ダイナミックマイクの構造と種類・ムービングコイル型とリボン型

2015年9月25日

ダイナミックマイクの種類と構造

マイクを2つに大別するとダイナミックマイクとコンデンサーマイクに分かれる、というのは前回の記事で解説しました。

が、実を言うとダイナミックマイクの中にも種類があります。

その代表的なものが、ムービングコイル型マイクリボン型マイク

どちらもダイナミックマイクに属しますが、音を拾う構造が異なります。

今回はこの2種類のマイクの特徴と構造の違いについて解説します。

ムービングコイル型マイクの特徴と構造

ムービングコイル型ダイナミックマイクの構造

ムービングコイル型マイクの内部構造

ムービングコイル型のマイクは、ダイヤフラムと呼ばれる振動板につけられたコイルがあり、その後ろに磁石が配置されています。

音=空気の振動がダイヤフラムを揺らし磁界の中でコイルが動くことで

いわゆる電磁誘導作用、フレミングの右手の法則の応用です。理科の授業でやりましたね。懐かしや。

この三つのパーツで音=空気の振動を電気信号に変換します。

後はマイクケーブルでミキサーなりアンプなりにこの信号を送って、最終的にスピーカーを鳴らす、ってわけです。

この構造、実はギターやベースに使われるマグネティックピックアップマイクと似た構造

マグネティックピックアップマイクの場合磁石のポールピースがあり、その周りをグルグルとコイルで巻かれています。

そして、弦がダイナミックマイクの振動板であるダイヤフラムの代わりで、弦が揺れることで電気信号が発生する=弦を弾くとその振動が電気信号に変換される、ってワケです。

リボン型マイクの特徴と構造

リボン型ダイナミックマイクの構造

リボン型マイクの内部構造

リボン型マイクは、アルミなどの薄い金属箔のリボンに折り目をつけ、磁極で挟まれたスリットの間に垂らした構造になっています。

ダイヤフラムとムービングコイルの代わりに、このリボンが空気の振動=音で動くことによってリボンの両端に電気信号が発生します。

他のマイクと違い、導体であるリボンが張られているのはなく吹かれに弱い難点はありますが、振動系の構造が軽く動きやすいので、高音域から低音域まで広い音域でよく音を拾うのが特徴です。

その構造上、コンデンサーマイクよりも周波数特性にクセが出にくいのも特徴で、自然な音がすると愛好家もいますが、コンデンサーマイク同様扱いが難しいのが弱点。

また、大きな磁石が必要になるため大きく重くなる傾向があり、今ではレコーディングで時折見かけるくらいで、あまり使われてはいません。

ダイナミックマイクの種類と構造 まとめ

・ダイナミックマイクは構造上高音域など特定の音域の感度に難があるが、頑丈で丈夫な特徴があり扱いやすい

・リボン型はその構造上、全帯域で自然でコンデンサーマイクのように取扱いに注意が必要

・ダイナミックマイクマイクの中ではムービングコイル型が主流で、今日ではリボン型はあまり見かけない

リボン型のマイクは構造・分類上はダイナミックマイクでありながらコンデンサーマイクのように取扱いが難しく、重く大きい難点があります。

そのため今日ではあまり使われず、ダイナミックマイクでは扱いやすく丈夫なムービングコイルタイプが主流になっています。