えることができる優れものです。

最近では自身の使い方に合わせ、配線を改造してプリセットのピックアップをリアピックアップやミックスサウンドに変える方も多いようです。

いずれにしてもサウンドバリエーションが増えて使い道もいろいろ考えられる面白いシステムなので、ぜひマスターして楽しんでほしいところです。