【基礎知識】ベースピックアップの種類と特徴・違い
エレキベースのピックアップの種類とタイプ別特徴
今回は、ベースのピックアップの中でも最も一般的なジャズベースタイプとプレシジョンベースタイプ、ミュージックマンタイプのピックアップについて解説します。
世に出回っているベースは9割以上、というかほぼ100%がこの内どれかを使っていると言っても過言ではないレベルです。
ピックアップはパーツの中でも最も音色に密接に関わるパーツです。
楽器関連の知識をつけたいという方だけでなく、これからベースを始めるという方もぜひ参考になさってください。
ジャズベースタイプ
通称ジャズベタイプピックアップ。
1960年頃Fender社が開発・販売したジャズベースのために作られたピックアップのためジャズベースタイプと呼ばれています。
今ではジャズベースのみならず、他のモデルや他社のオリジナルベースなどにも広く使われており、ベースのピックアップの中でも最も多く使われるピックアップです。
ジャズベースタイプのピックアップを搭載する場合、対になるようにフロントとリアの二つ載せるのが基本。
細長いバータイプの本体に、計8個のポールピースが一列に配されています。
弦の数に対してポールピースが多いのは、ベースは弦を弾いた際の弦の振れ幅がエレキギターよりも大きく、一つのポールピースでは弦の揺れによって弦の距離が遠くなってしまい振動を拾いきれず、音量が小さくなる問題があるため。
その問題の解決策として、一本の弦に対して2つのポールピースを対応させ、真上から見て弦がポールピースの間を通るよう設計されています。
なお、弦のピッチ(弦同士の距離)がブリッジに近いリアポジションとネック側のフロントポジションとでは違うため、これに合わせてリアはポールピースのピッチが広いもの、逆にフロントピックアップはピッチが狭いものを載せる必要があり、同じジャズベースタイプのピックアップでもリア用のものとフロント用のものがあります。
ジャズベースタイプP.Uのサウンド
ジャズベースタイプのピックアップはシングルコイルピックアップですが、リアとフロントをミックスして音を出した場合はハムバッキング効果を発揮し、ノイズが減少する構造になっています。
ただし、二つのピックアップの距離が遠いため、それぞれのピックアップで拾うノイズの信号に差異が大きく、単体でハムバッキングとなっているピックアップに比べハムバッキング効果は少々弱め。
プレシジョンベースに比べ柔らかめでバランスが良く、クセのない粒立ちの良いサウンドが特徴です。
ジャズという名前がついているからといってジャズにしか使えないというわけではなく、クセがないためむしろさまざまなジャンルでオールラウンドに使えるピックアップです。
プレシジョンベースタイプ
いわゆるプレベタイプのピックアップ。
ジャズベース同様、Fender社が開発したプレシジョンベースで使われたためプレシジョンベースタイプと言われています。
ポールピースが四つずつ付いた四角いパーツが二つに別れた形になっていますが、この二つのパーツ合わせて一つのピックアップマイクとして機能します。
ジャズベ同様一本の弦に対して2つのポールピースをあてがい、弦を弾いた際の音量低下の問題を解消しています。
構造としてはシングルコイルということになりますが、いわゆるスプリットコイル構造になっており、内部で二つに分けられたコイルを逆巻き・逆磁性にしてハムバッキング効果を得ています。
シングルコイルではありますが、分類としてはハムバッカーピックアップといえるでしょう。
プレシジョンベースにプレベタイプのピックこの一基のみ搭載、という使われ方が最も一般的。
近年ではリアポジションにジャズべタイプのピックアップ、フロントポジションにはプレベタイプのピックアップを搭載した、いわゆるPJタイプのベースも増えています。
プレシジョンベースタイプP.Uのサウンド
ジャズベースタイプのピックアップに比べパワーがあり、硬めでアタック感のあるサウンドが特徴です。
ピックでガシガシ弾きたい!という時に向いたピックアップと言えるでしょう。
ミュージックマンタイプ
主にミュージックマンのベースによく使われているタイプのピックアップです。
搭載されているモデル自体がある程度限られるためジャズベタイプやプレベタイプのピックアップに比べれば出数は少ないのですが、それでも根強い人気を誇っています。
構造的にはダブルコイルによるハムバッキングピックアップで、他のピックアップに比べピックアップそのものが大型で、8つ並んだ巨大なポールピースによる独特の外観が特徴的。
弦の振れ幅による音量低下の問題に対しては一本の弦に2つのポールピースを対応させるのではなく、ポールピースそのものを巨大化するというアプローチで解消してします。
このピックアップが使われるベースの代表例であるミュージックマンスティングレイがアクティブタイプであるため、このタイプのピックアップが使われるベースはアクティブタイプであることが多いです。
が、最近では他社のオリジナルでも似たタイプのピックアップを使ったベースもあり、全てが全てアクティブというわけではありません。
ミュージックマンタイプピックアップの特徴
ハムバッカーらしいパワフルでノイズの少ないサウンドが特徴的。
余裕を感じさせるパワー感が魅力です。
パワフルといっても前述の通りアクティブベースに搭載されることが多いため、硬い音から柔らかい音まで幅広く対応可能です。
ベースピックアップの種類 まとめ
・ジャズベースタイプのピックアップは2基セットが一般的で、2基同時に音を出した場合ハムバッキング効果を得られる。柔らかめのサウンドが特徴。
・プレシジョンベースタイプは単体でハムバッカーとして機能する。パワフルで硬質なサウンドが特徴。
・ミュージックマンタイプのピックアップはハムバッカーらしいパワフルなサウンドが特徴。アクティブベースに使われることが多く、その場合柔らかいサウンドから硬質なサウンドまで幅広く対応可能。
エレキベース関連の質問で最も多いのは「 このベースとこのベースは何が違うんですか? 」という質問。
全然違うモデルの場合はネックの太さとかスケールの違いとか色々挙げられますが、それ以前に最も気にすべきはピックアップです。
その時、エレキ楽器同士の違いについて訊かれた場合、最もその違いが表れるのはピックアップの違いなので、まずそれがわかっていないと答えようがありません。
これらのピックアップのそれぞれの特徴や違いについてはしっかりと憶えておきましょう。
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