ソプラノ、アルト、テナー…楽器で使われる音域名一覧
結構多い音域名。主な物は憶えて置こう。
楽器はその構造によって出すことができる音域、つまり音の範囲が決まっています。
しかし、同じ種類・名前の楽器であっても、その弦長や管長、大きさなどを替えることによりその音域を変えたバリエーションを持った楽器が多くあります。
ウクレレやサックス、クラリネット、トロンボーン、リコーダーなどがそうですね。
これらの楽器にはその音域がわかりやすいよう、楽器の名前の頭に音域の名が接頭語のようにつきます。
ソプラノサイズのウクレレだとかアルトサックスだとか、バスクラリネットといった具合です。
例えば同じサックスの中でも、アルトサックスとバスサックスとでは出せる音域が異なります。
ある意味、ギターとベースの関係性も同様ですね。
一般的に言われているベースも、ベースギターと言うギターの一種として扱われる場合があります。
この音域名は主には声楽で使われるものですが、器楽(※)の場合でも、声楽と近い音域に相当する楽器にその名がつけられています。
(※器楽とは、主に声を使う音楽である声楽に対し、主に楽器を用いる音楽を指します)
今回はざっくりとではありますが、この音域について前後関係、というか高低関係について解説します。
楽器で使われる一般的な音域と高低関係
音域名は結構細かく分けられており色々ありますが、中でも最も一般的なのは下記に挙げるものです。
【高音域】ソプラノ > アルト > テナー > バリトン > バス【低音域】
最も一般的とは言っても管理人の独断と偏見によるものではありますが、上記のソプラノ~バスは本当によく出てくる音域名です。
せめてこれらの音域と音の高低関係は憶えておくようにしておきましょう。
楽器で使われる一通りの音域と解説
上記の一般的なものに加え、楽器で使われることのある音域名は下記のようになります。
【高音域】クライネソプラニーノ > ソプラニーノ > ソプラノ > アルト > テナー > バリトン > バス > コントラバス > サブコントラバス【低音域】
上記5つの音域に、ソプラニーノから先の高音域とコントラバスから先の低音域を加えたものです。
ここまで来ると特定の楽器以外では見かけないような音域も含まれおり、管楽器の専門でもなければ特に全て憶えておく必要はありませんが、やはり楽器店で楽器に携わる者として、どういった楽器があるのかくらいは目を通しておくと良いでしょう。
クライネソプラニーノ Kleine Sopranino
代表的な楽器:クライネソプラニーノリコーダー
クライネとはドイツ語で『 小さな 』という意味を持ち、かなり高音域であるソプラニーノよりも更に高音域となります。
他の音域からクライネソプラニーノまでカバーするような楽器はあまりなく、楽器店で見かけるとすればリコーダーくらいでしょうか。
日本ではあまり一般的な呼び方ではありませんが、海外ではガークライン(Garklein)とも呼ばれます。
基本的に楽器は音が高くなるにつれて小さくなる傾向があり、クライネソプラニーノリコーダーの時点で小さすぎて演奏が難しく、音域としてもこれよりも高い音域名が付く楽器は管理人も聞いたことがありません。
ソプラニーノ Sopranino
代表的な楽器:ソプラニーノサックス、ソプラニーノリコーダー
ソプラノよりも更に高音域。
この音域の名を冠する楽器にソプラニーノサックスとソプラニーノリコーダーが挙げられますが、やはりどちらも音域としてはかなり高く、それほど一般的に使われるものではありません。
特殊な部類であると言えるでしょう。
ソプラノ Soprano
代表的な楽器:ソプラノウクレレ、ソプラノサックス、ソプラノリコーダーなど
日本では義務教育課程で小学校の時にソプラノリコーダーを習いますので、音域のことをあまり知らないという方でも馴染み深い単語ではないでしょうか。
高音域の中でも最も一般的な音域です。
ソプラニーノ以上の楽器は少し珍しいのですが、ソプラノ辺りから楽器としては一般的なものになってきます。
前述の通り音域が高い程楽器本体が小さくなる傾向があり、他の音域に比べ楽器自体が小さいというのも特徴です。
アルト Alto
代表的な楽器:アルトサックス、アルトリコーダー、アルトクラリネットなど
これまた義務教育課程の中学校で習うリコーダーがアルトリコーダーなので、私達日本人には馴染みの深い音域ですね。
リコーダーやサックスでは最も一般的な音域の一つとなります。
全体的にみて中庸的な音域で、主旋律を奏でることが多くソロでもよく使われ、アンサンブルでも主役になることの多い音域です。
テナー / テノール Tenor
代表的な楽器:テナーサックス、テナーウクレレ、テナートロンボーンなど
テナーというのは英語読みで、テノールというのはドイツ読み。
声楽の場合はテノール歌手などと言うのが一般的ですが、器楽の場合は英語読みでテナーサックスなどと言うのが一般的です。
Tenorは 『 保つ 』 という意味を持つtenereというラテン語を語源に持ち、 『 主旋律を保つ者 』 という意味を持っています。
アルトよりは低音域ではありますが、主旋律を奏でることの多い音域です。
各楽器ともこのテナー辺りから楽器本体のサイズが大きくなってきます。
バリトン Baritone
代表的な楽器:バリトンサックス、バリトンウクレレなど
このバリトン辺りから本格的に低音楽器として扱われ、主にアンサンブルで低音パートを担当する楽器となります。
しかしバスとテナーの間というちょっと中途半端な位置であり、大体の楽器ではバスかテナーのどちらかで済むことが多いため、バリトンの音域のラインナップがある楽器はそれ程多くありません。
ちなみに、『 バリトン 』と言う名の楽器が二種類あります。
そのうちの一つがブリティッシュスタイルの吹奏楽で使われるバリトン。
ユーフォニアムに近い金管楽器です。
もう一つは古楽器で撥弦兼弓奏楽器のバリトン。
ただし、こちらのバリトンは英語などでは綴りが違い、Barytonとなります。
(原語によっては同じ綴りとなる場合もある模様)
バス / ベース Bass
代表的な楽器:バスクラリネット、バストロンボーン、バスリコーダー、バスサックスなど
ザ・低音な音域ですね。低音域の代表的存在です。
この辺りまでくると楽器自体がかなり大きくなり、楽器によっては立奏ではなく座奏を前提とした造りになってきます。
ちなみに、音域名として呼ぶ時はドイツ読みのバスが一般的。
ベースというのは英語読みです。
Tenorの場合は英語読みが一般的でBassの場合はドイツ読みが一般的というのはなんだか統一性がないようでもありますが、恐らく弦楽器のベースとの混同を避けるためでしょう。
コントラバス Contrabass
代表的な楽器:コントラバスクラリネット、コントラバスフルート
バスよりも更に低音域です。
コントラバスまでくると楽器がどんどん巨大化し、同名の他の音域の楽器のお化けみたいな感じになってきます。
コントラバスフルートなんかはその高さが人の背丈ほどもあります。
バスの時点でもアンサンブル以外ではあまり使われませんが、コントラバスがともなると大人数での編成でもないと出番はほとんどありません。
サブコントラバス SubContrabass
代表的な楽器:サブコントラバスサックス
超低音域です。
サブコントラバスサックスの動画が一時話題になりましたが、そこまでしてその低音がほしいのか、他の楽器じゃダメなのかという、もはやネタレベルです。
こちらのリンク先のブログで動画付で紹介がなされていますので、興味があるという方はご確認ください。
音域まとめ
・同じ名前の楽器でも、サックスやリコーダーなど、色々な音域を持つ楽器が存在する。
・【高音域】ソプラノ > アルト > テナー > バリトン > バス【低音域】は最低限憶えておこう。
楽器によってもよく使われる音域などは違いますが、やはり上記のソプラノ~バス辺りまでが一般的によく使われる音域となります。
特に上記の中でソプラノ・アルト・テナー・バリトン もしくは ソプラノ・アルト・テナー・バスの四つの音域によるアンサンブル(四重奏)はかなりメジャーでよく見かけることができます。
クライネソプラニーノからサブコントラバスまで全部憶えておくのは無理にしても、出てくる頻度が高いので、せめてこの辺りは憶えておくようにしておくと良いでしょう。
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