ピックの種類(形・サイズ)によるジャンルと奏法の向き不向き
ピックのサイズでも音や演奏性に違いが出る!
ピックはギタリスト、ベーシストの好みで何を使っても構いません。
それこそドリルにピックをつけようが、超絶変態ピックとして有名なおっぱいピックを使おうが、野球部員にホームベース型を投げつけようが全てアナタの自由です。
が、ピックの形やサイズによっても音や演奏性が大きく変わるため、向いている奏法やジャンル、初心者でも使いやすいかどうかもあります。
今回はピックの形やサイズに焦点を当て、それぞれの特徴や違いを解説します。
ティアドロップ型
- おにぎり型ほどではないけれど比較的持つ面積が広いため持ちやすい。
- ピック先も鋭角なので狙ったポイントを弾くソロ弾きに向いている、
- バッキングもそつなくこなし、弦に当てられる面積自体は広いのでカッティングにもオススメ。
ティアドロップ型は後述するおにぎり型と並んで最も一般的なピックの形です。
逆さにすると涙の形に似ているためティアドロップと呼ばれています。
単音弾きなどのソロプレイからコード弾きによるバッキング、カッティングプレイにも対応できるバランスの良いピック。
ジャンル、奏法にかかわらずなんでもそつなくこなし、特にロックギタリストには一番人気です。
人気が高いだけあってあらゆる素材、厚みの種類が出ており、選び甲斐もあるピックでもあります。
スモールティアドロップ
そこまでは一般的ではありませんが、スモールティアドロップと呼ばれるシェイプのピックもあります。(画像右上)
小さくとがっており、マンドリンピックっぽい印象。
おにぎり型と普通のティアドロップと見比べてみてもかなり小さいことがお分かりいただけるかと。
後述するJAZZ型とティアドロップの中間くらいの特徴を持ち、コード弾き・バッキングよりも単音弾き・ソロ向きなピックです。
おにぎり型・トライアングル型
- 持てる面積が広いのでまだ加減がつかめない初心者でも扱いやすい。
- 使える角が3つあって経済的。これまた練習量の多い初心者にもオススメ。
- バッキングやカッティング向きで、特にアコギやバッキングギターオススメ。
おにぎり型(トライアングル型)はティアドロップに並んで人気度の高い定番ピックです。
コードをジャカジャカ弾くスタイルやアコギ、ピック弾きベースで使いやすいピックシェイプ。
ミディアムなどちょっと柔らかめのピックでバッキングに使うのがオススメです。
持つ面積が広いので弦の張力に負けて落とすようなことも少なく、3つある角を全て使えるので1枚のピックでたくさん使用可能。
こういった事情から、練習量が多く、また力加減がまだつかめていない初心者にもオススメです。
ピック買うのって結構バカにならないですよ。10枚も買ったらあっという間に1,000円ですから。
ティアドロップと並んで人気度が高く、こちらもいろいろな素材や厚みのものが出ています。
中には画像右下のようなスモールトライアングル型もあります。
ジャズ型
- 小さくて先が鋭いピックで、持てる面積も弾くピック先も小さいので初心者には扱いが難しい。
- 特にテクニカルなプレイに向いている上級者向けのピック。
- 定番商品はナイロンピックのJAZZ III。
ジャズ型ピックとても小さく、基本的に分厚いものが多いのが特徴。
持ったら指からちょびっとしかピックの先が飛び出ないので、弾きこなすのが非常に難しいピックです。
反面、ピック先を深く入れずともしっかり弦を弾ける & 小さい分弾くポイントをコントロールしやすいのも特徴。
ピック先から指までの距離が短いのでピッキングハーモニクスなどテクニカルなプレイもしやすいメリットがあります。
これらの特徴からテクニカルなソロプレイ向きのピックといえるでしょう。
しかし大抵のプレイはティアドロップで十分なことが多いため、そこまで広くは普及していません。
ジャズ型ピックの代表例はJAZZIII。
JAZZ型そのものを使うための練習が必要なほどで、扱いが難しいため初心者にはあまりオススメできません。
サムピック
サムピックとは指にピックをやめるタイプのピックの総称で、結構いろいろなタイプのものが出ています。
フィンガーピックとも呼ばれており、始めこそ特殊、変形ピックのような扱いでしたが、今や定番ピックの一種。
ピックを指にはめるの保持力は非常に高く、弦の張力に負けて飛んでしまったりうっかり落とすような心配が減るメリットがあります。
ピックを持つ深さの調整ができないため細かい調整が難しく、単音によるソロよりもストロークによるコード弾きに向いてします。
そのためかエレキギター勢よりもアコギ勢に人気。
指とピックのサイズ適合や持った感触など、普通ピックに比べかなりクセがあるのである程度慣れが必要。
ライブ中ピックを投げる動作に向かないちっちゃいデメリットもあります。
ホームベース型
- コードよりも単音弾きにオススメ。ソロ向きなピック。
- マイナーな部類で種類が少ない。何気にべっ甲ピックで多かったりする。
- 扱いづらく、野球部員が見かけると飛び込んでくるデメリットがある。
ホームベース型ピックは変形ピックの中では古株の部類です。
かの天才ギタリスト リッチー・ブラックモアが愛用。
小さくてピック先の面積が小さい、単音弾き・ソロ向けのピックで、ジャズ型に似た特徴を持っています。
ただ、人気度ではジャズ型の方が優勢で、かなりマイナーな部類のピックです。
種類もあまり作られておらず数種類 + べっ甲のものがあるくらいで、絶滅寸前です。
シャークフィン型
シャークフィン型ピックは、その名の通りサメのヒレみたいな形をしたピックです。
尖った面、それなりに尖った丸い面、ギザギザの面の三つを使える変形ピック、もとい変態専用ピック。
先入観無しでとりあえず買って使ってみましょう。
7割の人は買ったことを後悔するでしょう。
2割の人は「 お、まぁまぁイケるじゃん 」と言いつつ二度と見向きもしないことでしょう。
残る1割の人は「 コレめっちゃええやん! 」といい、5分後にはティアドロップに持ち変えることでしょう。
正直管理人ごときでは使い方がよくわからないピックです。
トルティーヤチップス型(トライアングル)
- 数あるピックの中でも最大級の大きさ。
- あまり一般的ではなく、変形ピックの部類。
トルティーヤチップス型はほぼ丸みのない直線の三角形シェイプのピックです。
あまり一般的ではなく変形ピックの部類に入ります。
かのロックバンド サンタナのカルロス・サンタナ氏が愛用しているピックです。
もともとは『 ちょっと大きめのトライアングル型 』って感じの扱われていたものでした。
が、カルロス・サンタナ氏がトルティーヤチップスみたいなピックを使っているとからかわれた逸話からトルティーヤチップス型との名称が定着しました。
その大きさと直線的な三角形が最大の特徴。BOSS コンパクトエフェクターからもはみ出る大きさ。
大きさと厚みの関係でかなり深めに持っていても先が長く出てしまいます。
そのためしなりやすく、早引きには向かないピックといえます。
円形
円形ピックはなかなか珍しい形で、製品も少ないピックシェイプです。
弦辺りもサウンドも柔らかく、アタック感の少ない音色になります。
ある意味コインも円形ピックといえ、1円玉はアルミの円形ピック、10円玉は銅の円形ピックといえるでしょう。
削れて角のなくなってしまったピックを使っているようなもので、弾き心地的にかなりクセが強いピックです。
尖っている面がないため現に当たる面積が小さく、アタック感の少ないクセのある弾き心地。
あまりソロ弾きは向かず、どちらかといえばバッキング向きなピックです。
ピックの形によるジャンルの向き・不向きと初心者にオススメピック まとめ
- 特にエレキギターはある程度慣れたら一番汎用性が高く人気もあるティアドロップがオススメ。
- 初心者は握る面積が広く持ちやすい&角が三つありたくさん使えるおにぎり型がオススメ。
- おにぎり、トライアングル型はバッキング向きで、初心者以外にもアコギやバッキングプレイの多い型にオススメ。
- 単音でのテクニカルなプレイならJazzIIIかホームベース型が良い。
- サムピックはコード弾き向きで、アコギプレイヤーに多い。
- その他変形ピックはどれもクセモノ揃いなので、よほど気に入らない限りはオススメしない。
結論でいえば初心者、アコギ、バッキングプレイ向けなオニギリとエレキギターを使うロックギタリストにはティアドロップがピッタリといえるでしょう。
最終的には好みとは言っても、初心者の方はある程度セオリーに沿って練習した方が無駄な苦労をせずに済みます。
まずはオニギリ・トライアングル型やティアドロップ型を一通り揃えてから変形ピックに臨むことをオススメします。
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