アンプの種類 コンボアンプとスタックアンプ

2014年11月25日

様々なタイプのギターアンプ・ベースアンプ

アンプの中身についての記事を何回か書いてきましたが、今回から実際に商品として販売されているアンプのタイプ分類について解説します。

世の中には数多くメーカーが様々なアンプを開発して販売しており、もちろん一括りにはできないものもありますが、大別するとコンボアンプ、スタックアンプ、ラックタイプアンプ、ヘッドフォンアンプの4つに区別することができます。

今回から数回に分けて、これらのアンプについて解説していきますが、下書きの時点でかなり長くなってしまいましたので、今回はまずもっともスタンダードなコンボアンプとスタックアンプについて解説しましょう。

 

コンボアンプ

マーシャルのコンボアンプmg-15

自宅練習に適した15ワットサイズのギターアンプ マーシャルMG15CFX

コンボアンプとは、増幅回路(プリアンプ・パワーアンプ)とスピーカーが一つの筐体に収められたアンプを指します。

上の画像のような小型の自宅練習用からステージで使用するような大型のものまで多くのバリエーションが存在し、最も販売数が多いタイプです。

ちなみに、インプットジャックやツマミ類が上面についているものやスピーカーと同じく前面についているものもありますが、こういった配置に関係なく、スピーカーと増幅回路等のアンプ部分が一体になっていれば全てコンボアンプということになります。

コンボアンプの背面

本体内にプリアンプ・パワーアンプ・スピーカーとギターアンプに必要な全て内蔵されている。

ギターアンプとして機能するためのパーツが全て入っている一体型なので配線等を考える必要もなく、最も手軽に使用できるのが特徴です。

動きの激しいステージでも倒れたりしないよう安定性を求め、基本的には正面から見て横長の形状のものが多く、ベースアンプや一部モデルでは正方形に近いものもありますが、極端に縦に長いものはあまりません。

スタックアンプ

JCM800

名スタックアンプ MarShall JCM800

スタックアンプとは、アンプ部分(プリアンプ・パワーアンプ)と、スピーカーが収められたキャビネットとが別々になっているギターアンプ・ベースアンプを指します。

プリアンプ・パワーアンプが収められたアンプ部分はアンプヘッドヘッドアンプなどと呼ばれ、キャビネットの上に載せられます。

アンプヘッドの背面からのジャックに出力用の端子があり、これとキャビネット側の入力端子をスピーカーケーブルと呼ばれる専用のケーブルで接続します。

※スピーカーケーブルとギター・ベース用のシールドケーブルは同じ形状ですが、内部構造が違うのでシールドケーブルは使用してはいけません。

ロックミュージシャンたちのステージでよく見かける通称 マーシャルの壁 もこのスタックアンプのキャビネットを並べたもの。

(Twitter上でマーシャル・ウォールが張りぼてあるという画像が流れ話題になりしましたが、全部が全部張りぼてではないはず……多分)

キャビネット自体は基本的にスピーカーが収められているだけなので、決められたインピーダンス(Ωで表されている数字)さえマッチングさせればアンプヘッドとキャビネットがそれぞれ別々のメーカーの物でも特に問題なく使用することができます。

愛用のアンプヘッドさえ持っていけば、後はライブハウスやスタジオにあるキャビネットだけ借りていつも使っている音を出す、ということもできます。

持ち運びにも便利な小型のヘッドアンプも販売されています。

更に、キャビネットの上にキャビネットを積みその上にヘッドアンプを載せる、いわゆる3段積みなんて芸当も可能。

この拡張性の高さと、大型のキャビネットならではの音量と音圧で人気があります。

一応、練習でも使えるような小型のヘッドアンプとキャビネットのセット(OrangeアンプのTiny Terrorなど)も細々と製造・販売されてはいますが、やはり小型のアンプではコンボアンプの方が利便性が高いため、それほど人気はありませねん。

近年はPA技術の進歩によりアンプそのものの音量はそれ程必要なくなったため、3段積みなどで爆音で使うミュージシャンもあまり見かけなくなりました。

それでも、巨大なキャビネットから出る圧倒的な音圧を求める人は多く、今でもライブ会場やスタジオなどで高い人気を誇っています。

まとめ

・コンボアンプとは増幅回路の部分とスピーカーなど、ギターアンプ・ベースアンプに必要なパーツが全て一つの筐体に収められたもの。

・コンボアンプは自宅練習用の小型~ライブパフォーマンス用の大型の物まで幅広いバリエーションを持ち、安定した人気を誇る。特に自宅練習用の小型アンプのシェアは断トツである。

・スタックアンプとは増幅回路が収められたアンプヘッドと、スピーカーが収められたキャビネットが別々になったもので、インピーダンスさえ合わせて接続ができれば好きに組み合わせて使用することができる。

・スタックアンプはライブやスタジオで使われるような大型の物の方が圧倒的に人気があり、自宅練習用の小型アンプのジャンルではそれ程人気はない。

以上、ギターアンプ・ベースアンプの中でも見かける機会の多いコンボタイプとスタックタイプ、二つのアンプについて解説致しました。

その他にもアンプには色々と種類があり、これらについても色々と解説しています。

下記リンクよりどうぞ。